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【報告】生物科企画特別講義 「見て、触って、食べてみよう。深海魚の世界へ」

■日時:
2024年6月15日(土)13:00~16:00
■場所:
成蹊中学・高等学校
■参加人数
成蹊中高生徒45名、岩手県立盛岡北高校生徒6名+引率教員1名

成蹊中学・高等学校の生徒を対象に、深海魚をテーマとした特別講義を「講義」「解剖実習」「深海魚の試食会」の三部構成で実施しました。はじめに、進路指導、キャリア形成の参考にと講師の自己紹介を行いました。「講義」では地球と海に関連した話の後に、ヨコヅナイワシの解剖を例に、魚の体の構造を紹介する講演を行いました。「解剖実習」では、駿河湾で採集した深海魚を生徒一人当たり二個体選ばせ、体の外部形態の観察をしたのちに解剖し内臓の構造を観察させました。その後、家庭科の先生方の手による「深海魚料理の試食会」を行い、解散しました。

本特別講義は、2012年から、コロナ禍で中止を余儀なくされた2020,2021年を除き毎年実施してきました。今回は足掛け12年、11回目の開催となります。受講した生徒のうち確認が取れているだけでも二名が関連分野の大学へ進学しています。海洋生物学の教育普及効果の大きい特別講義です。今年は、岩手県立盛岡北高校から創立50周年記念交流事業の一環として、生徒6名と引率教員1名が参加しました。

講義中、特に解剖実習の際に、多数の参加生徒が積極的に手を挙げて質問をしてきました。成蹊中高の生徒の意識の高さを示しています。

深海魚試食会では、駿河湾の深海トロール漁で海洋投棄される魚を調理したものを試食しました。実際に五感で未利用水産資源の有効利用を体感したことにより、参加生徒の持続可能な社会の実現に向けた意識の向上が期待されます。

特別講義の後に、成蹊高校生物部と盛岡北高校の生徒たちとの交流会が開かれました。お互いの学校と部活動を紹介しあった後、同部で飼育している生物を手に取り、各生物の特徴や、飼育に関する情報交換が行われました。

来年度以降は深海魚の試食会ではなく、第2-8回まで実施した深海魚調理実習を再開したいと思います。

(報告者および特別授業講師:東京大学大気海洋研究所助教、成蹊中学・高等学校卒業生、成蹊中学国際特別学級同窓会会長、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー 猿渡敏郎)

深海魚試食会の様子

交流会の様子

集合写真