成長する成蹊大生の図鑑

充実したグループワークと
多分野に及ぶ専門科目により、
「聴く力」と「幅広い視野」が
磨かれた

経済学部 現代経済学科 3年生(2022年度取材時)

2020年度入学

東京都立井草高等学校出身

専門科目では学生が主体となって考えるグループワークが充実

入学して強く感じるのは、グループワークを通じた実践的な学びが充実していること。特に印象に残っている授業は、2年次に受講した「プレゼンテーション演習」です。プレゼンテーションの基本となる資料の作り方や効果的な発表のしかたなどを学べただけでなく、実際にビジネスのアイデアを提案するため、企画のオリジナリティーや精度を求められることも多く、自分たちの手で作り上げることに大きなやりがいを感じました。

授業は、5人程度のグループで企画を練り上げ発表するまでが一連のプロセスになっています。途中にグループ替えを挟んで、2つのグループを経験したのですが、1回目のグループではどこか一体感のないまま終わってしまいました。2回目のグループではリーダーを任され、1回目でなぜうまくいかなかったのかをよく反省し臨みました。

徹底して「聴いた」ことがチームワークの支えになった

1回目のグループワークがあまりうまくいかなかった一番の原因は、グループでビジョンの共有ができていなかったことにあると考えました。必要な工程をそれぞれが理解できても、課題における具体的な目標や「良い発表をしたい」という思いをメンバー同士で共有できていなければ、忙しい時間を縫ってでもがんばろうという空気にはなりません。そして、ビジョンの共有に加えて私が意識したのは、メンバーの話を親身になって聴くことでした。相手と意見が合わないときは、つい感情的になってしまいがちですが、思いを吐き出すことで冷静さを取り戻せる場合があります。またそれぞれの考えが、必ずしも全てにおいて異なっているわけではなく、一部では考えが合致していることもよくあります。メンバーに考えを吐き出してもらう中で、対立構造の中に埋もれていた共通点に光を当て、そこを起点に話を整理する。そのようにすることで、話はせきを切ったように決着に向けて進み出しました。企画の内容においても、2回目のグループワークは1回目よりも手応えがあり、最終発表のランキングでは、12グループ中3位という高評価を得ることができました。

後にインターンシップのグループワークで、他の学生が話している時の聴く態度や話の展開のしかたをほめていただいたことがあったのですが、グループワークでの「相手を尊重しながら聴く」姿勢が、そうした力につながったのだと思います。

人や社会に関わる多様な科目が広い視野から考える力を育む

現代経済学科には、経済学以外にも人や社会に関わる多様な科目があり、それぞれが最終的に経済学につながっているように感じます。特に興味深かった授業は、総合特殊講義の「社会哲学入門」。著名な哲学者が提唱した理論などを講義で学ぶ内容に加え、「命」や「戦争」といった人間の根源に関わるようなテーマに対し自分の見解を述べ、グループごとに一つの意見にまとめて発表するという課題に取り組みました。

他にも「GIS(地理情報学)ゼミナール」で取り組んだ、実際の地域の地理情報を多様なデータから分析し、コンビニの立地などについて考察する課題もおもしろかったです。大手コンビニチェーンは数十メートルの狭い圏内に複数の店舗を設置していることがありますが、それはドミナント戦略と呼ばれるもので、その地域のトップブランドとして認知の強化を図る、流通に要する時間やコストを抑えるなどの目的があります。一見不合理に見えるものが、経済学の視点では理にかなっていることがわかり興味を刺激されました。

人間の原理を追究する哲学も、人や社会の活動の場となる「地」を研究する地理情報学も、間接的には経済学とつながっています。そうした領域を幅広く学ぶことが、広い視野から問題を考える力につながっているのでは?と感じます。

現在所属している内藤朋枝先生のゼミでも、政策や社会保障と人々の生活との相関関係を行動経済学の視点を踏まえて追究するうえで、専門科目での幅広い学びが役立っている実感があります。

「聴く力」を活かして他者に
寄り添える人材になりたい

私には、「他者に寄り添い、支える人材になりたい」という目標があります。そう考えたきっかけは、入学当時に、大学の職員の方々から親身にサポートしていただいた経験です。私が成蹊大学に入学した当時は、コロナ禍による行動制限が一番厳しかった時で、キャンパスにほとんど来ることができず授業は大半がオンラインでした。学生生活や授業の履修について確認したいことがあっても、周りに同級生もおらず、入学当初は不安を抱えながらの学生生活でした。そこでお世話になったのが職員の方々です。わからないことがあるたびに担当部署に電話していたのですが、いつでも丁寧に対応してくださいました。

学生生活にまだ不慣れだった私に寄り添うように接していただいたことは、本当にありがたかったです。私は「話す力」にこそ自信はありませんが、グループワークで培った「聴く力」で人の支えになれるのでは?と考えています。かつて私がお世話になった職員の方々のように、他者の困り事に共感し、豊かな人生や成長を支えられる人材になりたいと思っています。

データで見る成長した力

  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:34名 全国:28,494名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:34名 全国:28,491名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • ベネッセiキャリア「GPS-Academic」(アセスメントテスト)
    2022年度 3年生受検データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:80名 全国:63,957名
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:34名 全国:28,138名
  • 「満足」は、「満足」「とても満足」と回答した割合。「不満」は「不満」「とても不満」と回答した割合です。

※内容は取材当時のものです。