経済学部紹介
経済学部長 小田 宏信
成蹊大学経済学部は、旧制成蹊高等学校高等科を源流にもつ成蹊大学政治経済学部経済学科からの改組によって、1968(昭和43)年に誕生した学部です。半世紀の間、学術研究の発展にささやかな貢献を蓄積するともに、専門教育、教養教育、実務教育のバランスのとれたカリキュラムによって、社会で活躍する多数の卒業生を送り出してきました。
こうした実績を基礎に、時代の要請に応えて、2020年春、私たちは新しいスタートをきりました。経済理論や数理的手法を駆使して経済学の王道を極める経済数理学科と、経済学の基礎をしっかりと学びながらも学際的・多面的に現代の社会を見つめる現代経済学科の2学科体制で学びの場を提供する新しい経済学部です。そして、私たち学部教員は研究者集団として、これらの2学科を両輪として、政策応用などの社会貢献、社会発信につなげて参ります。
35年ほど前から美徳とされてきたグローバリゼーションが、いまやさまざまな弊害を露呈しはじめています。経済的グローバリゼーションに伴う「痛み」を知ってこそ、真の意味でのグローバル人材と言えるかも知れません。私たちは、経済学や関連諸分野の成果をもとに、グローバル、ナショナル、ローカルという3層の空間スケールで、またトータルな経済の動きと各経済主体の行動の両面から持続可能な経済社会のあり方を模索しています。学生の皆さんには、経済学を学ぶことを通じて、企業人としてのみならず、公共的な職業への従事者として、そして、市民・生活者として、さまざまな立ち位置から今日の経済社会のなかでの自分自身の「生き方」に思いをめぐらせて欲しいと願っています。