図書館案内

図書館長からのメッセージ

館長 上 田  泰

館長 林 廣親

文学部教授。日本近代文学の作品論的研究および近代演劇の研究を専門とする。〈作品をどう読むか〉〈小説や詩や戯曲のことばを読み解くとはどういうことか〉という問題意識を柱として研究を進めてきた。授業科目は「日本文学演習」「近・現代文学基礎研究」「日本文学研究の基礎」「文学作品をどう読むか」(2017年度)などを担当。日本近代文学会、昭和文学会、日本演劇学会等に所属する共に、学内では大学評議員、学園評議員を歴任。

魅力ある大学図書館を目指して

成蹊大学情報図書館は学園創立100周年記念事業の一環として2006年9月に開設されました。「情報図書館」という名称は紙媒体の図書を収蔵し閲覧に供する機能に加えて、電子媒体による情報を広く扱う新しい図書館への抱負を表しています。それから12年経って情報通信技術が当時の予想をはるかに超えたレベルで進みつつある今、電子情報を提供できるのはできて当然のことになりつつあります。情報面では機能の拡充がさらに必要であるにしても、これからの大学図書館の魅力はそれ以外の面にも求められることになるだろうと思います。たとえばその図書館ならではの空間性の魅力、読書や知的作業の場としての機能性に関わる魅力、そしてもちろん蔵書や視聴覚資料の質と量に関わる魅力など、他にも要件は考えられますが、この情報図書館にはそうした魅力を追求できる力も十分に備わっています。

個性に富む多機能な空間

成蹊高等学校の卒業生で建築家の坂茂氏設計による真にユニークなこの建物は、さまざまな利用目的に応じうる場として生まれました。半地下となった1階入り口の前庭は、飲食も可能でおしゃべりも楽しめる「リフレッシュエリア」です。建物の中に入って見上げると天井まで吹き抜けの空間が広がっていて、その中に大小二つの卵型をした白い部屋(「プラネット」)が浮かんでいます。そこはいろいろな会合やゼミに活用されています。プラネット間を取り巻く形で5階までのフロアがあって、事務スペースや閲覧用のテーブル、検索用のパソコンが配置され、北と南に分かれた開架書庫がその先に広がっています。そして書庫に入ると本棚の行列の奥に266席の「クリスタルキャレル」(個室閲覧室)が並んでいます。

それぞれのフロアは資料を探し、コピーし、本や刊行物を読み、映像を観ることもできる場所を提供しています。また最近は2階フロアの展示スペースも購入した貴重資料のお披露目や東洋文庫との協定による特別展などに活用され、利用者に馴染みあるプロムナード空間としての認知度を高めています。

この図書館は全館静寂を旨とする従来の発想を離れ、入口の気楽な賑わいの場からしだいに静かに書物と向き合える場へという奥行きに配慮した空間構成になっています。利用者はそれに親しむにつれ自分に合った使い方を発見することができるでしょう。

ワンダーランドの入り口としての
図書館、宝島としての図書館

図書館ではOPACの検索システムをはじめとして今の時代にふさわしいネット環境の整備に努めてまいりました。学内雑誌の機関リポジトリ化や所蔵の貴重書画像のデータベース化など情報発信の一方で、各種のオンラインデータベースや電子雑誌の契約も年々その数を増やしています。こうしたネットワークの中にある現代の図書館はいわばワンダーランドの入り口です。データベースや検索の便の発達によって誰でも同じ資料に手早く行き着くことが可能になりました。けれどもその夢のような便利さはくせ者で、それ以外の手段で情報を集めるのに無関心な人が増えています。そうなると情報を集める本当の能力は育ちようがありません。

ならばどうすれば良いのか・・・、答えは簡単です。足を使って探せば誰もが目にするのとは違った情報がおのずと手に入る。約55万冊の図書が開架式の書庫に並んでいることも成蹊の情報図書館の大きな特質ですが、そのごく一部分を利用するだけで卒業していく人が多いようです。それはとてももったいないことです。もしすべてのフロアの書庫を探検家のように歩いて見てみれば「うちの図書館にはこんな本もあるんだ」、「ここにこんな本が並んでいると初めて分かった。これは使えるぞ」といった発見の驚きと喜びを味わうことができるはずです。その経験はパソコンで得た情報に飽き足りぬ意識を育ててくれるでしょう。夏休みの一日をそれに費やしてみれば、この図書館が古今東西の知の宝島であることが分かります。ぜひ足を使って自分だけの知の宝島の地図を作ってください。

開架書架の図書のほかにも、地下には約72万冊の収蔵能力をもつ「自動書庫」があり雑誌なども相当に揃っています。また中村正直文庫、ピエール・ベール研究コレクション、プランゲ文庫コレクション、ミステリーSFコレクションなど貴重な資料の収集努力も続いています。それらについては図書館ホームページを御覧ください。

緑蔭堂文庫の理念を受け継ぎつつ

情報図書館2階入り口からすぐの左手に「緑蔭堂文庫」と書かれた横額が置かれています。緑蔭堂文庫は、1938年、成蹊高校(旧制)に図書館が開設される折、岩崎小弥太理事長が自作の句「緑蔭清風筧(かけひ)の音のありところ」からつけられた名称です。この言葉は書物と向き合って心しずかに思索する人の姿をおのずと想起させるもので、時代を超えて受け継がれるべき図書館の理念に通じていると思います。

最後に、この図書館は本学所属の各種学生だけでなく高校生、卒業生、在校生の保護者や地域住民なども含めてできるだけ多くの方々に利用の機会を提供していきたいと考えています。利用者の皆様にはそうした開かれた図書館であることをご理解いただき、知の拠点としての図書館の質向上に向けて助言等も含めたご協力をお願いしたく存じます。

成蹊大学図書館

TEL:0422-37-3544

(平日 9:00〜17:00 土曜日 9:00〜12:00)

Email:lib@jim.seikei.ac.jp

お問い合わせはなるべく Email でお願いいたします

〒180-8633 東京都武蔵野市吉祥寺北町3-3-1