成蹊学園について

環境活動

社会的責任と教育を融合した『環境保全』

成蹊学園は、教育研究機関の果たすべき社会的責任として、環境保全活動に取り組んでおり、省エネルギー、資源の再利用、廃棄物の減量などの取り組みにより、環境負荷の低減に努めています。また、成蹊学園の「個性尊重の人格教育」という教育理念のもと、これまで各学校でおこなわれてきた様々な環境教育・研究を学園全体の取り組みとしてより充実させ、これからの世界を担う児童・生徒・学生の環境保全に対する意識の向上と課題解決力の養成につとめています。

環境宣言・環境方針

成蹊学園は以下の環境宣言及び環境方針に沿って、環境負荷の低減その他環境の保全及びこれに関連する取り組みを推進しています。

環境宣言

学校法人成蹊学園理事長 小林 健

世界は大きく変動し、人類は様々な問題を抱えながら発展を遂げています。その大きな課題の一つが環境問題です。教育研究機関は、地球環境保全を理解し、直面している環境問題の重要性を啓発しなければなりません。これからの世界を担う児童、生徒、学生には環境保全に対する意識の向上と課題解決の力を養う教育が必要です。また、研究者は専門分野との関連において、環境問題の根幹を明らかにし、解決策を模索しなければなりません。成蹊学園は、その名の由来である「桃李不言下自成蹊」のもと、一貫して一人ひとりの個性を大切に育て、「本物にふれる」実践教育を重視してきました。学園に所属する児童、生徒、学生には、この個性尊重教育と実践教育に環境問題を融合させ、環境教育をあらゆる側面から学ばせることが重要であると考え指導します。さらに、環境問題を解決できる学生及び研究者の育成に努め、その研究支援を行います。こうした理念に基づき、社会の一員として責任ある環境に配慮した行動を着実に実行します。

環境方針

  1. 環境教育・研究の充実と環境問題に貢献する人材の育成
  2. 環境教育・研究の発信と公開
  3. 社会貢献のための環境に関する取り組みの推進
  4. 環境に配慮した緑豊かなキャンパスづくり
  5. 環境法令に基づいた環境負荷の低減と環境汚染の防止

施策紹介

省エネルギー対策

クール&ウォームビズ

成蹊学園では、エネルギー使用量の削減のために、省エネ機器の導入・更新を進めており、運用面においてもクールビズやウォームビズに対応した温度設定(夏:28度、冬:20度)を徹底しています。これは、省エネルギー対策としてだけではなく、児童・生徒・学生・教職員にとって環境問題を考えるきっかけとなることを期待しての取組みでもあります。

施設整備

省エネ型施設設備の導入

建物新築や施設改修工事などで高効率型照明器具と人の動きや太陽光を検知して照明の入り切りや明るさを調整する各種センサーを併用し、建物全体の基本消費電力を削減しています。空調設備でも効率性の良い方式を採用し、新たなエネルギー消費の発生を抑制しています。また、トイレの手洗いに自動水栓、節水型便器、女子トイレに擬音装置を採用して水使用量の軽減を行っています。

自然エネルギーの活用

大学西1号館と小学校本館の屋上に太陽光発電システム(大学西1号館:10kw発電、小学校本館:0.178kw発電)、を採用しています。大学西1号館の年間発電量は約11,000kwh、小学校本館の年間発電量は約2,500kwhです。合計すると約13,500kwhとなり、一日平均約37kwh、一時間当たり1.5kwhとなります。これは、2管式の天井蛍光灯20台が設置されている教室の天井照明を8時間使用したとして、約2.5教室分がまかなえる発電量です。

廃棄物削減及びリサイクル促進活動

成蹊学園では、使い捨てゴミの削減や紙の削減に取り組んでいます。特に、ゴミのリサイクルには積極的に取り組んでおり、ペットボトル、缶、紙類、生ゴミ、枝葉、プラスチック、木製品、金属などをリサイクルしています。リサイクルをしていないゴミとしては、例えば、布類、汚れ紙などがあげられ、近年ではゴミ排出量総量の約7%程度となっています。

地域・社会貢献

地域清掃活動

創立者中村春二先生が目標とした人格教育の理念である「個性の尊重」、「品性の陶冶」、「勤労の実践」を具現化する活動がふさわしいと考え、2005年度より、児童・生徒・学生・教職員及び卒業生による「地域清掃活動」を実施しています*。「成蹊学園建学の日」(3月23日)を含め、毎年4回「地域清掃活動」を計画し、近年は武蔵野市のご協力により市民の方のご参加も得ています。

*2022年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響により中止となりました。

成蹊桜祭

毎年4月の第1日曜日に「成蹊桜祭」を開催し、構内に植えられた120本以上の桜を楽しんでいただけるよう、キャンパスを一般の方に公開しています。成蹊桜祭は、同窓生団体である成蹊会が主催し、成蹊学園が後援、卒業生が実行委員会を組織し、現役学生やご父母の協力を得て運営するイベントで、近隣の皆様を始め毎年たくさんの方が訪れ、今では武蔵野市の春のイベントにも数えられるようになっています。

キャンパス環境の保全・整備

ケヤキ並木の保全・整備

本学園には、総数124本、約600mにおよぶケヤキ並木があり、四季折々に美しい景観を醸し出しています。これは、学園が大正13年に池袋より吉祥寺に移転した際、樹齢10年から20年ほどの若木を植樹したもので、現在では高さ25m前後、幹回り2m以上にまで成長しています。ケヤキ並木は、1971(昭和46)年には「武蔵野市天然記念物」に、1982(昭和57)年には都民の投票による「新東京百景」に、そして1996(平成8)年には、環境庁(現環境省)の「残したい日本の音風景百選」に選ばれるなど、近隣の方々のみならず都民の憩いの場として広く親しまれています。この美しい環境を保つため、毎年定期的に枯れ枝の除去や剪定を行い、地域環境の保全・整備に努めています。

武蔵野市ではふるさと応援寄附(ふるさと納税)の使い道の一つとして、天然記念物に指定している本学園のケヤキ並木など街路樹を守る事業をあげています。

沿道緑化と緑の保全

学園は、2007年度から計画的に敷地外周沿道緑化を進めています。ブロック塀や万年塀を撤去し、ウバメガシ等を植栽しています。また、敷地内にある桜などの樹木に関しても毎年枯枝除去や剪定を行い、みどり豊かなキャンパス環境の保全・整備に努めています。

箱根寮の整備

成蹊学園箱根寮は、芦ノ湖湖畔にある敷地面積約208,000㎡、収容人数124名を誇る学外施設です。成蹊小学校の「夏の学校」などの学校行事をはじめ、成蹊大学のゼミや部活動の合宿、卒業生の個人利用など広く利用され、野鳥が多く生息する豊かな自然も魅力のひとつです。学園では、箱根寮地区の気候風土に適しているといわれるシャクナゲの植栽や園路整備など、寮敷地の整備を計画的に進めています。

各学校の取り組み

環境活動に関する情報

ISO14001認証取得から独自の管理体制へ

成蹊学園では、環境保全活動の有効性と効果を検証するため、2008年4月より環境マネジメントシステム(以下EMS)を導入し、同年11月にはEMSの国際規格であるISO14001の認証を取得しました。その後9年間に渡りEMSを運用した環境保全活動に取り組んできましたが、より教育研究機関に適した環境保全活動を推進するため、2017年11月26日をもってISO14001の認証登録を解除し、これまで蓄積したノウハウや経験を基礎として、武蔵野の緑豊かなキャンパスの中、一貫連携教育を実践する総合学園という成蹊学園のメリットを活かし、より有効性を重視した取り組みを継続して行っています。なお、その取り組みの一つとして、小学校から中学・高等学校、大学までの連携により、持続可能な開発のための教育(ESD)を学園全体で進めていくため、2018年4月に、サステナビリティ教育研究センター(ESDセンター)を開設しました。また、これまでのEMSによる環境活動報告は「環境報告書」にてご覧いただけます。