ESDと成蹊教育

ユネスコが推奨するESD
(Education for Sustainable Development)とは

ESD は持続可能な社会の担い手を育む教育です。ESD のねらいは、直接的には、持続可能な開発に関する価値観(人間の尊重、多様性の尊重、非排他性、機会均等、環境の尊重等)を共有することですが、それを通じて、体系的な思考力(問題や現象の背景の理解、多面的かつ総合的なものの見方)、代替案の思考力(批判力)、データや情報の分析能力、コミュニケーション能力、リーダーシップなどを育みます。小学校から高等学校までの現行の学習指導要領にも ESD の観点が盛り込まれています。

ESDと成蹊教育

成蹊学園は大正期の新教育運動のなかで主導的な役割を果たしました。ユネスコの起源も20世紀初頭にスイスやドイツなどを中心に広まった新教育運動にあります。

成蹊教育の特色は、実験や観察、校外学習を通じた「ホンモノにふれる体験」によって、問題意識をあたため科学的思考に高めていくことにありましたが、ESDもまた同様な教育実践に価値をおくものです。

成蹊学園では、成蹊小学校開設時からの100年に及ぶ栽培活動の歴史、旧制成蹊高等学校の開設時からの90年の気象観測の歴史をはじめ、大学の発足後しばらくは大学の地学・地理学教室が中高と連携して地域環境に関わる研究・教育を推し進める姿もありました。他にも、高校の生物におけるショウジョウバエ飼育なども代々の卒業生に語り継がれている取り組みであり、近年では、夏の学校における植生観察なども重要な実績となっています。

持続可能な社会の実現を念頭に、自らの体験・観察型の教育に基づいてデータを収集・分析し発信させるというアクティブ・ラーニングによる教育手法は、ESDとして知られるようになりましたが、成蹊学園は長い歴史のなかでこれを実践してきているのです。