成長する成蹊大生の図鑑

2つのゼミに所属し、論理的にインプットし
的確にアウトプットする力が同時に鍛えられた

法学部 法律学科 4年生(2022年度取材時)

2019年度入学

私立東京立正高等学校出身

少人数の環境と1年次からのゼミが入学の決め手

高校の政治経済や公民の授業で触れた法律についてもっと深く知りたいと思い、法学部を志望しました。成蹊大学を選んだ決め手は、ゼミが充実していることです。1年次から履修できることに加え、少人数制で先生と近い距離で学べるところに魅力を感じました。実際に入学当初からゼミがあったおかげで、主体性が求められる法学部での学びの土台を早期に築けたと感じています。

現在ゼミで師事している湯原心一先生には、1年次の「フレッシャーズ・セミナー」でもご指導いただき、自ら学ぼうとする姿勢や疑問を残さず調べる習慣の大切さを教えていただきました。また論文をたくさん読み込み、それらがどのようなロジックで成り立っているのかといった輪郭をつかめたことは、法律の知識や法的思考力を積み上げていくうえで大きなアドバンテージになったと感じています。

学びのスタイルが異なる2つのゼミに同時所属

2年生になると、ゼミでの学びのスタイルがガラリと変わり、北川徹先生のご指導のもとで、吉祥寺にある会社のビジネスプランを考えるなどの実践的な内容に取り組みました。吉祥寺に実在する中小企業を題材に、地域特性を考慮した集客の方法や業務の改善案などを考案し、先生がお招きしたコンサルタントの方の前で発表しました。北川先生のゼミは、じっくり知識を積み上げるというよりも走りながら考える感覚があり、臨機応変に対応するという点で1年次とは違った基礎を磨くことができました。大学での学修の前半でそれぞれ異なったスタイルの学びを経験できたことは、とてもありがたかったと思っています。

3年生になると、卒業論文に取り組むゼミを選択するのですが、湯原先生のゼミも北川先生のゼミも魅力的に感じていた私は、所属ゼミを一つに選べずにいました。そこで私が出した結論は、2つのゼミへの同時所属。卒業論文をそれぞれ書くことになるので、その分学修はハードですが、最終的には「どちらもやりたい」という気持ちが勝りました。

文献重視と実践重視の学びで成長

文献重視の湯原ゼミと実践重視の北川ゼミの双方で学んだ相乗効果は大きかったと思っています。どちらの先生も会社法に関わる分野を専門にされているので、湯原ゼミで深めた考察を北川ゼミのディベートで活かすといったシーンもたくさんありました。

北川ゼミのディベートは、違った意見の立場に分かれて勝敗を決する形式だったので、その場で考えて意見を述べる瞬発力はかなり鍛えられました。また経験を重ねるにつれて、論点から展開を予測する洞察力も身についたと思います。

湯原ゼミでは、論文を読み込み、先生の知見にも触れながら要点を抽出するというプロセスをたくさん経験したことで、要点を早く的確に見出す読解力を修得。大前提と小前提から結論を導く法的三段論法を用いてレポートに取り組んだ経験も、論理的思考力の向上につながりました。

法学の魅力は、法律の多面性を知り理解を深めるおもしろさにある

法学を学んでいて特におもしろいと思うのは、法律やケースによって扱われ方が異なる概念があること。例えば売買などで用いられる「意思表示」は、万が一誤って行ったとしてもクーリングオフなどの救済が適用される場合もあれば、取り決めが厳格で救済等の処置がないケースもあります。また明らかな冗談など、本人が本気で言っていないことを相手が知りながら結んだ契約を無効にできる「心裡留保」が、会社を設立する際の虚偽表示などには適用されないという点も興味深いと思っています。

学びを広げていく中で、相違点や共通点を発見し、理解を深めていけるのは法律の一つの魅力だと思います。

また4年間学んできて、法学の学びに近道はないと感じています。要領良く最低限のことだけを学ぶという考え方で修了することも不可能ではないと思いますが、それでは厚みのある理論の構築や深い考察につながりません。成蹊大学法学部には、法律の多面性を知れる体系的なカリキュラムがあるだけでなく、地道な努力をしっかり評価してくれる先生方がいらっしゃいます。そうした環境も成長できた大きな要因だと感じています。

法学で培った力で、問題解決に貢献したい

卒業後は金融機関で働くことが決まっています。特に信用が重視される業界なので、法学部で地道に取り組んできたことが、採用試験時の評価につながったのでは?と考えています。仕事をしていく中で、必ずさまざまな問題に直面すると思います。そうした時は、問題がなぜ起こっているのか原因を見極めることが重要となります。

法学部で培った論理的思考力や洞察力を活かし、問題を迅速に解決できる人材になることが私の目標です。社会人になっても弛まず努力し、自分を磨いていきたいと考えています。

データで見る成長した力

  • ベネッセiキャリア「GPS-Academic」(アセスメントテスト)2020年度 1年生と2022年度 3年生の両方を受検した学生のデータより作成
  • 対象者数 成蹊大学:173名 全国:39,013名
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:76名 全国:28,613名
  • 「あった」は、「ときどきあった」「ひんぱんにあった」と回答した割合。「なかった」は「まったくなかった」「あまりなかった」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:76名 全国:28,485名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:76名 全国:28,489名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。

※内容は取材当時のものです。