学科・大学院
青柳 里果
生体分子の分布や構造変化を
明らかにする
化学イメージングを用いて、細胞から電子デバイスまで分子分布を明らかにすることを目指しています。電子顕微鏡や原子間力顕微鏡などのすぐれた測定手法によってナノレベルの観察も可能となりましたが、そこにいるのが何の分子かを明らかにするのはまだ容易ではありません。ナノレベルからサブミクロンまで3次元で分子分布をイメージングできる化学イメージング手法の中でも、非常に高感度かつ豊かな化学情報が得られる二次イオン質量分析を活用します。
生体組織、高分子材料から電子デバイスまで、様々な試料における各分子の3次元分布を明らかにしたり、代謝過程および劣化や修飾による化学構造変化を評価する研究を進めています。さらに大容量かつ複雑なデータを読み解くために多変量解析から機械学習まで用います。
近 匡
物質・生命・人間・社会。
背後にひそむ数理を探る
2012年のヒッグス粒子の発見や2016年の重力波の検出によって、「ものは何からできているのか?」「宇宙はどのように始まったのか?」という謎の解明が大きく進んできました。しかし例えば、銀河系の無数の星々を繋いでいる暗黒物質の正体は解明されていません。当研究室では、超対称性理論というモデルを考え、これが予言する暗黒物質も含む未知の粒子(超対称性粒子)が、日本での建設が検討されている加速器ILCで発見可能かどうかを、共同研究で開発している自動計算プログラムGRACEを使って探っています。また「べき乗則」のような、物理のみならず生物、地学さらに経済学や社会学の対象に見出される、複雑な系特有の規則性についての理解も目指しています。さらに、より適切な経路やスケジュールを、様々な制約を考慮しながら発見する、最適化問題へも取り組んでいます。
中野 武雄 教授
原子・分子を思い通りに積み重ねて
最先端材料を生み出す
門内 隆明
非平衡統計力学を構築し
ナノサイエンスを切り拓く
平衡統計力学はアボガドロ数個の原子・分子からなるマクロ系に対して定量的な解析が可能な唯一無二の理論です。一方、ナノサイエンスで扱うような微小な対象および輸送現象は従来成立範囲外とされてきました。これらを扱える理論の構築は急務です。本研究室では、非平衡統計力学を構築するための実践の場としてナノ系や冷却原子系を位置づけて、操作的な観点からのアプローチを行っています。