相手を受容しながら
意見をわかりやすく伝える力が
多様なアウトプット経験によって磨かれた
法学部 法律学科 4年生(2024年度取材時)
2021年度入学
私立武南高等学校出身

1年次からゼミがある環境に期待し入学
私が法律に興味をもつようになったのは、授業で法律について熱く語る高校の政治経済の先生がきっかけです。先生の話から歴史上のできごとや現代社会の事象と法律の間に深い関わりがあることを知り、そこから気になったニュースについて調べるなどするうちに、「法律について深く知りたい」という気持ちが強くなっていきました。成蹊大学を選んだ一番のポイントは、1年次からゼミがあること。自分の意見を述べ仲間の意見を聞く機会をたくさんもつことで、法律の知識が着実に身につき、人間的にも成長できると感じました。複数の学部がワンキャンパスにあり、他学部の学生と専門分野を越えた交流ができることも魅力でした。
自分の考えを発表する経験によって、
学びが深まった
実際に入学してみると、ゼミや授業でプレゼンを行う機会が多く、入学前から発表や議論が活発な学びを求めていた私にとっては期待通りでした。少人数の授業があるおかげで、先生への質問や学生同士の相談がしやすい環境があり、疑問や不安を残さず学修を進められたのも、ありがたかったです。ゼミだけではなく、英語やキャリア教育の授業でも発表をする機会があり、経験を重ねる中で「人前で話すこと」へのハードルが低くなり、積極的に発言できるようになったと感じています。またテクニカルな部分でも、最初に結論から話す手法などを用いて相手に効果的に印象づけるスキルが磨かれました。伝え方を工夫したことで、自分の思考も自然と整理されるようになり、学修内容をよりしっかり理解できるようになるという効果も得られました。
多様な法律の違いに触れ、法学のおもしろさを知る
法律学科の授業では、憲法をはじめ、民法、商法、刑法、労働法、行政法など、さまざまな法律を学びます。特におもしろいと感じたのは、刑法と労働法。刑法では報道された事件の判決が妥当かを考える、労働法ではアルバイト先の労働条件と法律との関わりを考えるなど、授業内容と自分が目にするものを照らし合わせて考えるようになり興味が深まりました。また学修が進んでいくにつれて、それぞれの法律の視点の違いを実感として理解できるようになり、そこが法学のおもしろさだと感じています。たとえば、学生運動に参加していた過去を隠して仮採用された学生の本採用を拒否できるかが争点となった「三菱樹脂事件」の事例は、私人間の法律関係に憲法を直接適用するか、民法を第一次的に適用するかで、論理展開の仕方が大きく変わります。一つの「法律」という領域の中でも多面的な考えができるところが難しさであり、同時に楽しさでもあります。
ゼミの事例研究を通じ、議論する力を高められた
法律学科では、1年次後期から自分の興味のあるゼミを選択できるようになり、私はずっと藤井樹也先生に師事しています。藤井先生のゼミでは、憲法をメインに扱っていて、英語の文献を訳しながら事例の検討を進めることに特徴があります。毎回の授業は、ゼミ生による持ち回りでの発表と、事前に予習してきたテーマについてのディスカッションの二部構成が基本です。自ら調べ発表することで、主体的に行動する力やプレゼンテーション能力が高められただけでなく、ディスカッションを通じて、自分の意見を主張しつつ相手の意見をしっかり聞き、自分の意見との差異を理解したうえで見解を述べるといったコミュニケーションができるようになりました。自分と意見が異なった場合、否定から入ってしまうと対立が生まれるだけで議論が進みませんが、相手をしっかり受容してから話を進めると議論を深めることができます。「多様なものの見方がある」という前提を意識することで、事例の何が問題になっているかを客観的に検討する力が磨かれたと感じています。
「わかりやすく伝える力」で
お客様の困りごとを解決したい
学修を通じて培った、積極性や行動力、コミュニケーション能力は、就職活動でも活かすことができました。ある企業のインターンシップでは、挙手制で意見を求められた際に積極的に発言し、その内容についても「わかりやすい」というフィードバックを企業の方からいただきました。これも、ゼミの中で重要な部分を強調して話したり、できるだけ話を端的にまとめたりといったことを常に意識してきたおかげだと思います。卒業後は、インテリアや日用品を扱う小売業の会社で働くことが決まっています。もともとは学校教員を志望していたのですが、法律学科の学修を通じて、私たちの生活と法律との関わりに触れる中で、生活者と直に触れ合う立場で社会に貢献したいという考えが強くなり、小売業を志望しました。社会に出てからは、4年間で培った「要点を整理してわかりやすく伝える力」を活かし、お客様の困りごとに寄り添っていければと考えています。

データで見る成長した力
※内容は取材当時のものです。