文学部の学び 少人数教育のゼミから アジア・アフリカの歴史と文化

高校までに学んだ西洋中心史観を相対化し、
世界を公平中立に見る視点を養う

金子 愛美 さん

国際文化学科 2018年3月卒業 |
私立淑徳巣鴨高等学校 出身

日本からアフリカ大陸に至る広範な地域の歴史と文化が、ゼミ(演習)のテーマです。対象地域が広いことに加え、文化を多角的に捉えているため、例えば日本で活躍する東南アジア出身者のコミュニティなども研究対象に選べます。私は、欧米で盛んなスポーツのひとつであるラクロスが、日本というアジアの一国で浸透していない現状を、この国の文化をはじめとした様々な側面から考察し、普及を図る施策について研究しました。ラクロス部に所属してその魅力を知り、競技団体の広報を務める私にとってこのことは素朴な疑問であり、かつ切実な問題です。まず着目したのは、女子サッカーやラグビーのブームについてでしたが、スポーツブームに関する先行研究が見つかりません。早々に突き当たった壁を打破するきっかけはゼミでの議論でした。「スイーツやゆるキャラもブームになった」という言葉を手掛かりに、サブカルチャーや食の分野で起きた他のブームを参考にして、人気が過熱するきっかけや世の中に広まる過程をモデル化し、ラクロスに応用できる施策を考案。スポーツという分野に留まらない多角的な視点を持って魅力の本質を追究しました。その結果、ラクロスが好きという個人的な感情に流されることなく、根拠を持ってこの競技にブームという社会現象を起こすための論考を組み立てられたと実感しています。

教員メッセージ

佐々木 紳 准教授

ゼミで取り組む個人研究のテーマは、民話の国際的比較、和食の海外展開、領土問題と国境学など多彩です。研究アプローチや論拠とする資料も異なりますが、それぞれの研究を学生同士が互いに説明した上で、議論することを大切にしています。私が求めるのは、発表の内容を毎回レポートにまとめること。文章化することにより情報を総合的に整理し、さらに研究上で次に取り掛かるべきことを明確にするためです。レポートは発表後に書くため、そこには議論で得た他者の考えも含まれ、一人では思い付かない発想や多角的な視点が加わります。大教室の授業よりもきめ細かく指導でき、1対1のように教員の影響力だけが強くなることもない少人数のゼミは、学生の自主性を育てる教育に適した環境だと思います。

文学部准教授。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。2016年より現職。専門は中東地域史、トルコ近現代史、オスマン帝国史。著書・訳書に『オスマン憲政への道』『テュルクの歴史 — 古代から近現代まで』など。