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<報告>成蹊大学Society 5.0研究所 シンポジウム&ミニ・コンサート「未来社会における芸術――法律・ビジネス・実演の視点から」

■主催
成蹊大学Society 5.0研究所
■開催日:
2022年11月2日(水)
■時間:
15:00~18:20
■会場:
成蹊学園本館大講堂、オンライン配信(ハイブリッド開催)
■参加者数(申込者数):  
177名(259名)
■主催者代表:
羽賀由利子(成蹊大学Society 5.0研究所所員)

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 2022年11月2日(水)、「未来社会における芸術――法律・ビジネス・実演の視点から」と題するシンポジウムを開催しました。
 講師に水野祐氏(弁護士・シティライツ法律事務所)、小池藍氏(THE CREATIVE FUND, LLP代表パートナー/京都芸術大学専任講師)、成田達輝氏(ヴァイオリニスト)をお迎えし、AIやメタバースといった新たな技術で人々が現実空間と仮想空間を行き来するSociety5.0における芸術について、それぞれの立場からご講演いただきました。
 
 水野講演では、AI生成物と著作権との関係などを例に、新たな技術が出現している今日、どのように創造性を促進させるように法をデザインしていくか?という「リーガル・デザイン」の視点が示されました。
 小池講演は、現代アートは作品それだけではなくその裏にあるストーリーやコンセプトを見ることが重要であること、ブロックチェーンやNFTという技術によってデジタルな芸術作品の唯一性が証明されることで仮想空間における所有が概念でき、デジタルアート・NFTアート市場が発展していることなどが、わかりやすく解説されました。
 成田講演からは、デジタル技術による演奏などが実現していること、とはいえご自身の演奏経験からも不完全さこそが芸術の美しさを生むことなどを踏まえて、最後には「人間しか勝たん」という力強いメッセージが発信されました。
 
 シンポジウムの後には成田達輝氏によるミニ・コンサートも行われました。曲ごとに成田氏による解説を聞くという新しいスタイルで進められ、知らない曲でも楽しめたのではないでしょうか。途中にはフラメンコダンサーの長嶺ヤス子様が特別ゲストとして参加するサプライズもあり、まったく「ミニ」ではない、非常に充実したプログラムでした。
 
 現実世界とデジタル・ヴァーチャルの融合という予想のつかない状況が到来していますが、そこでの芸術について、本シンポジウムが改めて考える契機になりましたら、企画者として嬉しく思います。長時間の企画となりましたが、ご登壇の皆さま、対面・オンラインでご参加くださいました皆さま、また、開催のため様々にご尽力くださった事務の皆さまに、重ねて厚く御礼申し上げます。



(成蹊大学Society 5.0研究所所員 羽賀由利子)