■主催
成蹊大学Society 5.0研究所
■開催日:
2024年3月2日(土)
■時間:
13:00~14:45
■会場:
4号館ホール
■参加者数:
46名
■主催者代表:
八木 敬二(成蹊大学Society 5.0研究所所員)
立教大学特任准教授の渡邊真由先生をお招きし、「ODR(オンライン紛争解決)をデジタル社会のインフラに―海外の事例からみる民事紛争解決の未来―」を題目にご講演頂きました。
ODR(Online Dispute Resolution)とは、紛争解決手続にICT技術を活用するアプローチのことを指します。事前に紛争類型を特定してシステム開発をしつつ、サービス提供を行うプラットフォームをオンライン上に用意する点でオンラインADR(Alternative Dispute Resolution)とは異なると理解されます。ODRの採用により、利便性の向上はもとより、様々な障壁から紛争解決機関を利用しなかった層にリーチできるとして、世界中で導入が進められているところです。
ご講演の前半では、テクノロジーが私たちの認識を変容させること、そしてコミュニケーションにおける価値の置き方に変化がもたらされることについて、渡邊先生のご経験や具体例を踏まえながらご説明いただきました。ご講演の後半では、いくつかの国を題材にして、海外におけるODRの現状を鮮明にご紹介いただきました。家電製品と違って毎日使うものではないものの、いざ使うとなったら人生を左右するようなインパクトがもたらされ得る紛争解決をどのようにデザインするのが良いのか。複雑化・繊細化する社会において求められる紛争解決のあり方を考えるための多くのヒントが散りばめられたご講演でありました。
ご講演後にフロアも交えて議論した際には、ご参加いただいた皆さまから積極的にご発言いただけたこともあって、非常に一体感のあるご講演となりました。ご参加いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。
(成蹊大学Society 5.0研究所所員 八木敬二)


