コラム

カルマーレは午前10時 成蹊は午後5時

スクリーンの向こう明るい日差しの降り注ぐ教室に、ずっと大人びて見える8人の高校生たち。
スウェーデンの南部、カルマーレ国際高校の日本語コースの生徒たちです。
去る9月13日、成蹊中学校の特別研究グループ「ユネスコスクール」の中学生3人が、コロナ禍での学校生活や、日本語学習への期待、日本への憧れ、普段の学校生活などについて日本語と英語を織り交ぜてインタビューをしました。

会話中、ほぼマスクで表情の見えない成蹊の中学生に対して、はにかんだ笑顔で答えてくれるカルマーレの高校生たちの明るい表情がとても印象的でした。彼女たちは、これまでもマスクをする生活を送っていないそうです。これは、この日一番の中学生たちの驚きでした。

それでは、インタビューの様子をご紹介しましょう。

お互いに日本語で自己紹介をしたあと、中学生からさまざまな質問を投げかけました。

Q:カルマーレ校で人気の行事は何ですか?
A:each Challengeです。砂でモニュメントを作ります。終わった後にアイスクリーム屋さんのトラックが来て、みんなでアイスを食べます。

*優勝チームにスポンサーからアイスクリームのプレゼント!!いいなあ~。

Q:好きな日本語を教えてください。
A:ともだち、ありがとう、こころ、さくら、ちょっとまってください、などなど・・・

*「ちょっとまってください」には、思わず笑いが、日本語会話を勉強中なのだということがよく伝わってきます。

Q:コロナで学校生活は変わりましたか?
A:マスクは学校でもつけていません。旅行には行っていません。

*ワクチンは8人中7人が少なくとも1回目の接種を受けているようで、接種も個人の意志に任せられているようです。反対に、日本の中学生がみんな接種をしていないことに、「なぜ?」と問いかけられて、中学生はどう答えてよいか困っていました。

Q:もし日本に留学したら、どのようなことをしたいですか?
A:お寿司を食べたいです。お花見をしたいです。富士山に行きたいです。

*スウェーデンにもお寿司屋さんはあるようですが、本物の寿司が食べてみたいと熱く語っていました。

短い時間でしたが、しだいに打ち解けて、言葉の壁を越えて、時間と空間を超えて、今のそれぞれの暮らしを垣間見ることができる、温かくほほえましい交流会になりました。最後には、「またいつか会いましょう」といって手を振って終えることができました。参加した中学生たちには満ち足りた時間になったようで、とても充実した表情を見ることができました。こうした人々との出会い、自らの世界を広げ、未来へ歩んでいく糧を手に入れられる体験を広げてゆきたいと思います。この交流の様子は蹊祭で発表する予定です。