経済学部の学び 少人数教育のゼミから 応用経済学の研究
日本経済、金融、政策、企業・
産業の分析

統計を用いて深く追究
共同研究もゼミの魅力
行動の動機や事実の背景を洞察し
原因を解明する経済学的思考を身に付ける

研究テーマ: 応用経済学の研究
日本経済、金融、政策、企業・産業の分析
経済学部 経済経営学科4年
(2017年度公開時)
堀江 汰輝さん

統計を用いて深く追究、共同研究もゼミの魅力

私たちのグループは、東京都が5年ごとに公表する防災ハザードマップが地価公示価格に与える影響を調査しました。調査対象としたのは、2013年の防災ハザードマップと翌年の地価公示価格。その5年前の資料に基づく先行研究はありましたが、東日本大震災を経た都民の災害に対する危機意識と土地の価格との相関性が関心事でした。まずは、信頼の置けるデータの探索と収集に力を注ぎました。集めたデータは、私が「情報分析プログラム」で学んだ統計の手法を用いて分析し、その結果に仲間が視覚的に分かりやすいデザインを施しました。このグループワークにより共同研究の面白さを知るとともに、統計解析に興味が湧いた私は、情報科学を含めた領域でこの分野を深く追究したいと考えています。

研究テーマ: 応用経済学の研究
日本経済、金融、政策、企業・産業の分析
経済学部 経済経営学科 鈴木 史馬 准教授

学生が設定した研究テーマを経済学の手法で考察する

ゼミ(演習)では学生が一人ずつ興味のあるテーマをプレゼンテーションし、その中から数人で取り組める課題を選択してグループワークを行います。例えば、ITに興味があるグループはAI(人工知能)が産業にもたらす影響を分析し、都市開発に関心を持つ学生たちは、自治体による防災ハザードマップと地価公示価格との相関関係を調査しました。多様なテーマがそろうのは、経済学がそもそも汎用性のある学問であることに加え、成蹊大学経済学部の学生は経済学のほか経営学や社会学にも触れてきているからだと思います。テーマ選びは自由ですが、追究に際しては経済学の手法を用いるよう指導します。人の行動の意図や事実の背景を考えて原因を明らかにするという経済学の考え方を修得することが、ゼミの目的だからです。

問題意識を共有していない人に研究の価値を正しく伝える

グループワークの成果の発表は、欅祭(大学祭)や他大学との合同ゼミで行います。問題意識を共有しているとは限らない人に自分たちの研究の価値を説明するためには、研究内容を深く理解していなければいけません。調査や分析の結果を出すだけでも達成感はありますが、重要なことはそこで満足せず自分たちの成果に向き合うこと。社会で求められるそうした能力を、ゼミの活動を通して身に付けてほしいと考えています。