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理工学部
応用錯体化学研究室

垣添 大地さん

神奈川県立平塚江南高等学校出身
物質生命理工学科4年(2016年1月取材時)

未知の研究に取り組める環境が高いモチベーションに

高校生の時に、坪村先生の研究室紹介を見たことが、成蹊大学に入学したきっかけでした。念願が叶って坪村先生の元で金属に有機物を繋げて紫外線を当てると光る物質の研究をしています。具体的に言うと、パラジウムを使った化合物が光るメカニズムを調べることです。パラジウムは水素化触媒や有機合成に強い金属であるため、そちらに主眼が置かれた研究が多いのですが、光る現象を利用してテレビやスマートフォン、太陽電池などに使うこともできるのではないかと考えています。

問題はパラジウムを使うと化合物が不安定になりやすく、純度が高いものがなかなか作れないことです。また他の金属と比べて光らせるためのエネルギー効率が低く、同様の研究に使われているイリジウムにとても及びません。ただパラジウムは他の金属に比べコストが安く将来性があると考えているので、卒業後は大学院に進学し、さらに研究を進めて行ければと思っています。

この研究の良いところは、まだたくさん解明や発見もされていないことが多くあることです。例えば、今の研究がうまく実を結ばなくても、別の分野で転用される可能性があります。こうした環境で研究に取り組めることが楽しく、高いモチベーションにつながっています。

応用錯体化学研究室

植物の光合成や血液中の酸素運搬など金属元素が中心的な動きをしている化合物(錯体)は自然界に数多く存在します。研究室ではこの錯体を人工的に合成して、発光素子としての機能や光化学反応、触媒への応用などを研究しています。

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