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【報告】深海魚特別講義「あの手この手で海を探り、深海魚の姿に迫る」

■日時:
2023年6月17日(土)
■場所:
成蹊中学・高等学校
■参加人数
約20名

成蹊中学・高等学校の生徒を対象に、深海魚をテーマとした特別講義を実施しました。講義に入る前に、進路指導、キャリア形成の参考になるよう自己紹介をしました。前半は、地球と海、魚を研究する意義を説明した後に、アオメエソ(メヒカリ)、チョウチンアンコウ、シーラカンス、ヨコヅナイワシを対象に行った研究を紹介しました。後半は、深海魚観察実習として、駿河湾で採集した深海魚を解剖しました。まず実際に手に取って、からだ全体をよく観察し、解剖をしていきました。実習後には、家庭科の先生方の手による深海魚料理の試食会を行いました。

この特別講義は、コロナ禍で中止となった2020年と2021年を除き2012年から毎年実施してきました。今回は足掛け11年、10回目の開催となります。これまでに受講した生徒のうち、確認が取れているだけでも2名が海洋生物学を学べる大学に進学していることから、教育的効果の高いイベントとなっています。

講義中は、多数の生徒が積極的に手を挙げて質問をしてきました。成蹊中高の生徒の意識の高さを示しています。

講義の中で、海洋投棄される漁獲物が多く、その有効利用が食糧の自給率を上げるうえで重要な課題であることを説明しました。試食会で出された料理の数々は、普段は棄てられてしまう深海魚を材料としていて、実際に五感で資源の有効利用を体感したことにより、参加した生徒の持続可能な社会の実現に向けた意識の向上が期待されます。

来年度以降は深海魚の試食会ではなく、第2回から8回まで実施していた深海魚の調理実習を再開したいと思います。

(報告者および特別授業講師:東京大学大気海洋研究所助教、成蹊中学・高等学校卒業生、成蹊中学国際特別学級同窓会会長、成蹊学園サステナビリティ教育研究センター客員フェロー 猿渡敏郎)

講義の様子

熱心に深海魚を解剖する生徒

家庭科の先生方の手による深海魚料理の数々