成長する成蹊大生の図鑑

苦手を克服し身につけた論理的思考力と
チームで協働する力が
活躍への扉を開く原動力に

理工学部 情報科学科 知的インタフェース研究室 4年生(2022年度取材時)

※2022年4月より理工学部は1学科5専攻に改組しました

2019年度入学

横浜市立桜丘高等学校出身

少人数の環境を活かしプログラミングへの苦手意識を克服

AIやロボティクスなどの先端技術に興味があり情報科学科を選んだものの、入学当初はプログラミングが苦手でした。意図した出力がされるようにプログラムを作成してもエラーが出てしまい、その原因もわからない。そのような状況に何度も直面する中で同級生はどんどんステップアップしている感じがあったので、気づけば「私はプログラムが不得意だ」と意識するようになっていました。それでも「つまずいたままでは終われない」という思いは強く持っていました。振り返ると当時の苦しい経験が反動となり成長の原動力になったところもあったのかもしれません。

そこで私が起こしたアクションは、わからないところを確実に調べることに加え、どんどん人に聞くこと。成蹊大学では少人数制の授業が多く先生の目が学生に届くので質問をしやすかったのもありますし、アットホームな雰囲気があり、同級生も周りを気にかけてくれる優しいタイプの学生が多いと感じました。「自分さえできればいい」ではなく「みんなでがんばろう」という空気があったおかげで苦手にも前向きに取り組めたところは大きいです。先生から的確なヒントをいただいたり、友人と一緒に課題に取り組んだりと、一人で悩まず学習した結果、プログラムと出力との因果関係を理解できるようになり、次第にプログラミングへの苦手意識は薄れていきました。同時に何事も論理的に考えられる力が身についたと思います。

ビジネス研修でのグループワークにより生まれた課題意識

4年間でインパクトのあった経験の一つに「丸の内ビジネス研修(以下MBT)」への参加があります。MBTは企業が提示する課題に学生グループが取り組む研修を含んだプログラムで、7人程度の学生グループは文理融合で異なる学部学科のメンバー同士で編成されます。文系理系を問わず、他学科にも積極的にアイディアを出してくれる人や話をまとめるのがうまい人、説得力のある伝え方がうまい人などがいて、さまざまな個性に触れる中で刺激になるところが大いにありました。またメンバーとの協働をきっかけに、理想的なコミュニケーションのあり方に興味が湧き、同時に社会へ出ていくのに向けて「コミュニケーション能力を鍛えたい」という課題意識にもつながりました。

オンライン会議で感じた疑問が研究テーマにつながる

MBTに参加していた当時は、新型コロナウイルスの感染拡大による行動制限がかかっていた真っ只中で、学生メンバーとのミーティングは主にオンラインで行っていました。オンラインミーティングは、移動を伴わない分、メンバー同士で時間を合わせやすい利点がある一方で、空気感をうまく共有できず意思疎通のしづらさを感じる時もあります。私は現在卒業研究で、議論の内容や雰囲気を文章や動画の要約を用いて的確に伝える方法を研究しています。このテーマに興味を持ったのも、MBTを通じて、「オンライン会議のコミュニケーションの取りにくさ」はどこからくるものか?と疑問を感じたからです。動画の編集は単にポイントだけを抜き出せば、雰囲気も含めて正しく伝わるかというと決してそうではありません。例えば、実際は沈黙の時間がある程度あった議論の発言シーンだけをつなげると、実際よりもはるかに活発な議論が行われていた印象になります。社会人になると議論に参加する機会も増えると思います。この研究を通じて、「議論」に対し何となく感じている印象を理論的に解明し、議論を有意義にするヒントにもできればと思っています。

また研究室では、メンバーと協力して実験を行ったり、円滑な運営のために密に情報共有をしたりといったことも多く、MBTで学んだチームワークを活かし、人と協力して物事を進める力をさらに伸ばすことができたと実感しています。

苦手を克服した経験が社会人として生きていく自信に

4年間の学びを振り返ると、自分の考えをアウトプットする機会が充実していたと感じます。アウトプットの機会が増えることで、インプットをする際にも理解した内容に自分の意見を加え発信することを前提に考え、思考が活性化する相乗効果がありました。考えを整理するために自然と話の要点に目が行き、相手の意図を汲み取れるようになったことも成蹊大学での学びで得た副産物です。

また、当初はコミュニケーションに苦手意識のあった私が、「議論」を研究対象にするほど、「コミュニケーション」や「チームでの協働」に高い意識をもてるようになったのは、ゼミやMBTなどさまざまな人と関わる環境で刺激を受け、「もっと成長したい」と思えたからだと考えています。

データで見る成長した力

  • ベネッセiキャリア「GPS-Academic」(アセスメントテスト)2022年度 3年生受検データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:110名 全国:63,957名
  • 「①非常にあてはまる/②ややあてはまる/③あまりあてはまらない/④まったくあてはまらない」のうち「①非常にあてはまる」「②ややあてはまる」と回答した割合。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:45名 全国:28,613名
  • 「あった」は「ひんぱんにあった」「ときどきあった」と回答した割合。「なかった」は「まったくなかった」「あまりなかった」と回答した割合です。
  • ベネッセiキャリア「GPS-Academic」(アセスメントテスト)
    2022年度 3年生受検データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:110名 全国:63,957名
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 3年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:45名 全国:28,485名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。

※内容は取材当時のものです。