理工学へ、ススメ。

理工学部
環境材料化学研究室

田中 佑佳さん

私立桐朋女子高等学校出身
物質生命理工学科4年(2016年1月取材時)

自主的に取り組んだことで実感した学ぶ価値

子供の頃から理科が好きでしたが、生物も物理も化学も好きで、どの学科にするか決められませんでした。成蹊大学を選んだのは入学後に専攻が選択できることと、文系理系が一つのキャンパスにあるため幅広い交友ができると考えたからです。

研究対象として最初に興味を持ったのは多孔性物質で、表面に開いた無数の穴に他成分を入れられることでした。その一つであるゼオライトの応用ということで、現在の研究に至っています。具体的に言うと、ジメチルエーテル(DME)から水素を製造する触媒の研究です。近年、水素エネルギーが注目されていますが、水素は貯蔵や運搬に不向きです。そのためアンモニアを筆頭に様々な水素キャリアの研究が行われており、DMEもそのひとつです。まだ実現の可能性は低いとされていますが、液化天然ガス(LPG)に性質が似ているため実際の設備を転用できるといった利点もあります。自分の研究自体は好きですし、次世代のエネルギー輸送手段として役立ってくれることを願っています。

研究室に入るまでどこか受け身の勉強でしたが、研究を始めてから自主的に勉強することの意味が分かりました。これまで続けてきた弓道にどこか似ている気がします。的に向かって弓を引くのと同じように、実験も目標に向けて反復するしかありません。そして自分なりに正解が見えてきた時の達成感も通じるものがあります。卒業後は大学院に進学します。プレゼンテーションを通して自分の意見を伝える能力を磨いていきたいと思います。

環境材料化学研究室

環境汚染、地球温暖化、資源枯渇など、ますます厳しくなる地球環境。問題解決の手段として、環境浄化・エネルギー変換機能をもつ触媒技術に注目し、研究しています。新たな触媒の開発により、資源エネルギーの利用削減や環境汚染物質の排出削減を目指しています。

この研究室の教員の講義はこちら