経済学部の学び 少人数教育のゼミから 統計データに基づく実証分析の
手法を使いこなす

実証分析の手法に加え、
論理的な表現技術を修得する

大矢 真由 さん

経済経営学科4年(2018年度公開時) |
私立成城学園高等学校 出身

2年次から受講した「情報分析プログラム」と関連したことを学ぼうと考え、このゼミ(演習)を選択しました。井上先生は計量経済学が専門なので、データの収集と分析・解析する力を「情報分析プログラム」とゼミの双方で高めつつ、人に分かりやすく伝える力も身に付けられると考えました。ゼミでは、e-Learningも利用しつつ、様々な課題を通してデータに隠された真実を探るいろいろな方法を修得します。前期には、大規模な貿易データから国と国との経済的な依存関係が年々変化する様子をネットワーク分析を使って可視化したり、企業財務のデータを使って業績が変化する原因について統計分析しました。後期には、東京都内の不動産データを自ら書いたプログラムを使ってネットから自動収集。数千におよぶ膨大なデータから不動産価格に影響を与える要素について検討をしました。数字で表せる駅や商業施設、公共施設への距離、土地や住宅の面積だけでなく、周辺地域の治安や環境など、数字を眺めているだけでは分からない事実が明らかになることが統計分析の面白さです。現在は卒業研究で、福祉政策の効果と経済との相関性の解明に挑んでいます。就職活動においても、業界や企業のデータから冷静に判断し、イメージに流されない会社選びをしたいと考えています。

教員メッセージ

井上 智夫 教授

データに基づく客観的な議論力や専門外の人とも意思疎通できるコミュニケーション力は、あらゆる場面で求められる力です。ビジネスの現場で実際に使われている実証分析の手法と論理的で平易な表現技術を修得することは、経済学の研究のみならず、社会全般で役立ちます。データの読み解き方は一通りではありません。同一のデータでも、視点が変われば異なる事実を物語ります。そこでゼミでは、議論により様々な切り口を提示する中で、最も合理的な視点を見極める力も養います。統計分析は仕事だけでなく、家計の資産管理など応用範囲も広く、分析に利用する専門的な統計解析ソフトもフリーで入手できる時代になりました。社会に出てからも、大学で身に付けた技能を磨き続けてほしいと考えています。

経済学部教授。専門分野は応用経済学、計量経済学。東北大学経済学部卒業後、野村総合研究所、カリフォルニア大学サンディエゴ校大学院修了。PhD.(経済学)。1997年から成蹊大学専任講師となり、2004年から現職。