成長する成蹊大生の図鑑

高度な専門性の土台となる能力を
充実した学びの中で着実に修得

2年生インタビュー
左から理工学部 応用化学専攻・機械システム専攻・電気電子専攻・データ数理専攻・コンピュータ科学専攻2年生

※2022年4月より理工学部は1学科5専攻に改組しました

理由を丁寧に紐解く学びで、論理的思考力と検証力が身についた

理工学部 理工学科 データ数理専攻
2年生(2023 年度取材時)

2022年度入学

私立相模女子大学高等部出身

高校までは、物理や数学のことを友人に質問されたときに、自分が解ける問題であっても、「なぜそうなるか」をうまく伝えることができませんでした。理工学部の授業では、たとえば物理学の実験結果の理由を微分積分の公式を用いて丁寧に解説してくれるなど、物事の理由を詳しく学ぶことができます。「解ければいい」ではなく、プロセスや理由をしっかり学び、本質的な理解をめざすところが、高校までの学びとの大きな違いだと感じています。おかげで、ものごとを順序立てて説明する力が日々鍛えられていると感じます。また、このような論理的な思考は、プログラミングの授業でも磨くことができています。プログラムは、実際の社会でもチーム間で共有するなど、人から人へ引き継いだりすることが多々あるものです。そのため作成した本人が理解でき、動きさえすればよいというものではなく、簡潔で他の人が見てもわかりやすいことがとても重要になります。また内容や目的により、どのようなプログラムがベストかは異なるため、「もっとよい方法があるのでは?」と常に批判的な視点をもち、粘り強く試行錯誤する姿勢が求められます。常に「確かな理由を示すこと」を重視して学ぶ中で、事実をきちんと検証する力も修得できていると感じています。

専攻した「データサイエンス」という領域自体には、両親の影響で子どもの頃から馴染みがあり、大学ではデータサイエンスやビッグデータの専門知識を身につけたいと考えていました。成蹊大学理工学部を選んだのは、オープンキャンパスで「ヘルスデータサイエンス」の話を聞き、興味を抱いたからです。人々の健康な暮らしに欠かせない医療にデータサイエンスが応用できることを知り、専門知識を修得するだけでなく、実際に活用する力も磨けるのでは?と期待し入学しました。授業の一環として、第一線で活躍する女性データサイエンティストのお話を聞く機会があるなど、知識を着実に身につけつつ、将来のヒントになる刺激も得られていると感じます。

高度な専門領域の学修に向けて
確かな土台を築く
1、2年次のカリキュラム

2022年度から新たに1学科5専攻体制となった理工学部理工学科では、3、4年次の高度な学修やその先の社会で求められる基礎的な素養をバランスよく養うため、各専攻の科目とともに、「社会人基礎力科目」「ICT基礎科目」「理工学基礎科目」という科目群(科目区分)を設けています。

表現と論理的思考の双方を経験する学びが「わかりやすく伝える力」を育んだ

理工学部 理工学科 コンピュータ科学専攻
2年生(2023 年度取材時)

2022年度入学

神奈川県立座間高等学校出身

理工学部入学後の2年間で最も伸びたと感じる力は「わかりやすく伝える力」です。高校までは文章に対する苦手意識がかなり強く、現代文のテストで、選択問題は満点なのに、記述問題はまったく手が進まず空欄のまま提出するといったこともありました。社会人基礎力科目の「アカデミックスキルズ」では、レポートや論文など、大学で必要となる論理的な文章の書き方を学びました。冒頭で主張を述べてその根拠を展開していくといった基本形を学び、物事を順序立てて説明する感覚を徐々につかめるようになったと感じます。さらに成蹊教養カリキュラムの「実践日本語表現」では、説明文や要約文、メール、履歴書といったいろいろなタイプの文書の作成方法を学びました。目的や相手をイメージしながら実際に書き、先生から具体的にフィードバックをいただくといったプロセスを繰り返すうちに、文章そのものに慣れることができ、書き始めるまでに時間がかかるといったこともなくなっていきました。以前は一つ気になるところがあると、「もっと良い表現がないか」とそこで悩んでしまうことが多かったのですが、ある程度書いてから後で推敲し、精度を高める方法を覚えたことで、他の授業でのレポート作成も楽になったと感じます。また理工学基礎科目で学んだことが、他の授業の理解につながった実感もあります。一番印象に残っているのは、「応用フーリエ解析」で学んだオイラーの公式です。オイラーの公式は、「一番美しい」といわれている数式で、これを理解したことで、物理学などで新しい領域を学ぶ際に、知識をぐっと圧縮し効率よくインプットできる感覚が生まれました。理論の種を得たことで、知識と知識のつながりが見えやすくなったという感じです。

将来はソフトウェアに関わる分野を専門にしたいと思っています。具体的にどのような分野のスペシャリストになるかは、さまざまな授業を受けながら、自分の好奇心がどこに向いているかを常に意識し見極めていくつもりです。

研究や社会で役立つ汎用能力を磨く「社会人基礎力科目」

レポートや論文の作成方法を学ぶ「アカデミックスキルズ」や、課題解決にチームで臨む3年次の「PBL」などを通じ、表現力・コミュニケーション能力などを養成。大学の学びではもちろん、社会でも必須となる知識や技術を修得します。

実習でのピンチを乗り越え、多面的に考察する力が身についた

理工学部 理工学科 機械システム専攻
2年生(2023 年度取材時)

2022年度入学

東京都立南平高等学校出身

理工学部に入学してからの2年間では、2年次前期に受講したアクティブラーニング形式のプログラミングの授業が一番印象に残っています。そこで取り組んだのは、手に装着した生体センサーでロボットカーを制御するプログラムを実際につくる課題でした。プログラミングの知識を総合的に使うため、自分の弱点が明確になり、それが学修への意欲につながりましたし、グループで取り組むものだったので、他のメンバーがつくったプログラムを見ることができ、視野を広げるきっかけにもなりました。プログラムの関数などは1年次に学んでいたのですが、それにどのような機能があり、中にどのようなテキストを入れると、どのように出力されるかというところまで理解できていなかったので、最初は本当に手探り状態でした。また私たちのグループには一度大ピンチがありました。授業10回ほどの期間を経て組み上げてきたプログラムが使用できないと途中でわかり、一から作り直さなければならない事態に陥りました。メンバー全員がかなりの負担を強いられることになりましたが、なんとか団結して乗り越えました。最初の土台の部分にミスがあり、それに気づかぬまま進めてしまったことが原因でした。システムの設計は土台をしっかり固めて積み上げていくという側面もある一方で、後々の方向転換も想定し、柔軟に対応できるよう多面的に検証することも大切になります。失敗をたくさんしながら、仮説を立てて検証し、また仮説を立てるといったプロセスを繰り返す中で、多面的に考察する力と粘り強く取り組む力が大いに鍛えられたと感じています。

私はもともと自動車の設計に興味があり理工学部に入学したのですが、さまざまな授業を受ける中で、車の運転時の視線や姿勢などに注目し、人間にとって最適なシステムやデザインを考えるヒューマンファクターという分野もおもしろいと思うようになりました。これからさらに学びを深め、自分の興味関心や将来の目標などを視野に入れつつ、専門的に追究する分野を見定められればと考えています。

先端的なICTの学修につなげる
「ICT基礎科目」

理工学部理工学科では、全ての専攻において実験のデータ検証などで活用できるプログラミングの知識を修得します。基本的な関数を学ぶ授業から実際にプログラムを組む授業まであり、機電系・化学系などIT以外の領域でもICTやデータサイエンスの応用が進む今後の社会環境に対応できる力が身につけられます。

不確かな要素を排除し厳密さを追求する学びで、論理的思考力が磨かれた

理工学部 理工学科 電気電子専攻
2年生(2023 年度取材時)

2022年度入学

東京都立八王子桑志高等学校出身

3・4年次から始まる専門的な研究に向けて特に大事だと感じているのは、正確なロジックを組み上げるために徹底して不確定な要素を排除することです。現在取り組んでいる物理学や化学の授業のレポートでも、引用する表の説明など、細かな部分まで正確さが求められます。2年生になりレポートを書く機会が増える中で、自分が研究の世界へ一歩を踏み出した実感が強まるとともに、論理的思考力や最後まで粘り強く取り組む姿勢を磨けていると感じます。論理的思考力という点では、数学の授業で厳密さを求められるようになり、そこでも鍛えられています。テイラー展開やマクローリン展開といった公式の証明で、結論だけでなくそれが導き出されるプロセスまで丁寧に学ぶほか、重積分で新しい概念の理解が必要になるなど、高校よりも一段階ハードルが上がった感触があります。複雑なプロセスをわかりやすく説明するなど、ロジックへのより正確な理解が必要になったのに加えて、内容そのものも高度になりました。ただ、数学自体が好きなので挑戦意欲は掻き立てられますし、どの専門分野を選ぶにしても必要な知識になるので、高いモチベーションで学べています。

私は通っていた高校が工業系で、電気制御やシーケンス制御に興味があって理工学部に入学しました。一方でさまざまな授業を受講する中でプラズマや超伝導にも興味を持つようになり、3年次からの所属研究室もその2分野を優先候補に考えています。プラズマも超伝導も、電気回路や電磁気学といった電気の基礎知識が欠かせない研究分野です。今後の高度な研究につなげられるよう、それらへの理解もしっかり積み上げていきたいと考えています。

研究に欠かせない高度な数理的思考を養う「理工学基礎科目」

プログラミングにもリンクする高度な数学に加え、各専攻の科目の土台となる物理学、化学、生物、地学の授業を開講しています。研究につなげることに主眼を置き、理工学系の社会人に必要な論理的思考力を磨くほか、他分野の基礎を合わせて学ぶことで、分野横断的なアプローチを可能にするためのリテラシーを身につけます。

結論と理由のつながりを丁寧に紐解く学びで、専門的な研究に向けた土台を醸成

理工学部 理工学科 応用化学専攻
2年生(2023 年度取材時)

2022年度入学

東京都立田園調布高等学校出身

高校までの学びとの違いで特に強く感じるのは、暗記だけで対応できる問題がぐっと少なくなったことと、論理性が重視されるようになったことです。数学の授業については、証明の流れを枠組みとして捉えるのではなく、結論が導かれる理由を立体的にイメージしなければなかなか対応できないと感じています。化学の実験では、ある反応から物質ができる理由など、原理を説明することが求められます。数学も理科もレベル自体は高校よりも上がっていますが、3・4年次の研究につながる根源的な知識を着実に積み上げられていると感じます。同時に、緻密さを求められることで論理的思考力も磨くことができています。また化学の実験に加え、レポートや論文の作成方法を学ぶ「アカデミックスキルズ」でも、わかりやすく伝える力が鍛えられました。最初に意見を述べ根拠を展開するといった基本構造だけでなく、レイアウトや書体、配色などを工夫し効果的に見せる方法を学びました。論理的思考によって内容を正確に理解し、伝わりやすい表現でアウトプットするプロセスを繰り返し経験する中で、研究の土台となる能力を身につけられている実感があります。

私はもともと、化学を学びたくて理工学部を選びました。理科全体が好きなので、授業には楽しく取り組めていますし、最も興味のある化学の授業で新しい気づきがあったり、高校までは知らなかった物理学と化学のつながりを見出したりなど、入学時よりも化学を追究したい思いが一層強くなっています。また理工学部には、楽しそうに授業をしてくれる先生が多いと感じています。学びを楽しむ雰囲気があることも、意欲的に学べている大きな要因だと思います。

データで見る成長した力

  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 1年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:128名 全国(工学分野):12,157名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 1年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:128名 全国(工学分野):12,157名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 1年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:128名 全国(工学分野):12,157名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 大学IRコンソーシアム学生調査(アンケート)
    2022年度 1年生回答データより作成
  • 対象者数 成蹊大学:128名 全国(工学分野)12,157名
  • 「増えた」は、「増えた」「大きく増えた」と回答した割合。「減った」は、「減った」「大きく減った」と回答した割合です。
  • 成蹊大学 理工学部履修要項より ※2023年度時点

※内容は取材当時のものです。