学科・大学院
岡本 秀輔
役に立つ次世代コンピュータシステムを
考えよう
コンピュータは、筆記具としての用途のものから地球の動きを推測するものまで多種多様にあり、私達の生活を快適にそして豊かにしてきました。スマートフォン、ウェブ、クラウドそしてIoTの組み合わせは、AI技術と連携して新たなシステムを生み出しています。それらシステムをより良いものとするには、コンピュータのハードウエアとソフトウエアの双方の特徴をよく知った上で、改良していかなければなりません。またどのような技術が生まれ、どのような技術が残っていくのかについても常に気にしていなくてはなりません。それらの点を踏まえて、本研究室では、システムソフトウエアの視点で役に立つ次世代コンピュータシステムのあり方を探っています。
甲斐 宗徳
人もコンピュータもマルチ志向
時代の流れとともに最新の性能を備えて登場するコンピュータ。その中枢部であるプロセッサコア単体の処理能力は物理的限界近くまで引き上げられていると言われています。その一方で、人間社会ではコンピュータシステムを用いて解決したい様々な問題がさらに大規模化・複雑化していくのです。次々と生じるこれらの要求に対して高性能処理を実現するには、並列・分散処理技術が欠かせません。この技術では、プロセッサ内マルチコアやネットワークで結ばれた複数のコンピュータを利用しますが、それらを協調的に動かすには適切なソフトウェアが必要になります。チームスポーツで優勝するためには各選手の特性を把握してうまく采配する監督が必要になるのと似ています。この研究室では高速性・高信頼性を実現し、処理に適したリソースを戦略的に利用することにより、高い対費用効果と低消費エネルギー化を実現するソフトウェア技術の研究を行っています。
鎌村 星平
ネットワークのデジタルツイン化を目指して
小池 淳
画像による豊かで
うるおいのある社会実現を目指して
知識基盤社会は、 "情報・知識"が"もの"に代って社会のあらゆる活動の基盤となる社会です。現在、超高速ネットやスマートフォンなどの急速な普及に伴ってビジュアル系コンテンツメディアが大量に社会に溢れています。イメージメディア研究室では、人々が豊かで潤いのある安全かつ安心して生活できる持続可能な社会実現をこれらのメディアデータ処理の観点から取り組んでいます。具体的には、以下の視点から研究活動を進めております。(1)ビジョン:ニューラルネットを利用したクラス分類や画像特徴量ベースの解析、(2)臨場感映像処理:CAVE(3次元立体映像システム)やHMDなどを用いたAR・VR、(3)任意視点・高精細映像の処理・伝送:ライトフィールドカメラ画像の信号処理、4k・8k映像処理、(4)基礎的なディジタル信号解析:Wavelet変換を用いた時空間信号処理、微分幾何学など数学ベースの信号解析
酒井 浩之
膨大なテキストデータからの
情報抽出技術の開発
インターネットの発展により、膨大なテキストデータにアクセスし、収集できるようになりました。しかし、データだけでは有効に活用することはできず、膨大なデータから有用な情報を抽出する技術が注目されています。本研究室では、Web上に溢れている大量のテキストデータを活用するための技術として、自然言語処理をもとに、テキストマイニング、Webマイニング、テキスト自動要約、情報検索などの研究に取り組んでいます。特に、決算短信や有価証券報告書といった金融テキスト、企業Webページや大学Webページ等のWebページを対象としたテキストマイニングの研究、開発を行っており、開発した技術を応用して、決算短信検索システムや企業検索システム、研究室検索システムといった検索システムを、研究室Webサイト( http://www.ci.seikei.ac.jp/sakai/ )にて公開しています。
杉山 賢二
高品質映像システムの研究開発
YouTubeやインスタグラムなどを挙げるまでもなく、だれもが気軽に撮影を行うようになりました。また、ネットでもテレビでも、溢れるほど多くの映像が提供されています。これらを実現するための映像情報技術は、まさに現代の社会基盤と言えるでしょう。当研究室では、このような映像情報をより進化発展させるため、カメラ、伝送・記録、ディスプレイ、コンピュータグラフィックスなど、広範囲な技術分野を対象として研究を行っています。そこでは、臨場感や主観画質など人間中心の映像情報の在り方を考えながら、信号処理、情報理論、視覚心理を基礎としたコンピュータによる画像処理実験を行い、新しい映像情報処理アーキテクチャを探求しています。
世木 寛之
人にわかりやすい
情報提示の実現を目指して
近年、メールやラインなどの言語情報によるコミュニケーションが盛んですが、音声は、言語情報だけでなく感情などの非言語情報を包含していたり、短時間で多くの情報を伝えられたりといった大きな利点があります。
本研究室では、音声のこのような性質を利用し、人にわかりやすい情報提示や使いやすい情報受容を実現することを目的として、音声合成(文字を音声に変換する技術)や、音声認識(音声を文字に変換する技術)などの音声処理技術の研究に取り組んでいます。また、音楽情報処理やパターン認識の研究も進めています。
千代 英一郎
プログラムの科学的理論を学ぼう
コンピュータの誕生から半世紀が過ぎた現在、交通・金融・医療など社会のいたるところでコンピュータによる情報処理がなされ、我々の日々の生活を支えています。近年ではコンピュータの性能向上やインターネットの普及に伴い、処理対象であるデータの規模が急速に増大しつつあり、スケーラビリティの高いデータ処理技術が必要とされています。また処理内容もこれまでのような定型的な作業にとどまらず、画像・音声・文書など非定型なデータから必要な情報を抽出・分析するような、より知的に高度な処理が求められています。一方、近年多発している個人情報の流出事件等にみられるように、情報システムに問題が生じたときの負の影響は深刻であり、システムの信頼性も効率と並び重要な課題です。本研究室では、コンピュータによる情報処理の効率化・高信頼化に寄与することを目指し、データの分析・変換・生成等各種情報処理技術の研究に取り組んでいます。
中野 有紀子
人とコンピュータとの
自然なコミュニケーションを目指して
対面コミュニケーションでは、言葉だけでなく、音声の韻律、表情、視線、ジェスチャ等の非言語情報が会話参加者間で互いにやり取りされます。意味を伝えるのは主に言語情報ですが、非言語情報はそれを円滑、かつ正確に伝える重要な役割を持ちます。このような、会話中の言語・非言語情報を解釈する人間の社会的知性の計算モデルを構築し、それを実現する人工知能の研究を行っています。これまでに、会話中の行動データを計測し、それを機械学習に適用することにより、会話への参加態度や会話スキル、重要発言を推定する技術を開発しました。さらに、これらの社会的知性の計算モデルを搭載し、言語と非言語情報を解釈・表出しながら人と会話ができるロボットやアニメーションエージェントの開発にも取り組んでいます。これらの技術開発を通して、人に寄り添い、人の手助けとなる人工知能を実現したいと考えています。