理工学へ、ススメ。

理工学部
電力・エネルギー研究室

奥 亮太さん

私立春日部共栄高等学校出身
システムデザイン学科4年
(2017年1月取材時)

超伝導の研究を、医療の進歩につなげたい

どんなことを専門的に学ぶか迷っていたため、複数の分野を学べる成蹊大学を選びました。電力・エネルギー研究室を選んだのは、研究室紹介の際に携わる機会の少ない超伝導のモデルに直接ふれて興味が湧いたことがきっかけでした。当初は、超伝導に関しては「冷却することで大量の電流を送電できる」程度の知識しかありませんでしたが、もともと最新技術を使った製品は好きだったため、研究を進めるごとに興味が膨らんできました。

研究は自らのアイディアを基にサンプルを作り、得られた材料の検証をするという流れで進めています。超伝導材料を作るには、液体にした材料を数時間ごとに垂らし、ミルフィーユ状の層にしていきます。当然、時間はかかりますし、ほこりや水分が入ると失敗になるため慎重な作業が求められるのですが、細かい作業が好きな自分にとって楽しい工程でした。反面、材料ができた原因を探る検証はとてもストイックで苦労もありました。研究室での活動を通して自主的に学ぶ姿勢やグループで問題を解決する術を学べたことは、社会に出てから役立つと考えています。

超伝導材料はリニアモーターカーなどの工業製品だけでなく、がんの診断に使われるMRIなどの医療分野にも積極的に使われ始めています。電力・エネルギー研究室で開発している液体窒素温度下で使用可能な高温超伝導線材を有効活用すればMRIの解像度をより高められ、装置のランニングコストも下げられる可能性があります。この研究が医療の進歩に役立てばうれしいです。

電力・エネルギー研究室

高度医療や低炭素社会に役立つ機器応用を目的に「電気抵抗ゼロ」の特徴を持つ"超伝導"を使いナノテクノロジーを駆使した材料及び機器開発に取り組んでいます。

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