SPECIAL INTERVIEW

テレビ朝日 アナウンサー

安藤 萌々

ANDO MOMO

1998年生まれ。成蹊小学校、中学・高等学校を経て、成蹊大学法学部政治学科を卒業。中学では水泳部の選手、高校では水泳部(水球)のマネージャー、大学では体育会ゴルフ部の主将を務める。2020年にアナウンサーとしてテレビ朝日に入社。『報道ステーション』でのスポーツキャスターを経て、2023年からメインキャスターに。2022年冬季北京五輪、2024年パリ五輪では進行も務めた。

INTERVIEW

悔いのない一打一打を、
積み重ねていきたい。

「緑の多いこのキャンパスに来ると、ホームに帰ってきた気がします」と語るのは、テレビ朝日の人気アナウンサー、安藤萌々さん。小学校から大学までを成蹊で過ごした安藤さんに、学園での日々や「数秒の勝負」というアナウンサーの仕事について語っていただきました。

得意を伸ばし、礼儀を身につけた日々

小学生のときは、足が遅くて、算数が苦手、おまけに忘れ物が多いどんくさい子でしたが、成蹊の先生方は「できること」に目を向けてくれました。小2のときに「音読が上手だね」と褒められたほか、挨拶や水泳など私の「得意」を見つけては声をかけてくださいました。個性を大切に育てていただけたおかげで、私自身もできないことではなく、できることに目を向けられるようになったのだと思います。

思い返すと、成蹊の日々は楽しい出来事で溢れていて、いつも何かに夢中でした。たとえば小学校では、児童たちで生放送を作る放送委員会でスタジオ部分を担当しましたが、これが私の初アナウンサー体験でした。夏の学校では山登りや2キロの遠泳にも挑戦。ハードな行事も、みんなで力を合わせて乗り切りました。高校の球技大会では、本気になりすぎて骨折しちゃったことも(笑)。みんなで一つの目標に向かって頑張る楽しさは、成蹊のこうした経験から学びました。テレビも、たくさんの人が力を合わせて一つのものを創り上げる仕事。その点がとても似ているなと感じています。

あらためて振り返ると、個性と自由を大切にするのが成蹊らしさなのだと感じます。その自由は、挨拶や感謝といった「人としての当たり前」の上にあってこそのものと習いました。小学校3年から4年間担任をしてくださった故・鈴木宏明先生が常に仰っていたのは「快適な学校生活を過ごせるのは、守衛さんや清掃の方、事務の方と、多くの人が支えてくれているから。みなさんに感謝を込めて挨拶しましょう」ということ。人として大切にすべき姿勢は、仕事の時も心に留めています。

昨日の自分を超えたい。
それが練習の原動力

中学、高校、大学の部活動の経験も、今の私の土台となっています。中学では水泳部の選手、高校では水泳部(水球)のマネージャーだったのですが、マネージャーとしての私は選手がプレーに集中できるよう力の限りサポートをしました。部員の頑張りをそばで見るなかで、「今度は自分がまたプレーヤーとして頑張りたい」と思い、大学では体育会ゴルフ部に。運動神経が良くない自分でも、小さい頃に習ったことのあるゴルフならできるのではと思ったのですが、初ラウンドはショットが定まらず、球も紛失し散々でした。

それでも一旗あげたくて始めたゴルフ。ほぼ毎日クラブを握り、2年半でスコアは155から78まで縮めることができました。練習中によく思い出していたのは、校歌の2番です。「昨日の吾を超えし輝き尊し」という歌詞の通り、「誰かを超えるためでなく、自分を超えるために努力をしよう」と意識して練習に取り組みました。

3年次には女子主将を任されることになります。全体を見て心配りをするマネージャーと、自分の一打にひたすら向き合うプレーヤー。このまったく違う経験で養われた力は、どちらも今アナウンサーという仕事に活きています。

全面ガラスの窓から光が差し込む小学校の教室にて。明るい校舎が当時の楽しい記憶を思い起こさせます。

超えるべきは昨日の自分。
成蹊で培った私のマインドです。

小学校の恩師である岡崎先生との再会。2人の時間は一瞬であの頃へ。思い出話に花が咲きます。

小学校の恩師である岡崎先生との再会。2人の時間は一瞬であの頃へ。思い出話に花が咲きます。

「桃李不言下自成蹊」が、
私を支えてくれた

テレビ朝日では、入社初日に『グッド!モーニング』の担当を任せてもらうことになりました。その後『報道ステーション』のスポーツキャスターを経て、2023年からはメインキャスターを担当させていただいています。「まさか私が!?」と驚いたけれど、やるしかありません。与えられたチャンスには絶対に応えたい。とにかく自分にできることを毎日積み重ねていこうと思いました。

とはいえ、プレッシャーに圧し潰されそうな毎日です。オンエア後の反省会では悔し泣きをすることもしばしば。「その5秒でもっと意味のある言葉を伝えられたのではないか」「みんながせっかくつないでくれたVTRでうまくしゃべれなかった」と、落ち込んでばかりでした。

でも、こんなにプレッシャーを味わえる仕事はほかにありません。この場所を与えられていること自体を前向きに捉えるようになりました。今は先輩方がどんな言葉を選ぶのかを片っ端からメモして、学ぶ日々です。とてもありがたい環境に身を置けていると感じています。

成蹊の名の由来である「桃李不言下自成蹊(桃李ものいはざれども、下おのづから蹊を成す)」という言葉がいつも胸の中にあります。経験が豊富な上に努力を怠らない先輩方は、私にとってまさにこの言葉通りの存在です。私もいつかそうなれるように、今はとにかく前を向き、自分にできることに全力を注ぎたい。自己研鑽の日々を積み重ねていけたらと思ってます。

人の心を動かす番組づくりは、
チームプレイがあってこそ。

たった1つの質問が、胸の底にあった思いを引き出した

アナウンサーは、瞬発力が試される仕事です。現場に立った時、準備の密度によって出てくる言葉が変わります。「始まる前から始まっている」。そう思うからこそ、最大限の準備を心掛けています。オリンピックキャスターやWBCなど大きな国際大会を担当する時は、動ける時間を全て使って現場に通い詰めました。

心に残っているのは、2023年WBC準決勝。メキシコを相手にサヨナラ勝ちした直後の会見でのこと。

私が気になっていたことはまだ誰も栗山監督に質問しないまま、会見が終わりかけました。後方の席で真っ直ぐ手を挙げ続けていたのですが、最後の一問で当ててもらえました。

「(一発サヨナラ勝ちのチャンスを前に、本調子ではなかった)村上宗隆選手を最後まで信じ続けた思いを、栗山監督自身の言葉で教えてください」。すると監督は涙を浮かべて、村上選手を信じ続けたわけを話してくれたのです。日本でテレビを見ていた友人から、「栗山さんの思いに感動した!一日中あの質問が放送されていたよ!」と連絡をもらい、ほんの4、5秒の質問でも、人の心を動かすニュースを引き出せたことがとても嬉しかったです。現場に通い詰め、空気を感じ続けたことが結果に繋がったと思いました。

アナウンサーは話す仕事であると同時に、「聞く仕事」でもあります。昨年は「太平洋戦争と性被害」についての特集を担当させていただく機会があり、思い出すのも辛い記憶について、初対面の私がどのように聞くのが適切だろう......、と葛藤することもありました。「聞く」ことの難しさにも、向き合う日々です。

「あとは安藤に任せた!」と、安心して託される存在に

私のアナウンサーとしてのキャリアはまだ始まったばかりです。今後どう成長していけるのか、自分でもわかりません。『報道ステーション』でご一緒させていただいている大越健介さんや先輩アナウンサーの小木逸平さんのように、懐の広さや鋭い観察力があってこそ相対する人のことを深掘りできるような気もします。周囲の先輩方をお手本に、自分にできることを一つひとつ増やしていくしかありません。その結果、少しでも自分の言葉で番組に彩りを添えられたら嬉しいですね。

アナウンサーの仕事は、実はテレビに映っているときが1割、あとの9割は放送の裏側にある準備の時間です。番組は、音響、大道具、カメラ、テロップなど、たくさんの人の支えがあって作り上げられるもので、アナウンサーもそのなかの一人であると捉えています。「安藤に任せる」と思ってもらえるアナウンサーになるためにも、目の前にある仕事を着実に積み重ねることで、その瞬間その瞬間で後悔のない一打を打ち続けたい。その先に蹊を成すことができればと思っています。

SPECIAL
CONTENTS

おしえて先輩!在校生との十問十答

高校水泳部マネージャー& 大学ゴルフ部員が
安藤先輩の素顔に迫ります!

安藤先輩の学生時代と今。前を進む先輩の背中は大きな励みになります!

Q勉強にはどのように取り組んでいましたか?
Q安藤さんの強みは何ですか?
Q今一番したいことは何ですか?
Q学生時代に後悔したことは?
Q主将として部活を運営する上で大変だったことは何ですか?
Q座右の銘は何ですか?
Qリフレッシュ方法はなんですか?
Q50m 走は何秒でしたか?
Q最近の安藤さんニュースを教えてください
Q生放送前のルーティンや決めごとは?