7/17(木)『やってみたいを、やってみた。』トークイベント&お菓子販売を開催
7月17日(木)、11号館トーリウムにて、起業サークル「Seikei Startup Studio」主催によるトークイベントとお菓子販売が開催されました。登壇者は文学部4年の明日香さん。自身で必要な資格を取得し、「ASU.CAFE」としてグルテンフリーのお菓子販売やカフェ経営を実践している学生起業家です。
イベントの冒頭では、「Seikei Startup Studio」の活動紹介があり、その後、明日香さんから、グルテンフリーのお菓子販売やカフェ経営に挑戦したきっかけ、販売経路の確保に苦労した経験、そして挑戦を通じて得られた貴重な学びについて語っていただきました。
イベント終了後と7月22日には、ASU.CAFEによる米粉を使った身体にやさしいお菓子(米粉タルト・アイスボックスクッキー)の販売が行われ、用意された商品はすぐに完売するほどの盛況ぶりでした!
イベント終了後に、明日香さんにお話をうかがいました。
Q)ASU.CAFEとしての活動を始めようと思ったきっかけを教えてください。
明日香さん:元々、お菓子作りが好きだったのですが、コロナ禍で自宅にいる時間が多かった時に、自分で作ったお菓子を友達に配ってみたところ、とても喜んでもらえたのがうれしくて、いつか自分で作ったお菓子を販売したり、カフェをやってみたいと思うようになりました。大学1年生の時には、食品衛生責任者の資格も取得しました。お菓子を作っていく中で、小麦粉や乳製品を使った時に、肌荒れやむくみが出てしまうことがあって、作るのは楽しいし、お菓子もおいしいけど、罪悪感があるな、と悩んでいました。そこで、市販のお菓子にはないような、ヘルシーで、食べてもあまり罪悪感がないようなお菓子を作ってみたいと考え、食材などを研究して、米粉や植物性のオイルを使った身体にやさしいお菓子を作るようになりました。実際に作って食べてみると、予想以上においしくて、これをもっと多くの人に楽しんでもらいたい、と思うようになりました。
Q)今回のイベントのタイトル『やってみたいを、やってみた』に込めた想いはありますか?
明日香さん:はい。何かやってみたいという気持ちはあるけど、実際に行動を起こすのは難しいと感じている人は多いと思います。私自身もそうでしたが、私の場合は、「好き」という気持ちだけで、何とか形にしてこられたのかな、と思っています。ほんの少しの勇気で、できる範囲のことにチャレンジしてみることで、可能性が広がっていった、という私の経験をみんなに伝えたい、と思い、このタイトルにしました。


Q)活動紹介の中で、お菓子販売の他に、カフェ経営も行われたとお話しされていましたが、具体的にはどういう活動をされていたのでしょうか?
明日香さん:これまでにカフェでのアルバイトを経験したこともあり、カフェに興味を持っていました。お菓子販売と合わせて、店舗を1日借りてカフェをオープンする活動を行いました。カフェなので、お菓子だけではなくドリンクやフードメニューも考えて、提供しました。準備は大変だったのですが、来てくれた人たちに自分の作ったお菓子や飲み物を楽しんでもらえたり、しばらく会えていなかった友人が来てくれたりして、自分が提供するお菓子や飲み物を通じて、人と人との「つながり」を感じてもらうことができたのが、とてもうれしかったです。
Q)これまでご自身の「好き」という気持ちで活動をされてきたとのことですが、苦労したことや大変だったことはありますか?
明日香さん:いっぱいありますね(笑)。実績ゼロから活動を始めて、販売させてもらえる場所を探すのはとても大変でした。当然ですが、これまでに実績もない大学生の私に、販売を許可してくれる団体はなかなかなく、心が折れそうになったのですが、諦めずに、見本のお菓子を配りながら、自分の気持ちを伝え続けて、少しずつですが販売実績を増やしていくことができました。また、いざ販売することになった時には、これまで友達にお菓子を配っていた時とは全く違うプレッシャーや不安を感じました。お客様からお金をいただく以上、価格に見合った味や品質を提供する責任が伴います。必要な資格を取得して、気をつけて調理していますが、食中毒などの事故が起きないよう、特に細心の注意を払う必要があります。
Q)これまでの活動の中で、特に印象に残っているエピソードはありますか?
明日香さん:はい、自分のお菓子を食べてくれて、「美味しい」と言ってもらえた時には、本当にうれしいです!不安な気持ちが吹き飛んでこれまでの苦労が報われたと感じる特別な瞬間です。大変なこともあるのですが、こんな瞬間を味わえることが、これまでお菓子販売やカフェを続けてこられたモチベーションになっています。
Q)お菓子販売やカフェ経営の活動を通じて、ご自身で成長や変化を感じられたことはありますか?
明日香さん:お菓子の販売をやってみよう、と思ってからも、実際に販売できる場所は見つかるのか、周りの人に本当に喜んでもらえるか、など不安もありました。しかし、少しずつ経験を積んでいくことで、不安を乗り越えて、もっと多くの人に自分のお菓子を楽しんでもらいたい、という前向きな気持ちが強くなってきたと感じています。自分のお菓子を食べて「おいしい」と言ってもらえた時のうれしい気持ちが、挑戦することへの怖さを乗り越える力になっていると思います。
Q)今回、初めて成蹊大学内で販売されてみて、どのような感想をお持ちでしょうか?
明日香さん:今回、私の活動についてお話しするトークイベントとお菓子販売をさせていただきましたが、こんなに多くの方が、自分の活動に興味を持ってくれて、応援してくれているんだ、と実感することができて本当にうれしかったです。また、イベントに来てくれた学生が、「自分もこういうことをやってみたいです。」と話してくれて、自分と同じように好きなことに挑戦したいと思っている人が成蹊大学にいることを知り、仲間に出会えたような気がしました。また、インスタでも、イベントやお菓子の感想を送ってくれる方もいて、とてもうれしかったです。


Q)好きなことがあって、何かやってみようと思ってはいるものの、なかなか一歩が踏み出せない、という人は多いと思います。そういう人たちにアドバイスはありますか?
明日香さん:何かをやる時に、失敗することを考えてしまい不安になってしまう気持ちはよく分かります。私も、始める前は不安でしたし、活動を始めてからも、数多くの失敗や、何度も断られて悔しい思いを数多く経験しました。でも、うまくいかない経験があったからこそ、まずは周りの人に販売してみよう、というアイデアが生まれて、そこから少しずつ結果を出していくことができました。これまで周りの大人たちから、「失敗は成功のもとだよ」と何度も言われてきましたが、本当だったんだ!と実感しました(笑)。まずは、できる範囲で何かを始めてみると、たとえ期待した結果が出なくても、きっと将来につながるヒントは見つかると思います。
そして、今回の学内販売を通じて強く感じたのは、「つながり」の大切さです。今回、Seikei Startup Studioの学生たちが学内販売の実現に向けていろいろ動いてくれて、職員の方々も広報に協力してくださるなど、成蹊大学の学生・教職員の「つながりの絆」によって実現したと感じています。普段、学内で接している人たちは、何気ない存在に見えるかもしれませんが、大きなきっかけやヒントを与えてくれる「挑戦の原動力」になってくれる可能性もあります。これから何かに挑戦したいと思っている学生の皆さんには、ぜひその「つながり」を大切にして、自分の可能性を広げていってほしいと思います。


成蹊大学では、今後も学生によるプロジェクト活動や起業に向けた取り組みを支援していく予定です。11号館トーリウムなどの大学施設を活用して、学生の「やってみたい」を応援するこの取り組みは、今後も継続していきます。
ぜひ次回もお立ち寄りください!
■注意
成蹊大学では、原則、学生による営利目的の活動は認められておりません。今回は、ラーニングコモンズ利用促進とアントレプレナーシップ教育推進の観点から、特別に認められた活動です。