ついに本格始動!国際共創学部 環境サステナビリティ学専攻編
2026年度より、「国際共創学部」が開設されました。
多角的な視点から解決するための知識や技能、思考力を身につける学部です。文理の枠を越えた複眼思考を養い、学びを通して、社会の課題に対する解決策を提案し、実際に貢献する力を育んでいきます。
今回は、2編に分けて「環境サステナビリティ学専攻」と「国際日本学専攻」のそれぞれの先生にお話を伺い、学部の魅力や授業の様子などを掘り下げました!
西1号館を紹介!
国際共創学部の学生たちは、主に西1号館で授業を受けています。ここには、環境に配慮した設備が多く施されており、新しい学部としてふさわしい建物となっています。
消費期限が近いなどといった事情で廃棄されそうな食品を安価で提供する無人販売機
建物の温度を下げて冷房の使用を減らすための植物
環境サステナビリティ学専攻 小室譲 准教授
環境サステナビリティ学専攻では、現代の社会的な問題について、環境学や地理学に基づいて探求力や解決力を高めていくことを目指しています。今回は、その中でも「観光地理学」を専門として研究されている、小室譲准教授にお話を伺いました。
Q.先生が取り扱っている分野はどういったものなのでしょうか?
A.「サステナブルツーリズム」です。国際共創学部が重視している学修分野の一つとして「地理学」がありますが、その中でも観光に目を向けた「観光地理学」の授業を担当しています。観光を研究対象としたフィールドワークをベースに展開しようと考えています。
Q.先生が観光地理学を学ぼうと思ったきっかけを教えてください。
A.大学3年生のときにバックパッカーで世界一周の旅をしたことが大きなきっかけです。そのとき、世界中の国々を見ていく中で、「日本が一番観光のポテンシャルがある」と感じました。特に、海外の方を日本に誘致する「インバウンドツーリズム」に成長の兆しを感じ、その研究をしようと思うようになりました。
Q.国際共創学部だからこそ学べることとして、どういったものがあるでしょうか?
A.観光を例にあげると、観光といっても、扱う対象は単なるゲストとホストの関係性から観光地をめぐる環境問題や気候変動など多岐にわたります。そのため国際共創学部が重視する、文理相互の視点が重要になります。
Q.実際に授業が始まって、学生たちの様子を教えてください。
A.今の1年生が「1期生」ということもあり、モチベーションが高く目の輝きが感じられます。また、例えば環境先進国と言われているドイツに留学したい、学内の環境活動に積極的に取り組みたい、など環境に強い関心を持っている学生が多く、感心しています。
Q.すでにフィールドワークは行っているのですか?
A.はい、まずは1年生向けのフィールドワーク系の入門科目において、新大久保と池袋駅北口に行きました。この二つの地域は、エスニックタウンと呼ばれていて、日本国内にいながら異国の文化に触れることができます。新大久保では、韓国人街に限らず、イスラム横丁を訪問するなど多国籍化する地域の実態を、池袋駅北口では観光地化が本格化する以前のエスニックタウンの現場を感じ取ってもらいました。
Q.フィールドワークでの学生の反応はどのようでしたか?
A.先ほど紹介した新大久保のイスラム横丁の食料品店では、他地域で普段流通していない商品を実際に購入するなどして、楽しそうな様子でした。また、白地図をもとに街を歩き、そこにエスニック店舗の立地分布や気付きを書き込む課題を出しました。普段とは違って、フィールドワーク中は、通行人の様子や建物の上階を含めて、街全体に意識を向けて観察することで新たな気付きがたくさんあった、というような声が上がりました。
Q.フィールドワークを通して、学生にはどのような力を身につけてほしいと考えていますか。
A. まず「自分の殻を破る勇気」を身につけてほしいと思っています。例えば、これまで関わったことのない地域の方やお店の方に話を聞くことは、大学生にとって簡単なことではありません。しかし、その一歩を踏み出す経験が大きな成長に繋がります。また、インタビューの依頼の仕方や名刺交換のマナー、相手との信頼関係の築き方など、社会でも役に立つ実践的なスキルを学ぶことができます。さらに、一つの出会いから新たな出会いへと、人との繋がりを広げる経験もできるとも感じています。こうした経験を通して、コミュニケーション能力や主体性を養い、将来の仕事にも生かせる力を身につけてほしいと考えています。
Q. 先生ご自身が、これから授業で取り組んでみたいことはありますか。
A. ゼミなどを通して、地域の方々と協力しながら、5年、10年と続く長期的なプロジェクト型の学びを実践してみたいです!継続的に特定の地域と関わることで、学生達はより深い学びや経験を得られるのではないかと考えています。また、そのような活動の中で、卒業生と在学生が繋がる仕組みも作っていきたいと思っています。社会人になった卒業生が、自身の経験を後輩に伝えたり助言したりすることで、学年を超えた交流が生まれるからです。実際、私も卒業後に母校のゼミへ招かれ、就職活動や社会人経験について話したことがありますが、自分の経験が学生達の役に立つことを実感しました。そうした縦のつながりを育みながら、一つの課題に長期的に取り組み、学びを深められる環境を実現していきたいと考えています!
Q.これから学部をどのようなものにしていきたいと考えていますか。
A.私が着任する前から、先生方や職員の皆さんが学部の制度設計を進めてくださっていました。その中で、この学部の大きな特徴は、西1号館という建物の中で教員・職員・学生が一緒に過ごせることだと思っています。お互いの距離が近い環境だからこそ、学生も教員も「新しい学部の1年生」として、一緒に学部の方向性をつくっていけると感じています。教職員が一方的に学部をつくるのではなく、学生と協力しながらより良い学びの場を築いていきたいと考えています。そのような関係性が、この学部ならではの魅力になり、独自の学びにも繋がっていくのではないかと思います。
Q.学生達に向けて、観光地理学などを学んでいくにあたってどういう視点が大事になってくると考えていますか?
A.まず伝えたいのは、観光地理学だけを勉強しなくて良いということですね。
国際共創というのは、一つの物事や現象をさまざまな視点から捉えていくことだと思っています。例えば、自分の意見だけではなく、反対意見も取り、ときに批判的に考えてみる、日本をローカル、グローバル双方の視点で見てみる。入れて考えてみる、日本を国内の視点・海外からの視点の両方で見てみる。そういったことを意識研究していく中で、一つの分野に捉われずに他の分野の視点も取り入れていってみようというのが「共創」の考えに繋がっていくと思います。
限られた学問だけでは無く、よりたくさんのことを学べるというのが国際共創学部の魅力の1つだと思っているので、その延長で観光について少しでも興味を持っていただけたら良いなと思っています。
Q. では、多角的な視点を身につけるためには、学生時代にどのようなことを意識するとよいのでしょうか?
A. 大学の授業だけでは得られるものに限りがあるため、普段の生活の中でたくさんの人々に出会い多様な環境に触れていくことが良いのではないかなと思っています。私の体験談になりますが、学生時代には複数のアルバイトを経験しました。カフェや居酒屋、メキシカンレストランなどで働き、さまざまな年代や背景を持つ人々と関わりました。また、引っ越し業者や百貨店などでも働き、それぞれ異なる価値観や仕事のあり方に触れることができました。さらに、不動産会社でのインターンシップなども行い、そこでは普段接点のない社会人と関わりながら実践的な経験を積みました。こうした授業外での活動を通して、自分とは異なる考え方や環境に触れることが、多角的な視点を養うことに繋がるのではないかと思います。
Q.最後に、これから受験を考えている高校生に向けて、メッセージをお願いします。
A.現時点で、自分が将来どの学問を深く学びたいのかが明確に決まっている人は、それほど多くないと思います。私自身も経済学部に進学しましたが、これまでの人生で学んだことのない学問のため本当にそれで良いのか迷いながら入学しました。そのため、高校生の皆さんには、今から無理に進路を決めようとするのではなく、さまざまな分野に興味を持ちながら学んでほしいと思います。
国際共創学部では、文系・理系や専門分野の枠にとらわれず、幅広い分野を学べる環境が整っていると思っています。そのため、まずは多様な学びに触れながら、自分が本当に興味を持てることを見つけてほしいですね。
その一方で、何か一つでも夢中になれることを見つけたら、ぜひ徹底的に追究してほしいと思います。それは外国語でも、推し活のような趣味でも構いません。大切なのは、「なぜだろう」と考えながら、自分なりに調べたり、人に話を聞いたりすることです。例えば、同じ趣味を持つ人にアンケートを取ってみるだけでも、自分だけのデータを集める将来の研究の第一歩になるとも思います。
興味のあることを深く掘り下げる経験は、大学での学びや研究にもつながります。ぜひ、自分の「好き」を大切にしながら、その興味を広げていってほしいと思います!
今回は、「環境サステナビリティ学専攻」内の「観光地理学」について詳しくお話を伺いました。フィールドワークを通して、現地でさまざまな地域の文化に触れ、気付きを得る経験ができることは、とても魅力的に感じられますね。
次の記事では、「国際日本学専攻」についてご紹介します!そちらも併せてご覧ください!
国際共創学部についてさらに詳しく知りたい方は、公式サイトをご確認ください!
国際共創学部 公式サイト
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担当/石井・澤田・笹本
撮影/石井・笹本