成蹊学園の特色

PHILOSOPHY OF SEIKEI

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個性を育む一貫連携教育

本物に触れる教育を学校間連携で深化させ、持続可能な未来を切り拓きます。

成蹊学園では、100年近い気象観測の歴史に代表されるように「本物に触れる」教育を成蹊教育の原点として位置づけてきました。
「本物に触れる」体験をすることで、気づきを科学的思考に高めていく。
そして、それぞれの段階で必要な知識と自ら考える力、豊かな心を育んでいきます。
また、小学生から大学院生までが一堂に集う吉祥寺のキャンパスだからこそ得ることができる、世代を超えて交流し学び合う経験により、多様な価値観に触れ、多角的な思考力を身につけながら、それぞれの個性を育んでいきます。

一貫連携教育の中で、本物に触れ、多様な価値観を育む

成蹊学園では、一貫して「本物に触れる」、「体験して学ぶ」ことを重視し、豊かな感性を育む教育を実践しています。それは、自然に恵まれた校内での活動や、少人数教育を通じて育む他者への理解尊重はもとより、小学校と中学校の「夏の学校」や高等学校の「学習旅行」、大学での「フィールドワーク」や「地域との連携プロジェクト」など、さまざまな校外活動を通じて、発見する喜びや、共に創造する楽しさを味わい、自ら考える力や本物を見抜く目を養ってほしいからです。

異世代の「人の交流」が新しい価値を生み出す、独自の一貫連携教育

武蔵野の豊かな自然の中、小学生から大学院生までがワンキャンパスで学んでいます。多様な世代のさまざまな価値観を持つ人々と触れ合い、学び合うことができるのが、総合学園である本学園の大きな魅力のひとつです。児童・生徒・学生の世代を超えた交流の中で、さまざまな教育の機会が生まれています。例えば、小学校の英語教育における大学生のTA制度や、小学校の「夏の学校」での水泳師範制度、中学・高等学校が共に行うクラブ活動、高校生が大学の正規授業を受講するなど、異世代間の交流を大切にしています。それは、低年層の児童・生徒だけでなく、教える側の上級学校の生徒・学生にとっても学ぶ機会となっています。このような経験から、多様な価値観や多角的な思考力を身につけ、人格を磨き上げていくことができるのです。

知的好奇心でつながる一貫連携教育

成蹊学園の一貫連携教育の取り組みは、さまざまな領域に広がっています。
ここでは代表的な取り組みをご紹介します。

英語一貫教育

英語一貫教育の図
小学校 中学校 高等学校 大学
各校英語カリキュラム
学校間相互教員授業参観
国際教育センター
留学・インターンシップ・海外体験学習
国際交流賞
国際交流会館・国際寮
英語学習奨励金
協定留学生ほかとの交流機会

国際教育センターを中心に、小中高大の各校が行っている英語教育について情報共有を行いながら、学園共通の取り組みや学校間連携を推進しています(上図参照)。各校は定期的に客観テスト(小学校は英検IBA、中高はGTEC 、大学はTOEIC-IP)を行い、CEFR-J(ヨーロッパ参照枠の日本版)に基づき設定した到達目標を参照しながら、クラス編成や学習成果の検証に活かしています。

また各校とも、それぞれ特徴のある英語教育のカリキュラムを組みながら(下図参照)、学園共通の取り組みとして多読学習を10年以上続けています(小学校では英語で書かれた絵本を採用)。さらにワンキャンパスという利点を活かして、教職課程を履修している大学生が小学校の英語の授業にTeaching Assistant(TA)として参加する機会を提供することで、児童への教育効果を高めるとともに、大学生の教育実践の場としています。そのほか、ケンブリッジ大学の学生が約1カ月間TAとして小中高大の英語学習や異文化交流に参加するプログラムもあります。

大学では、2020年度に開設した学部横断型グローバル教育プログラム「EAGLE」にて、オンライン英会話を必修科目として導入し、2021年度からは小中高を含む学園全体で希望者が受講できるようになりました。

各学校のカリキュラムの流れ

小学校
  • フォニックス指導
  • 1対1での英会話
  • CLIL(内容言語統合型学習)展開
中学校
  • 基礎基本の徹底(発音・リスニング力など音声指導重視)
  • スキットの活用
  • ネイティブ教員による授業
高等学校
  • 外国人教員と日本人教員とのチーム・ティーチング
  • 習熟度別の学級編成
  • TOEFL講座
大学
  • 1年次スキル別の学習から2年次にはスキル統合型(コンテンツ重視)の英語学習へ
  • 必修科目のほか、個別のニーズに合った多様な授業を提供
  • EAGLEなどの上級者向けのクラスでは、留学・キャリアを見据えて
  • English-medium instruction(EMI)で専門科目を学ぶ

「中学3年生×大学ゼミ」体験

中学3年生が大学にある5つの学部の中から希望した学部のゼミ・研究室に複数回足を運び、学問の最先端に触れながら大学の学びを体験する中大連携企画です。参加した生徒の満足度も高く、今後の学びのあり方や進路を決めていく上で、有意義な取り組みとなっています。

高校3年生の大学科目履修

成蹊大学の科目等履修生の制度を活用し、成蹊高校の3年生が大学の授業を履修しています。この取り組みは10年以上前から続いており、2019年度には提供科目数が100を超え、多くの高校生が早期に大学の学問に触れることができています。この制度で修得した単位は、成蹊大学進学後に卒業所要単位として認められます。

化学教室・ロボット教室

大学教員の指導の下、小学生が理科に関する知的好奇心を高める小大連携企画です。6年生を対象とした化学教室では、大学の実験室を使ってより高度な化学実験を体験し、5年生を対象としたロボット教室では、実際にロボットを作りながらプログラミングについて学習します。普段の学校生活では得ることが難しい貴重な体験を提供しています。

夏の学校における水泳師範参加

「夏の学校」は、成蹊小学校が開校した1915(大正4)年から現在に至るまで、100余年にわたり続いている伝統行事です。6年生の「夏の学校」では、水泳師範団(卒業生のほか、高校生、大学生などが参加する有志の組織)が結成され、 児童の水泳訓練や遠泳をサポートしています。