文学部の学び

少人数教育のゼミから『陰陽師』をテーマに中世文学を読む

日本文学科 4年(2019年度取材時) 祖式 萌衣 さん 静岡県立浜松南高等学校 出身

興味を持ったきっかけ:
古典を学ぶことは「謎解き」の感覚があって面白いと思った。
ゼミの魅力:
欅祭(大学祭)での研究展示など活発に活動しているので、学生生活が充実する。
将来のビジョン:
社会人になっても好奇心を忘れずに、ゼミで高めた発信力を生かしたい。

何百年も昔の人々と感情を
共有できるのが古典の魅力

ゼミの今年のテーマは「安倍晴明」。中世の説話から晴明の登場する話を1話ずつ担当して発表し、考察していきます。私は晴明の子孫の安倍泰親を卒業論文のテーマにしました。『平家物語』には陰陽師が多く登場しますが、最も登場場面が多いのが泰親。泰親が物語に果たす役割などを諸本から研究しています。欅祭(大学祭)の展示では、一般の方にも古典を身近に感じてもらえるよう、『平家物語』の世界をRPG風にしたゲームをつくりました。また晴明ゆかりの江戸時代の和歌占いを楽しめるWebサイト「開運☆せいめい歌占」は、ゼミ生が開運アドバイスを書いています。これらの活動を通して、「誰が読んでも分かりやすい」文章作成のスキルが身につきました。古典の醍醐味は、何百年も昔の人々が読んでいたものと同じ作品を読み、そこで抱く感情も同じかもしれないと思うところにあります。この楽しさをもっと多くの人に伝えたいです。

文学部 平野 多恵 教授 研究分野:日本中世文学

東京大学人文社会系大学院博士課程修了。神仏と僧侶の文学、おみくじの文化史の研究のほか、古典文学を体験的に学ぶ授業を実践する。安倍晴明ゆかりの和歌占いのWebコンテンツを学生と共に運営。

古典を学びながら
社会に必要な力をつける

日本の古典文学を専門的に学びながら、コミュニケーション能力、考える力、表現する力など、社会を生き抜くために必要なスキルも同時に育てていきます。自分たちで考え、新しいものをつくってアウトプットしていくことが自信につながります。