コラム

成蹊から見える吉祥寺の雲たち(その2)

前回(column5:成蹊から見える吉祥寺の雲たち)は、きれいな雲たちを見ていただいたので、今回は、ふしぎな形の雲たちをご覧いただきましょう。

1 .環八(かんぱち)雲
夏の風がある日に、成蹊学園から東の空を見ていると、雲が南北にならんでできているのを見ることがあります。ちょうど環状八号線の道路のま上あたりにできるので、「環八雲」とよばれています。この雲は、今から約40年ほど前に、成蹊学園卒業生で写真家の塚本治弘さんが発見したことで有名になりました。南側の相模湾と東京湾のほうから吹いてくる風が、このあたりでぶつかることで発生すると考えられています。また、道路を走る車の排気ガスが、雲の種(タネ)を作るというしくみもはたらいているそうです。

2.乳房(ちぶさ)雲
雲の底から、こぶのように垂れ下がってくる雲のかたまりを乳房雲とよんでいます。雲の底でできた下向きの空気の流れと、下から上に向かう空気の流れがぶつかってできる雲です。上の厚い雲の中で下向きのはげしい流れができかかって、うずまいている状態なので、乱気流や竜巻の前兆となることがあります。見かけたら、天気の急変に注意が必要です。

3.波状(はじょう)雲
やや太いすじ状の雲から小さなすじ状の雲が枝分かれして、波のように繰り返すパターンが見えています。下の画像では、鳥の羽根のような模様も見えています。上側の雲と下側の雲で、羽根の向きが逆なのも不思議で、ふつうの波状雲とはでき方がちがうのかもしれません。

4.渦巻く雲
夕立が通り過ぎていった後の空に見えた不思議な形の雲です。しばらく見ていると、実際にぐるぐると回転しているのが分かりました。雲の中で、横向きの渦巻きができかけていたようです。この渦巻きの回転が強くなり、地面に対して直角に下りてくると竜巻になる可能性があります。積乱雲が近くにいるときには、安全なところにいることが大事です。昔の人は、このような様子を見て、雲の中には龍が住んでいると思ったようで、雲という漢字は、雲から下りてくる龍のしっぽをあらわしているそうです。

1.環八(かんぱち)雲

2.乳房(ちぶさ)雲

3.波状(はじょう)雲

4.渦まく雲