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「江津市土産」で新しい人の流れを!―経営学部プロジェクト・マネジメント授業レポート

2024年02月01日

PICK UP!

経営学部プロジェクト・マネジメント授業(担当教員:山﨑紅客員教授)では、少人数制のアクティブ・ラーニング形式で毎期さまざまなプロジェクトに取り組み、自由な発想でテーマを決めプロジェクト活動を実践することで、チームで課題解決に取り組むためのプロジェクトマネジメントを学んでいます。

2023年度後期は、島根県江津(ごうつ)市、株式会社テレビ東京をはじめとする皆様のご協力により、「島根県江津市活性化プロジェクト」を実行。
学生たちは、「日本の地方都市の課題」と「地方創生の活動」について学んだ後、「新しい人の流れをつくる」ことにより、江津市を活性化させることを目指し活動を進めました。

魅力的な「江津市土産」の提案を

第2回の授業において江津市から課されたミッションは、「江津市土産」を企画提案すること。若い世代の人たちに興味を持ってもらう、継続的にかかわってもらう、行ってみたいと思わせる。そんな江津市の関係人口を増やすために効果的なお土産を提案するために、学生たちの取り組みはスタートしました。

まずは「地方創生」について学んでいく

具体的な「江津市土産」を考案する前に、当授業のテーマである「地方創生」について学ぶことから授業はスタートします。当授業は「講義」ではなく「アクティブ・ラーニング形式」。学生同士が積極的ににディスカッションしていくことで、「地方創生」についての理解を深め、当プロジェクトの目指すべき方向性はどこなのかを確認していきます。 その後、学生たちはチームに分かれ、どうすれば人の流れを生むことができるのか、魅力的なお土産とは何なのか。まずは3週間後の中間報告を目指して活動を進めます。

中間報告会

11月には中間報告会が開催されました。江津市、株式会社テレビ東京の皆様の前で、学生たちは堂々とした中間報告を行いました。江津市、株式会社テレビ東京の皆様から中間報告に対するフィードバックを受けるとともに、同時に江津市における様々な地域活性化の取り組みについて改めて紹介いただきました。学生たちからは「関係人口創出にあたり、課題と考えていることは何ですか?」、「若年層に一番人気の江津市土産は何ですか?」などの質問もあがり、最終報告会へ向け、モチベーションが向上した様子でした。
残すところあと1か月強と迫った最終報告会。学生たちは中間報告での経験を糧に、「江津市土産」のブラッシュアップを進めます。

最終報告会

最終報告会では、中村 中(なかむら あたる)江津市長をはじめとする関係の皆様をお招きし、各チームが考えた「江津市土産」のプレゼンが行わました。何を、いくらで、どのように販売していくのか。江津市のPRはもちろんのこと、どの程度の収支となるのか、事業の継続性についても言及がありました。

これが学生の考えた江津市土産!

ガチャガチャ

特産品である石見焼や伝統芸能である石見神楽のミニチュア、江津市ガイドブック、江津市宿泊ペアチケットなどを景品としたガチャガチャを提案。市場規模や導入の安さなども念頭に置き、景品を江津市に関連したものとすることで関係人口の増加を狙った施策。

実物大の瓦型せんべい&ハンマー

名産であるにもかかわらず今まで存在しなかった「石州瓦」のお土産。「消えもの」のお土産が人気であるとの調査結果からお菓子のお土産とし、どこよりも硬い瓦せんべいを提案。また、関係人口増加にはその地域に行ったことがある等の体験が必要と仮定、瓦割体験のイベントを実施することも計画。

石見麦酒とお菓子のコラボ

地元の醸造所である株式会社石見麦酒のクラフトビールと、若い世代に人気が高い市販のお菓子とのコラボレーション企画を提案。若い世代に受け入れらるお土産にはSNS映え、視覚的な満足感が必要であるとの仮説からお洒落なパッケージと美味しさを兼ね備える石見麦酒をチョイス。実際にコラボを想定したお菓子の製造元にも実現可能性をヒアリングした。

結果発表

そして迎えた最優秀賞の発表のとき...。江津市の皆様から最優秀提案に選ばれたのは「石見麦酒とお菓子のコラボ」でした。SNSを活用したPR手法やお菓子の製造元に実際に実現可能性をヒアリングするという積極的な行動が評価されました。
また、その他の提案も甲乙がつけ難く、魅力的な提案であったとのお言葉もいただけました。

最優秀賞を受賞したチーム「学校へ行こう」の面々

江津市の皆様から最優秀賞チームに株式会社石見麦酒のクラフトビールが贈呈された(※)

山﨑紅客員教授からは、プロジェクトマネジメントの視点から、モニタリング&コントロール(進捗管理を徹底して、早期に問題を発見して軌道修正すること)、チーム内コミュニケーションなどの面から、改善点についてフィードバックがありました。

半年間かけて行われたプロジェクトマネジメント授業。学生たちは地方創生の在り方を学ぶとともに、プロジェクトを推進する難しさを感じたようでした。
ご協力いただいた皆様からのフィードバックでは、人件費、生産能力の限界、販路など、ビジネス視点での課題も提示され、学生たちの新たな気づきにつながったことでしょう。

「東京から一番遠いまち」といわれる島根県江津市。成蹊大学の学びのフィールドは、吉祥寺のみならず全国に広がっています。


※ 本授業は経営学部3年次以上に配当される授業です。履修した学生は20歳以上となります。


【関連情報】『田村淳のTaMaRiBa』テレビ東京で毎週日曜26:05から放送中