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ハンドブック

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01:QLAの概要

大学で授業支援に携わる学士課程(学部学生)の学生は、一般的にSA(Student Assistant の略)と呼ばれています。

成蹊大学では、SAの中でも、所定の課程(単位外)を修了し、また、上級救命講習(公益財団法人東京防災救急協会)を受講して認定証等を交付された者を、QLA(Qualified Learning Assistant 正式名称:成蹊大学公認学習補助員)と認定します。QLAは「高等教育開発・支援センター(事務局は、教育開発・支援課)」が募集から運営まで行っています。QLA制度については、「成蹊大学公認学習補助員に関する規則」を参照してください。

なお、同じアシスタント業務でも、大学院学生が学部の授業をサポートする職種はTA(Teaching Assistant)と呼ばれます。成蹊大学でTAを担当している事務局は、研究助成課です。このように、一見同じように思われる学生アシスタント業務でも、学部学生/大学院生の身分による職種の違いや、管轄する事務局に違いがあります。

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02:QLAの業務

QLAのもっとも大きな役割は、授業の活性化に資する授業支援を通じて教育効果を高めることです。担当教員が授業運営を円滑に進めるために、授業中あるいは授業の前後に軽微な補助を行ったり、ディスカッションなどのグループワークでファシリテーター(グループワークなどでスムーズにワークが進むように調整したり、手助けしたりする存在)の役割を担うほか、以下のような付随的な補助業務を行います。

授業においては、常に担当教員の指示下で適切に業務にあたることが求められます。次は、授業支援業務の具体的な一例です。

  • ・レジュメ等授業配布資料の印刷・運搬・配布
  • ・授業で使用する視聴覚機器の準備・利用補助
  • ・出欠調査
  • ・ミニッツペーパーの回収・整理
  • ・受講中の学生の状況に応じた声かけ・助言
  • ・受講学生の誘導
  • ・忘れ物チェック

QLAの業務は、授業あるいは授業担当教員によってバリエーションがありますが、授業運営の責任者はあくまで担当教員であり、QLAはその補助的役割であることは、常に念頭に置いておく必要があります。したがって、QLAは次のような業務を担当することはできません。これらの業務にかかわることは、たとえ担当教員の指示や依頼があっても厳禁です。


  • ・成績評価、および、それに係わる業務
  • ・補助員としての授業支援の範囲を超える高度な判断や責任を伴う業務
  • ・授業時間外の業務(教室の準備・片付け、授業延長等により、授業内支援業務の勤務時間が隣接する休み時間にかかる形で延長された場合を除く)
  • ・研究用資料のコピー取りなど、授業支援と直接に関係しない教員の秘書的業務
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03:勤務管理

勤務時間

  • ・勤務時間の上限は、1週5コマ以内かつ年間200時間以内です。
  • ・1日あたりの勤務時間が6時間を超える場合は、1時間の休憩が与えられます。
  • ・原則として大学休業日の勤務はありません。ただし、センター主催イベントの補助など、特別の業務がある場合はこの限りではありません。
  • ・授業1コマの勤務時間の基準は以下の通りです。
  • ■情報基礎科目:授業時間100分
  • ■情報基礎科目以外:授業時間100分+授業支援報告書記入20分=120分(2時間)

    ※情報基礎科目以外の場合、授業回ごと、または授業期間中に数回実施される、事前研修・打ち合わせ等(時給が発生)への出席が必要です。

出勤報告の様式

  • ■情報基礎科目
  • ・QLA(学習補助員)勤務報告書で報告してください。
  • ・勤務報告書は、紙のA4書類で、1コマ1枚/1か月です。
  • ・勤務報告書は、担当教員が管理します。
  • ■情報基礎科目以外
  • ・「QLA(学習補助員)勤務報告書」で報告してください。
  • ・勤務報告書は、紙のA4書類で、1コマ1枚/1か月です。
  • ・勤務報告書は、7号館窓口で管理します。勤務時間の関係で7号館事務室の開室時間に提出できない場合は、一時的に個人での管理をお願いする場合があります。

出勤報告の手順

  • ・勤務開始前に7号館窓口からご自身用のQLAファイルをピックアップし、担当する授業の教室に向かってください。 (情報基礎科目の場合は不要です)
  • ・勤務内容・時間に従って、勤務後、所定欄にQLA自身が記入します。
  • ・毎回の勤務後に記入する欄は、以下の通りです。
  • ■情報基礎科目:開始時刻、終了時刻、休憩時間(6時間を超える勤務の場合)、実働時間数、申請時間数(勤務日等に変更があった場合、下段の理由に記入します)
  • ■情報基礎科目以外:開始時刻、終了時刻、実働時間(勤務日や勤務時間などに変更があった場合は、理由を記入します)
  • ・開始時刻、終了時刻は、24時間表記で記入してください。
  • ・勤務時間が延長した場合、端数は15分単位に繰り上げし、実働時間数を記入してください。 記入後、7号館窓口に提出してください。
  • ・休憩時間は取得した休憩の時間数を記入してください。勤務時間が6時間を超える場合、1時間の休憩が与えられます。
    記入後、以下の通り提出してください。
  • ■情報基礎科目:押印または署名し、担当教員へ提出。
  • ■情報基礎科目以外:押印または署名し、QLAファイルに入れて7号館窓口へ提出。

授業支援報告書について(情報基盤科目以外)

QLAは、勤務1回ごとにQLA授業支援報告書を作成し、QLAファイルに入れて事務局に提出するものとします(情報基盤科目を除く)。報告書には所定のシートに手書きで記入してください。字数に制限は設けませんが(上限も下限も)、報告書記入もQLAとしての業務の一部となりますので、毎回必ず気づいたことを記入してください。報告の対象となるのは大きな出来事だけではありません。どんな些細なことでもよいので気がついた点、また自分の感想や反省点など、1勤務につき最低1つは記入してください。また、この報告書は授業全体を振り返るものなので、原則、記入するのは授業時間終了後とします。授業中はQLAとしての業務に専念してください。

給与支払い

  • ・授業支援業務は、月末締め、翌月20日給与支払いを原則とします。
  • ・給与支払いは、指定口座への振込みで行われます。
  • ・授業支援以外のイベント補助等の業務は、業務実施日より1か月以内の給与支払いを原則とします。
  • ・年末年始、夏季、春季の長期休業前後など、事務取扱時間がイレギュラーな場合(締切りが早い)は、勤務報告書提出の締切りや対象となる勤務期間が、通常月とずれることがあります。その場合、支払いもずれることになります。
  • ・交通費は原則支給しません。授業期間中の勤務であり、勤務地は成蹊大学キャンパスであるためです。
  • ・授業支援業務は、時給1,170円(2023年10月現在)
  • ・授業支援以外のイベント補助等の業務は、時給1,120円です。(2023年10月現在)
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04:心がまえ

学業との関係性

学生の本分は学業であり、QLAもそれに変わりはありません。したがって、QLAとしての勤務も、自分の学修活動に支障のないように計画する必要があります。

教育者としての自覚

QLAは、担当する授業の場では、受講学生にとっては「教える側」に見なされます。したがって、「教育者の自覚」は常に意識しておく必要があります。学部学生であり、教え手という両面性を持つQLAは、また、学生たちのお手本と見なされることもあります。後述するマナー(服装、言動など)では、各々のQLAがこうした自覚を持ち、そこから自発的に適切な方法を選択することが期待されているのです。

担当する授業の理解

授業支援では、QLAは常に担当教員の指示下にあります。業務を適切に行うために、必要があれば、事前に担当教員と充分に話し合ったり、シラバス等に目を通して授業の目的や教員の意図を理解しておく必要があります。

QLAとしての権限と責任

  • ・QLAとして勤務する上では、業務内容を把握し、職務の権限を理解しておくことは必須です。QLAとしての権限をきちんと線引きすることは、この職務の限定性を意識することに他なりませんが、それは何も消極的に業務にあたることではありません。授業そのもの、授業担当教員、また、受講学生に対する謙虚さや誠実さに繋げていく、その第一歩なのです。
  • ・また、自分の権限や責任範囲を理解したうえで、自分の責任を超えるような言動は重々慎まなければなりません。たとえば、成績や履修条件などの質問に対しては、自分で回答することはせず、適切な相談窓口(教員や教務部など)を案内するようにしてください。

授業担当教員とのコミュニケーション

授業支援を円滑に行うにあたり、業務内容その他について、授業担当教員としっかりとコミュニケーションをとることが重要です。教員との関係で困ったことがあれば、事務局へ相談することも可能です。

受講学生とのコミュニケーション

  • ・QLAは、授業における大学公認の職務であり、その自覚を持って学生に向かい合う必要があります。一対一でのやり取りなど、私的な親しさを増すような場面も想定されますが、適切な距離感を設けることは常に心がけてください。QLAは、すべての受講学生に対して、公平で、誠実に接することが求められます。
  • ・QLAという職務を離れれば、自分も受講生と同じ学生であることは、いつも頭のどこかで意識しておく必要があります。授業によっては、受講者が上級生になるケースも考えられますが、QLAという立場で接していても、他方では先輩学生に接しているのだということを意識して、その上で常識的な対応をとるように心がけてください。

マナー(服装、言葉遣いなど)

  • ・スーツやネクタイの着用を求めることは普段の授業ではありませんが、社会一般的に不快感や奇異感を与えるような服装は避け、学生らしい常識的な服装を心がけてください。
  • ・イベント等でドレスコードが求められるような業務も考えられますが、その場合は、募集時にその旨を通知します。
  • ・受講学生との会話は、くだけすぎない程度にフランクなやりとりは問題ありませんが、相手との関係性(上級生、下級生など)を念頭に置いて、相手に不快感を抱かせないような言動を心がけてください。

欠勤・遅刻

  • ・QLAの欠勤や遅刻は、円滑な授業運営を妨げ、担当教員のみならず受講学生にも多大な迷惑をかける結果となる。
  • ・自分に落ち度のない予期せぬ事由で、余儀なく欠勤や遅刻をしてしまうことは誰にでも考えられます。そうした場合でも、なるべく事前に連絡する、それが不可能なときはできるだけ早く担当教員へ連絡するなど、影響を極小化するような対応は当然求められます。
  • ・あらかじめ、欠勤・遅刻の場合の連絡先、連絡手段を明確にしておいてください。担当教員への直接連絡か、事務局への連絡か。また、電話連絡か、Emailやメーリングリストか、あるいはSNS等を利用するのかなど、いざというときに困らないようにしておいてください。
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05:ハラスメントなどの人的トラブルを防ぐために

ハラスメントについて

成蹊学園公式サイトの、「成蹊学園のハラスメントに関する取り組み」>「成蹊大学・大学院の学生の皆さんへ」には、QLAとしてだけでなく、成蹊大学生である皆さんが遭遇する可能性のあるハラスメントについて、情報がまとめられています。QLAとして勤務に就く前に、必ず目を通しておいてください。

アカデミック・ハラスメントと、セクシャル・ハラスメント

大学内で想定される主なハラスメントとしては、アカデミック・ハラスメントと、セクシュアル・ハラスメントがあげられます。

アカデミック・ハラスメントは、成蹊学園公式サイトでは、「教育・研究上の地位や人間関係などの優位性を背景に、教育・研究上の適正な範囲を超えて、相手に精神的・身体的苦痛を与えること、又は教育・研究環境を悪化させることをいいます。」と説明されています。アカハラと省略して呼ばれることもあります。

セクシュアル・ハラスメントは、「相手方の意に反する性的言動により、相手方に不快感や不利益を与え、または教育・研究および学習環境を悪化させることをいいます。なお、「男だから〜」や「女のくせに〜」といった表現に代表される性別役割分業や言動は、ジェンダー・ハラスメントと呼ばれ、セクシュアル・ハラスメントの一種と考えられます。」と説明されています。セクハラと省略して呼ばれることもあります。

その他のハラスメント

成蹊学園公式サイトでは、ハラスメント一般の定義として「どのような行為がハラスメントにあたり、どのような行為がそうでないのか、目に見える基準があるわけではありません。自分が何気なく行動、または発言したつもりでも、相手が嫌だと感じたり、人権を侵害されたと感じたりすれば、それはハラスメントになる可能性があります。」とあります。パワー・ハラスメント、ソーシャルメディア・ハラスメントなど、昨今マスメディアで頻繁に取り上げられているハラスメントも、そのバリエーションです。

QLAは加害者にも被害者にもなる

QLAは、勤務時以外には通常の学生と同じ立場ですが、勤務時は学生にとっては教員と同じ教える側にみなされるので、アカハラの定義で言うところの「教育・研究上の優越的な地位にある者」の立場でのハラスメントの加害者になる可能性があります。

一方で、QLAは、自分がハラスメント被害者になる可能性にも充分留意しておく必要があります。担当教員と受講学生との中間的な立場にもなりうるQLAは、教員からも、また、受講学生からも、ハラスメントを受ける可能性があります。

いずれの立場でもハラスメントを防ぐために、また、ハラスメントに遭遇したときに対処できるように、繰り返しになりますが、「成蹊学園のハラスメントに関する取り組み」には必ず目を通しておいてください。

人的トラブルを感じたら

  • ・業務中、受講している学生との間でトラブルが生じた場合は、直ちに授業を担当している教員に連絡してください。
  • ・業務上で、担当教員との間でトラブルが生じた場合は、事務局に相談してください。
  • ・事務局の職員との間でトラブルが生じた場合は、事務局は担当者が複数名いるので、トラブルに関与していない職員を指名して相談してください。
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06:守秘義務と個人情報保護

守秘義務

QLAの業務上で知り得た秘密を守るべき情報について、外部に漏らしたり、業務以外で利用したり、教室等業務場所以外に持ち出すことは、固く禁じられています。

個人情報保護

守秘すべき情報の中でも、QLAとして特に注意を要するのが、受講学生などの個人情報です。個人情報を含む情報(PCのファイルなどのデジタルデータも含む)を取り扱う場合には、必ず教員の管理下で行ってください。業務上で、個人情報の取り扱いについて不安を感じた場合には、直ちに事務局に相談してください。

成蹊学園の個人情報保護に関する取り組み

成蹊学園公式サイトでは、「成蹊学園の個人情報保護に関する取り組み」に、情報がまとめられています。QLAとして勤務に就く前に、必ず目を通しておいてください。

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07:災害、その他のトラブルに際して

災害(地震、火災等)に遭遇したら

業務中に事故や災害に遭遇した場合には、授業担当教員の指示に従って行動してください。担当教員の指示を仰ぐことのできない危急のケースには、事務局への連絡を試みるとともに、自分と受講学生の安全を最優先するように行動してください。

地震が起こったときは

成蹊大学公式サイトの「キャンパスライフ」>「防災マニュアル」には、それぞれ立場の違う人に向けて、4種類のマニュアルが用意されています。QLAとして授業支援業務に携わる方は、「学生用」とともに、「授業担当者用」(英語版は “For Instructors” )にも、必ず目を通して置いてください。「授業担当者用」は、各教室の教壇にも常設してあります。

業務中のトラブル(情報機器)

業務中に情報機器でトラブルが生じた場合は、軽微で自力対応が可能な範囲のものは対処しても構いませんが、処置が長引く可能性があれば、直ちに担当部署(ヘルプデスク)に連絡してください。

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