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【理工学部】「新しい理系」になるための資質が身につく授業を体感しよう【連携プロジェクトⅠ】

2024年03月19日

PICK UP!

理工学部では、企業や地域と連携して実践力を鍛える専攻横断のプロジェクト型授業である「連携プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトでは、社会的要請の高いテーマに焦点を当て、専攻分野にとらわれず異分野からの視点や異分野の学生との交流により、広い視野や柔軟な発想の育成を促進します。

2022年4月に生まれ変わった理工学部。1期生が2年次へと進級し、2022年から掲げている「新しい理系」に求められる「専門性×コラボレーション」、「専門性×融合分野」の2つの資質の養成を色濃く体現した「連携プロジェクト」がスタートしました。

専攻の垣根を越えた、能動的な学び

当授業は専攻の枠にとらわれない学びや実社会との連携に興味のある学生を対象に行われます。学生は専攻の垣根を越え、テーマごとに少人数(3~6名)のチームに分かれて学修を進めます。授業の終盤には連携先(企業や地域)への報告・提案やコンペティションへの出場などが予定されており、学生たちはそこに向けて課題に取り組みます。

組織したチームの中でリーダーシップを発揮し、論理的思考力をもって課題に取り組む。そして実社会で通用する、課題解決に向けた実践力を養う。そのような「新しい理系」となるための要素がちりばめられた授業です。 2年次後期・3年次前期と連続して履修し、同じメンバーで課題に取り組みますが、継続されるテーマもあれば、新たに設定されるテーマも。興味関心に応じて複数のテーマから選択します。

また、それぞれのテーマを教員1名が担当することで、少人数ならではのサポートを受けることができるのも特徴の一つです。

さまざまな社会課題に挑む、バラエティに富んだテーマ

2023年度に実施されたテーマは7つ。

それぞれ2~3専攻の学生が集い、自らが所属する専攻で培ってきた能力を存分に発揮し、チームで協働して授業は進みます。授業の進め方もチームによって異なり、オリジナリティに富んだ内容が展開されていきます。

2023年度テーマと実施内容

リアルタイム生体信号解析技術による身体・脳機能訓練のための実用的システム実装

生体関連分野の最新技術として注目を集めるリアルタイム生体信号処理。2023年度は筋肉の信号をテーマとし、関連企業と連携して医療現場やスポーツ現場での実用的なシステムの構築・提案に取り組んだ。

連携先への成果報告の様子

成蹊学園コミュニティのエネルギーマネージメント

環境問題への取り組みとして、成蹊学園でも実施されている省電力化。「人の流れ」、「気温」などの人為的、非人為的な要因を考慮した上で学園の消費電力量を可視化し、エネルギーマネジメントの課題解決を目指した。

成蹊大学内での課題の機械学習による解析 学生食堂利用の改善

何故、学生食堂は混み合うのか。在学生にアンケートを実施し、定量化。機械学習によるデータ解析で課題を明らかにし、学生食堂の効果的な利用に必要な因子を解析した。

カーボンニュートラル実現に向けた再生可能エネルギーの高効率活用のためのソリューション提案

昨今話題の再生可能エネルギー。そもそも再生可能エネルギーとは何か。日本に適したものは何か。企業と連携し、将来に向けたエネルギーマネジメントシステムの予測・提案を実施した。

連携先への中間報告の様子
連携先への最終報告の様子

LCAによる環境対策の定量的評価

廃棄物の処理や有害物質の除去は環境対策になりうるのか。環境対策技術の評価方法であるLCAについて学び、発電などのCO2排出量を例にLCAを実践した。

AIプログラミングとその応用

AIについて知り、AIの性能を向上させる。古典のくずし字を現代語に翻刻するAIモデルを作成した。最終的に「ワールドAIコンペティションYAMAGUCHI」にて総勢506組の参加者のうち、13位という結果を残した。

武蔵野福祉作業所における現場作業改善

「箱折り作業」の作業効率を向上させ、障がい者の雇用機会拡大への貢献を目指した。作業工程を分割し、効率を悪化させている要因を突き止め、改善に向けて治具と呼ばれる加工をサポートする補助工具を製作した。

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各チームの学生が所属する専攻

データ数理コンピュータ科学機械システム電気電子応用化学
テーマ1 - - 2 1 3
テーマ2 - 2 - 1 -
テーマ3 - 2 1 2 -
テーマ4 - - - 1 5
テーマ5 - - - 1 3
テーマ6 2 3 - - 1
テーマ7 - 2 1 - 1

「連携プロジェクトⅠ」を終えて

授業の最終回では、各チームが一堂に会しそれぞれの成果報告を行います。各チームが課題と考えるポイントに対し、どのようにアプローチしていったのか。そして、どのような結果が得られたのか。他のチームの成果報告からも新しい気づきが生まれたようでした。

連携プロジェクトⅠを終えて、学生たちからは「普段とは異なる分野を学ぶことができ、興味深い授業だった」、「得意分野が異なる学生同士で協力し合うことにより分析の精度が向上した」、「行き詰まりを感じたこともあったが、教員のアドバイスにより前に進むことができた」などの声も聞かれました。専攻の垣根を越えた学生同士の協働や普段と異なる学びの醍醐味を感じ、少人数教育のメリットも実感したようでした。

教員からも「普段教えている専攻の学生には当たり前のことも、他専攻の学生にとっては新鮮だったようだ」、「興味関心を持つ分野が大きく異なり、教員としても新たな気づきがあった」などの声が聞かれました。

連携プロジェクトは2年次後期と3年次前期に連続して実施される授業です。次年度、学生たちは連携プロジェクトⅡを履修します。連携プロジェクトⅠの経験を活かし、さらに自分の能力を伸ばしたうえで、3年次後期に予定される研究室配属へと進んでいくことが期待されます。

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