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経済学部「実践ゼミナールA」の授業でNPO法人Betoajiよりゲスト講師をお招きしました

2024年03月15日

教育・研究

2023年12月4日と12日に、経済学部の課題解決型授業「実践ゼミナールA」(担当:内藤朋枝講師)にて、NPO法人Betoaji(ベトアジ)よりゲスト講師をお招きし、同法人が行っている『ベトナム食文化の発信』と『現地への教育支援』についてお話いただきました。

以下、担当の内藤講師からの実施報告です。

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去る12月4日ならびに12日、成蹊大学サステナビリティ研究の一環として、経済学部現代経済学科講師、内藤朋枝が担当する「実践ゼミナールA」にて、日本在住のベトナム人、ファム・ティー・ゴック・ジェップ氏、グエン・キム・ガン氏をお迎えし、ベトナムの社会、文化そして、日越友好のための活動を行うNPO法人Betoajiの取り組みについてお話を伺った。なお、この取り組みは内藤が担当する「上級ゼミナール」の学生のサポートを得て実現したものである。


ジェップ氏は、高校卒業後、日本に来ることを目的に日本語をベトナムと日本で学び、日本の大学を卒業して現在は日本の企業で商品開発に携わっている。氏からは、日本での生活や、日本人と同じ就職活動をした経験だけでなく、日本国内で転職活動をした経験など貴重なお話を頂いた。学生も、日本で好きな文化や、日本語の習得のコツ、そして転職活動の様子などについて活発な議論を行うことができた。また、キム氏はベトナムで金融アナリストの職に就いた後来日、日本で博士号を取得した経歴の持ち主である。東北大学の助教という立場からベトナムの人口動態や経済成長、産業、日本からのFDIについて講義を頂いた。
学生からは、日本と比較して人口密度が低いと考えられるにも関わらず、なぜ酷い交通渋滞が起こっているのかなど、積極的な質問もみられた。


ジェップ氏

キム氏(近影。当日はオンラインで参加)

両氏はともにBetoaji(ベトアジ)というNPO法人にて活動しており、この取り組みについてのお話もあった。Betoajiは、日本でベトナム料理教室を開催することを通じ、ベトナムの食文化を伝えることで、日越友好の懸け橋となっている。ただ活動はそれだけにはとどまらない。Betoajiで得られた収益金は、ベトナムの10の町村の恵まれない子供たちの教育支援に使われている。2019年現在40名程の子どもが支援をうけており、中には大学まで継続して奨学金を得ている子どもが現在までに22名いる。これらの子ども達はこの奨学金で学業を修了し、経理、薬剤師、農林業界で諮問を行うなど、多岐にわたって活躍をしている。コロナ禍の間は、Betoajiの資金を用いて継続的な支援をおこなうことができたが、更なる継続的な支援のため、コロナ禍において、「ベトナムの味」という書籍の出版も行ったことなど、ベトナムにおける継続的な学業支援の現状についての話も伺う事ができた。


今回お話を伺った学生の多くは、ベトナムにあまり縁がないと回答していたが、両氏から直接お話を伺う事で、ベトナムの文化や社会状況だけでなく、継続的な学業支援の重要性について関心を持つことができた。

学習支援について(スライドより)