観測所紹介

視程の観測

観測所紹介

視程とは、肉眼で対象物を確認することができる最大距離のことですが、成蹊気象観測所では、校舎の屋上から南西約83kmにある富士山と東南東約17kmにある東京タワーを観測対象として、それらが目視できる日数(視程日数)を、1963年以降、継続的に観測しています。これらのほかに、秩父連峰、筑波山、新宿の高層ビル、高井戸にある杉並清掃工場の煙突、東京スカイツリーについても、同様の視程観測を行っています。

成蹊気象観測所から見た富士山と東京タワーの方角と距離
地理院地図(国土地理院)を加工して作成

校舎屋上から見た富士山(左)と東京タワー(右)

次のグラフは、過去約60年間の富士山と東京タワーの視程日数の経年変動を示しています。1960年代は、両者の視程日数は年間50日前後でしたが、近年は富士山の見える日数が大幅に増えて、年間150日を超えています。都心部方向の東京タワーの視程日数も約6倍の300日前後に増加していますが、これは、東京都内における大気汚染の改善と都市化による湿度の低下によると考えられます。