私の所属するゼミは、司法試験や予備試験の過去問題を実際に解いてみて、自分で調べたり、ゼミ生同士で議論をして、何度も書き直し、自分なりの答案を完成させるゼミです。司法試験合格を目指す人ばかりでなく、文章力、表現力の向上を目標とする人も参加しています。論文は基本的に紙ではなくデータでやりとりしていて、クラウド上で全員が共有。そこへ皆がコメントを入れていく方式です。ずいぶん勉強したと思っていても、後輩に質問されると説明できず、勉強不足を感じることも。参考書や判例に載っていないことを問われることもあるので、それらについて自分の考えを筋道を立てて説明するのは苦労します。文章を書く力はゼミに入って非常に向上しました。人に文章を読んでもらうことによって、どのようなところが伝わっていないかも分かります。文章力は司法試験だけでなく、就職活動にも役に立つので、鍛えておくとよいと思います。
慶應義塾大学大学院博士課程単位取得退学を経て、成蹊大学専任講師に着任、2008年より現職。デジタル化が進む著作物の創作、利用環境の未来を見据えて、著作権法と民法のあるべき姿を求めている。
ゼミの学生たちは、日々知的に深い議論を続けることで絶大な信頼関係を築いており、卒業後も濃い付き合いが続いています。知識の獲得にとどまらず、自分の見解を言語化し、論理を展開して自己の結論を導き、それを人に伝えられる力を身につけましょう。