■開催日時
2024年9月24日(火)16:50~18:30
■会場
9号館402教室
■主催
成蹊大学アジア太平洋研究センター
■参加者数
69名
■講演者
パク・スックチャ氏:株式会社アパショナータ代表取締役
■司会者
永野 護:成蹊大学経済学部教授/アジア太平洋研究センター所長/成蹊大学リーディングリサーチャー
2024年9月24日、株式会社アパショナータ代表取締役のパク・スックチャ氏を講師として、成蹊大学アジア太平洋研究センター(CAPS)主催講演会「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)とは何か」が9号館402教室で開催されました。本講演会は2024年度CAPSオムニバス講義「共生社会トピックス:アジア太平洋地域の国際協力と開発援助」において一般公開されました。69名(うちCourse Powerでの出席登録者33名)が参加し、会場に入りきれない数の来場者が訪れるほどの盛況ぶりでした。
パク氏は冒頭で、刃物を持った人は危険だと認識することを例に、偏見・バイアス自体は必ずしもネガティブなものではなく、防衛のメカニズムとして人間が持っているものだとした上で、自分自身が気づかずに持つ偏った見方・考え方、すなわち「無意識の偏見」があることを指摘されました。
無意識の偏見が組織及び個人にもたらす影響について、リサーチを紹介しながら説明していただきました。人を評価する際、無意識の偏見が働くことは仕方がないとした上で、その影響を抑える努力は可能であると述べました。個人に対する影響への対応策として、バイアスがあることを認め、無意識の偏見を意識すること、相手にかける言葉を変えることなどを挙げられました。
講演後の質疑応答では、質問が絶えず、オーディエンスが強い関心を持ってこの問題に向き合っていることがうかがえました。アンコンシャス・バイアス自体は変えられないし、反射的に違和感や嫌悪感を持つことはあるが、間を置いて対応を変えることはできるし、誤りを正し、対応をアップデートしていくことはできるというパク氏のアドバイスは、社会的文化的価値観が変わりつつある現在において大変貴重なものではないでしょうか。
(CAPSポスト・ドクター 波照間 陽)


