成長する成蹊大生の図鑑

国内外での充実したプログラムにより
ビジネスと地球環境の共存に関する
見識が大きく広がった

経営学部 総合経営学科 3年生(2022年度取材時)

2020年度入学

千葉市立稲毛高等学校出身

サポートの手厚い留学プログラムに魅力を感じ入学

高校の授業で、商品とそのプロデュース方法を考えるグループワークに取り組んだことがあり、広告やマーケティングに関心をもっていました。またカナダで語学研修をしたことがあり、大学ではより長期の留学をして、英語圏の文化をじっくりと肌で学びたいという希望をもっていました。

成蹊大学を選んだのは、経営学部総合経営学科で関心のある分野を追究できると考えたことと、独自のプログラム「EAGLE」を利用し、手厚いサポートを受けながら留学を実現できると考えたからです。「EAGLE」は、入学試験の成績で選抜されるため、その対象となる入試方式で受験。無事に合格し、入学直後からEAGLE生対象のプログラムを受講しました。

ビジネスと地球環境の共存に課題意識をもつ

EAGLEの学びは、学科の専門科目と並行して進められます。EAGLEでは主に、英語の4技能を磨く授業と海外の文化や社会について英語で学ぶ授業を受けました。1、2年次はコロナ禍による行動制限が特に厳しかった時期なので授業はほとんどオンライン形式でしたが、プレゼンテーションやグループワークなど、アクティブラーニングの機会が多く、単純な語学の運用能力だけでなく、わかりやすく伝える力をはじめ、コミュニケーションの基本的な能力も鍛えることができたと感じています。また、海外について学ぶ授業では、イギリス人の先生が担当だった「グローバルスタディーズセミナー」が印象に残っています。経済活動が地球環境に与える影響について学んだのですが、人が営むビジネスが地球から「搾取」をしているという視点が新鮮で、ビジネスと地球環境の共存への関心が高まるきっかけになりました。

積極的な姿勢が信頼関係を構築する力に

私が海外に渡航したのは、2年次の9月から3年次の6月まで。経営学の研究で高い水準を誇るアメリカのウェスタン・ワシントン大学で学びました。期待通り質の高い授業を受けられただけでなく、自分から積極的にコミュニケーションをとる姿勢が磨かれたと感じています。現地では先生も学生もフランクな気質の方が多く、授業では常に質問しやすい雰囲気がありました。そうした雰囲気は日常生活でも近いものがあり、気がつくと、何か話したいことがあれば躊躇なく言葉にする習慣がすっかり定着していました。自分の気持ちや考えを素直に表現する態度は、相手から見た話しやすさにつながったところもあったと思います。私の変化がもたらしたことか、確信こそありませんが、普段あまり自分のことを人に話さない友人が、涙を流しながら堰を切ったように心の内を打ち明けてくれたことがありました。自分から心を開けば相手も心を開いてくれると実感できた経験は、現地の人々との交流がもたらした一つの留学の成果だと思っています。

現地での学びが地球環境への意識をさらに高めてくれた

現地では、ビジネスと地球環境の関係についてさらに考えさせられる授業がありました。特に印象に残っているのは「エコロジカル・フットプリント」について学んだ授業です。「フットプリント」とは足跡のことで、ゴミを出す、自動車を使うといった日常の行動が、地球環境に対し、どのような足跡となるかを学びました。「エコロジカル・フットプリント」は数値で表すことができ、「どのような住居に住んでいるか」「普段公共の交通機関をどのくらい使うか」「肉はどのような種類を食べるか」など生活に関する細かな質問に答えると、地球に住む人全員が自分のような生活を送ったら資源が地球何個分必要になるかが判定されます。日本人の平均である2.9個分という数字や自分自身の判定を見て、あらためて個人でできることをしなければと思ったこともありますが、世界各国の平均値から見えた、国ごとの意識レベルに大きな差がある事実も興味深かったです。

また「エコ・ガストロノミー」についての授業もためになりました。地球に優しい「ガストロノミー(=食文化)」をテーマにした内容で、牛の飼育から加工食品の製造までを一つの敷地で完結できる農場経営のモデルを例に学習しました。例えば、搾りたての生乳を同じ敷地内の工場で加工できれば、移動のコストを削減でき、車を使わない分CO2の排出も軽減できます。合理性がありつつ環境への配慮も実現できるモデルケースに触れ、地球環境に対し高い感度をもち工夫する大切さをあらためて実感しました。

ビジネスと環境の知見を社会のために役立てたい

渡航前からビジネスと地球環境の共存には課題意識をもっていましたが、海外の専門家の知見に触れ、「自分事としてこの課題を考えていきたい」という気持ちがいっそう強くなりました。現地で磨いた積極的にコミュニケーションをとる姿勢や多様な価値観に触れた経験も活かしながら、地球環境の保全に貢献するビジネスに携わることが私の目標です。

現在多くの企業がSDGsに取り組んでいますが、就職活動では、企業が実際に「どのような役割を果たしているか」を一つの会社選びの基準にするつもりです。目の前の課題を一つずつクリアし知見を広げながら、目標の実現に近づいていければと思っています。

データで見る成長した力

  • 成蹊大学 学生調査(ディプロマポリシー到達度)より作成
  • 2020~2022年度入学者の合算データ
  • 対象者数 EAGLE受講生:14名 成蹊大学全体:936名
  • 「身についた」は、「身についた」「大きく身についた」と回答した割合。「身についていない」は「身についていない」「全く身についていない」と回答した割合です。
  • TOEIC-IP(学内実施)の試験結果より作成
  • 2020〜2021年度入学者の合算データ
  • 成蹊大学 学生調査(ディプロマポリシー到達度)より作成
  • 2020~2022年度入学者の合算データ
  • 対象者数 EAGLE受講生:14名 成蹊大学全体:936名
  • 「身についた」は、「身についた」「大きく身についた」と回答した割合。「身についていない」は「身についていない」「全く身についていない」と回答した割合です。
  • 成蹊学園国際教育センターHP 協定校一覧より
  • 2023年度現在

※内容は取材当時のものです。