学科・大学院
一口に英語の辞書といっても、目的や用途に応じてさまざまなものがあります。そうした辞書をすべて個人で所有する必要はもちろんありません。その大半は大学図書館や文学部第二共同研究室に揃えてあるので、ゼミでの発表や卒業論文を書く際などに積極的に活用してください。
一方、講義の予習復習など日常の学習のためにいちいち図書館や共同研究室に足を運ぶのは面倒だ、ということもあるかもしれません。そのためにも、これだけは手元に揃えてほしい(また、授業の際にも持参してほしい)のは以下の三冊です。これらは冊子以外にもスマホのアプリ(iOSやアンドロイド)や電子辞書でも入手が可能なので、自分に合った形態のものを選ぶことができます。
以下、簡単にその特徴を説明しましょう。
中辞典サイズながら見出し語27万語という大辞典なみの語数を誇ります。また、訳語も吟味されており、新語や口語にも強いのが特徴です。とくに現代の文学作品を読むときに重宝します。なお、この辞典には補遺版というべき『リーダーズ・プラス』があり、新語や口語、熟語などがさらに収録されています。
英語を外国語として学ぶ人のために作られた学習用英英辞典の代表というべきものが、この『ロングマン現代英英辞典』Longman Dictionary of Contemporary English(略称LDOCE)と、次に紹介する『オックスフォード現代英英辞典』Oxford Advanced Learner's Dictionary(略称OALD)です。英和辞典を使っているだけでは、単語や熟語の語感(どんな「意味」の言葉か、ということだけでなく、どんな「感じ」「ニュアンス」を持った言葉か、ということ)がなかなかわからないことが多いですが、学習用英英辞典を使うとそれがよくわかります。とくにLDOCEは、例文が充実しており、言葉の意味を文脈から把握することが可能です。ただし、語義の説明が丁寧なかわりに長いので、初学者には難しいと感じることがあるかもしれません。より平明な説明をしているOALDと併用することを薦めます。
(『オックスフォード現代英英辞典』オックスフォード大学出版局)
LDOCEよりも多くの語が収録されており、やや旧式の表現まで載っています。ただし、例文よりも例句が多く、使われている文脈を手がかりに語感を類推することが難しいことがあります。LDOCEとの併用を薦めます。