理工学部の学び

少人数教育の研究室から環境材料化学研究室

物質生命理工学科 4年(2019年度取材時) 堀 文音 さん 私立共立女子高等学校 出身

興味を持ったきっかけ:
地球環境への危機感があり、エコロジカルな触媒技術に可能性を感じた。
研究室の魅力:
未来のエネルギー問題に貢献できる技術の開発・研究が行えるところ。
将来のビジョン:
企業などで環境問題に携わり、持続可能な社会の実現に貢献したい。

実験のトライアル&エラーを
乗り越え
持続可能な社会の実現を目指す

地球温暖化への影響が問題視される化石燃料に代わり、再生可能エネルギーが注目されています。太陽光発電や風力発電などは、地理的要因や天候に左右されやすいため安定供給が難しいという問題があります。このため再生可能エネルギーを海外から大量に輸入しなければなりません。電力を貯蔵する手段として水素を含む化合物が必要で、アンモニアはそのひとつです。私が現在取り組んでいるのは、低温低圧でアンモニアを合成できる触媒の研究です。研究はうまくいかないことも多く、トライアル&エラーの繰り返し。特に研究を始めたばかりの頃は失敗も多く、次にどのような実験をしたら良いのか悩むこともありました。しかし、研究を進めていくと何がいけなかったのかが分かるようになります。実験は少しの誤差が後々の結果に響いてくることも多いので、数をこなすより、じっくり考えてから正確に行うことの大切さを覚えました。

理工学部 里川 重夫 教授 研究分野:無機材料、触媒化学、環境工学

早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了。民間企業の研究員などを経て現職。低炭素社会に向けての再生可能エネルギーを利用した燃料と化学品の合成に関する研究がテーマ。

研究を続ける上で
忘れてはいけない「目的」

まず何のための研究なのかを意識することが大切。目的を理解しなければただの作業になってしまいます。また、研究で行ったことを、専門家だけでなく一般の人に対しても分かるよう、相手に合った言葉を選んで説明できる能力を身につけてほしいと思います。