成長する成蹊大生の図鑑

多様性が「前提」として存在する
留学先でのハイレベルな環境が
キャリアの可能性を広げてくれた

文学部 英語英米文学科 4年生(2024年度取材時)

2020年度入学

埼玉県立川越南高等学校出身

英語力を磨きつつ視野を広げたい
と思い入学

もともと英語が好きで、英語の教員になりたいと思っていました。ただ「選択肢を最初から一つに絞ってよいのか?」という思いもあり、大学選びは視野を広げられる環境があることを重視していました。英語英米文学科を選んだのは、英語での実践的なコミュニケーション能力を身につけながら、ジェンダーや人種といった世界に存在する問題や国際情勢について学ぶことができ、ここでなら世界をもっと俯瞰して見る目を養えると感じたからです。教職課程を履修して英語教員に必要な高い英語力を身につけつつ、語学を活かして世界で活躍するキャリアも模索しようという考えで入学しました。高校で出会ったALT(外国語指導助手)の先生の勧めもあり、留学も入学前から視野に入れていました。

英語圏のものの見方に触れ新たな気づきを得る

英語英米文学科では、「言語と社会」「文化とコンテクスト」「芸術と思想」という3つのフォーカスのうち1つを自分の専門領域(メイン・フォーカス)として選択し、そのフォーカスに属する科目を重点的に学びます。私が、メイン・フォーカスに選択したのは「文化とコンテクスト」。世界の人々との関係を構築するうえで、英語圏の思想や価値観を学ぶことが重要だと考えたのが、専門領域をこのフォーカスに決めた理由です。日本では、人種やジェンダーの問題で欧米ほど激しい運動が展開されていませんが、そうした問題を欧米の人々の価値観から見ることで、生まれ育った環境に染まっていて見えなくなっているポイントに気づけるのでは?と考えました。授業を通じて気づかされた「男性であることで自分が社会的恩恵を受けている」という視点は、それまでの私にはないものでした。また1年次からゼミがあったおかげで、他の学生と議論しながら、情報を客観的・中立的に見る力も磨かれたと感じています。

イギリスの名門大学でのハイレベルな学びに向き合い成長

3年次9月から4年次6月まで、協定留学を利用し、イギリスのエディンバラ大学に留学しました。英米文学研究で世界的に最高峰とされる大学ですが、私が関心をもっている政治学的・社会学的領域でも先端的な研究を行っていることからこの留学先を選びました。現地での学修はレベルが高いうえに課題も多く、ついていくのに必死でした。特に大変だと感じたのが、予習で読まなければならない資料の多さ。授業は事前に資料を読んであることを前提に進められるので、予習しなければまったくついていけませんし、授業でどこを取り上げるかはそのときまでわからないので、当たりをつけて読むこともできません。予習で読む量は、一つの授業あたり30ページほどで、それがおおよそ10コマあったので、毎週300ページ近くの英文を読んでいました。常に授業での議論をイメージしながら読み、授業中は自分の考えを繰り返し言葉にしたことで論理的に考える力が磨かれました。また、英語での読み書きや意見の発表、ディスカッションなどを通じ、英語運用能力の底上げができました。

多様性のある環境で異文化理解が
磨かれた

現地では学生寮で生活しました。エディンバラ大学の学生寮は、5階くらいの建物が複数ある大きな団地のような規模で、およそ6,000人の学生が居住していました。出身地域、人種ともさまざまで、環境そのものが、多様性を体現しています。私がそこで心掛けたのは、自分から積極的にコミュニケーションを取ること。勉強会などのコミュニティやイベントで、気が合いそうな人を見つけては話しかけていった結果、留学の間に30カ国の学生と友人になることができました。またルームメイトとともに生活をするうえでは、寛容さを大事にしていました。生活習慣や価値観が違う者同士でともに生活するには、お互いを尊重する姿勢が欠かせません。もちろん、これまで日本で接してきた人とのギャップに驚くシーンはありましたが、自分の常識を押し付けるような態度をとっていては、よい関係を構築できません。多様性のある環境に身を置くことで、皆が異なるのは当たり前という感覚を養えたのは、留学における成果の一つです。

異文化理解と英語力を
グローバルビジネスで活かしたい

私が日本に帰国したのは、多くの同級生が既に就職活動に取り組んでいる4年次の6月。帰国する少し前から、成蹊大学のキャリア支援センターの方に、オンラインで個別相談に乗ってもらうなどしていたのですが、就職活動にじっくり取り組みたかったことから修学期間を1年間延長することを決断。留学の終盤には民間企業への就職にほぼ気持ちが傾いていたのですが、教職課程を最後まで履修したいという気持ちもありました。私が会社選びで最も重視したのは、グローバルに活躍できる土壌があること。4月から働く外資系のコンサルティング会社では、多国籍のメンバーがチームを組んで顧客へ提案を行う機会が多く、留学中に養った適応力を活かせると考えました。ビジネスの道に進む後押しをしてくれたのは、まさに、文化の壁を越えて人とつながる楽しさを知った留学での体験でした。入社後は、ITを活用した自社の世界基準のサービスを届け、お客さまの問題解決に貢献したいと考えています。

データで見る成長した力

  • 協定留学校の一覧はこちら
  • 成蹊学園国際教育センターHP 協定校一覧より
  • 2024年度現在
  • 成蹊大学学生調査(4年生満足度調査)回答データより作成
  • 2022-2023年度回答者の合算データ
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 成蹊学園国際教育センターHP (留学費用に関する支援・奨学金)より
  • 実際の支援内容は留学先や参加プログラムによって異なります。
    詳細は上記HP等で必ず確認してください。
  • 成蹊大学学生調査(4年生満足度調査)回答データより作成
  • 2022-2023年度回答者の合算データ
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。

※内容は取材当時のものです。