文学部の学び 少人数教育のゼミから シェイクスピア作品を読む

作品を堪能し、調べ、演じ
400年前のイギリス文学を多角的に考察する

西川 未沙稀 さん

英米文学科 2018年3月卒業 |
群馬県立館林女子高等学校 出身

1年次の「Freshers' English」の授業で、正岡先生が紹介したシェイクスピア作品の言葉の力強さに惹かれ、シェイクスピア作品を扱うゼミ(演習)でさらに掘り下げようと考えました。ゼミでは3年次に『リア王』、4年次には『ハムレット』を読み解きました。シェイクスピアの作品は、舞台での上演を前提とする台本として書かれているため、英文を読み込むだけでなく、台詞として覚え、演じてみることで作品の意味を解釈します。ただひとつの単語の独白であっても、物語の流れや場面、台詞を語る登場人物の設定を考え、ひと言に託された意味を探ります。さらに400年以上前のイギリスの社会情勢や作品が演じられた劇場の構造までも考えに入れて台詞を語り、作品に対する理解を深めました。私は『リア王』の序盤、王である父に無償の愛を伝える末娘と、娘の真意を理解できない父が“Nothing”のひと言を重ねる場面に魅了され、わずかな言葉で交わされる緊張感あふれる会話と、父と娘それぞれの心情の流れや信念について考察し、卒業論文としてまとめました。詩人でもあるシェイクスピアが書いた、いくつもの解釈が可能な台詞と向き合ったことで、自分の言葉に対する意識だけでなく、人の言葉から真意を汲み取る想像力も高まりました。

教員メッセージ

正岡 和恵 教授

シェイクスピアの作品は、400年を経た現代も世界中で上演され、映画やミュージカルなど多様なメディアに翻案され、人々を魅了しています。時代を超えた広がりを持つ作品を解釈するため、単に作品を読むだけでなく、シェイクスピアの世界を体感的に把握することを目指しています。特に重視しているのは、ロンドンのグローブ座という装飾や仕掛けのない舞台上で演じられた作品の原点です。動作と台詞だけで場面や心情を表現することに学生も挑戦します。パフォーマンスを伴う作品解釈はシェイクスピア教授法の主流をなし、台詞の意味を深く理解することに役立つとともに、劇世界や人物像を立体化して多角的な考察を促します。また、文学は言葉による表現ですから、ゼミでは論文指導や対話を通して学生自身の言葉の力と感性を磨く指導もしています。

文学部教授。東京大学大学院人文科学研究科単位取得退学。名古屋大学言語文化部助教授を経て、現職。専門はイギリス・ルネサンス演劇。