寄付者の想い・感謝の声

2024年6月

【大学】奨学金受給者の声「多様性を知り、広めるために」

文学部 国際文化学科 3年
Iさん


奨学金名:成蹊大学給付奨学金
給付金額:年額 300,000円

多様性への理解を求めて

私は「人の多様性」について関心があります。
きっかけは、中学生の頃に見たジェンダーに関する映画でした。グローバル化が進めば、多種多様な人と接する機会が増えることになります。その映画を見た私は多様性を理解することの重要性に気づき、ジェンダーについて考えるようになりました。
その過程で「人の多様性」とは人種や宗教、文化的な背景などにまでわたり、広く深いものであることを知りました。

この多様性を理解し、沢山の人に笑顔を届けている場所があります。それは東京ディズニーリゾートです。魅力的なアトラクションが来場者の心をつかんでいますが、それよりも私はウォルト・ディズニーの経営理念に心惹かれました。
「キャストは最大のアトラクション」という理念のもと、東京ディズニーリゾートのキャスト(従業員)は、常にゲスト(お客様)に喜んでもらうにはどうすればよいかを考えながら働いています。
キャスト一人ひとりの無限の可能性が、多様なゲストに合わせたサービスの提供を実現する。この考え方に、私は感動しました。

他者を受入れるには、多様性への深い理解が必要――。
これを体現する東京ディズニーリゾートの近くで、「人の多様性」について学びたい。

そう考えた私は、実家の静岡を離れ、東京の大学へ進学することを決意しました。

現場で学ぶ、東京での生活

しかし、東京の大学への進学にはお金がかかります。私の家庭はそれほど収入が多くなく、国立大学へ進学した場合でも、奨学金を借りる必要がありました。
受験の結果、残念ながら国立大学に合格することはできませんでしたが、東京で学びたいという私の熱意を両親は受け止めてくれて、合格した成蹊大学への進学を勧めてくれました。

入学後、仕送りがほとんどない状態での一人暮らしが始まりましたが、「成蹊大学給付型奨学金」の奨学金のおかげで、経済的な不安からは解放されました。これにより、上京の目的であった「多様性への理解」に全力で取り組むことができました。

1年次には、フィールドワーク論という講義を受け、聴覚障がい者が経営する飲食店へのインタビュー調査を行いました。奨学金を活用して交通費を惜しむことなく調査現場に通うことができ、聴覚障がい者への理解を深めることができました。
2年次にはリゾートエリアにあるホテルでフロントのアルバイトを始めました。お客様一人ひとりに楽しんでもらえるようなサービスが提供できるようにと、試行錯誤しながら仕事に取り組むことができるのでとてもやりがいがあります。また、海外からのゲストと関わることでグローバルな考え方を学べるなど、充実した日々を過ごしています。

奨学金の支えで実現したい未来

このように自分の挑戦したいことに集中できたのは、奨学金の支えがあったからこそです。ご支援してくださる皆様への感謝の気持ちは尽きません。本当にありがとうございます。

3年次の後半になると、就職活動が本格化していきます。
観光・旅行業界に進むことを目指していますが、どこの会社に就職しても、私は「人の多様性」を大切にできる職場環境を作り上げたいと考えています。
大学生活を通して多様性に関する理解を深めてきましたが、この感覚を周囲の人にも伝えることができれば、将来私が所属する部署が、ひいては会社全体がお客様に合わせたサービスを提供できるようになります。
どのようなお客様が来ても喜んでもらえるサービスを提供し、従業員全体がこれを体現できるような、人材育成・組織づくりに携われたらうれしいです。

この夢の実現のため、今後も奨学金を有効活用し、勉学に励んでさらなる成長を目指していきます。

(2024年5月取材)

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