文学部の学び

少人数教育のゼミから社会階層・ネットワーク・社会的自由の社会学

現代社会学科 3年(2019年度取材時) 白川 梨乃 さん 私立仙台白百合学園高等学校 出身

興味を持ったきっかけ:
1・2年次の内藤先生の講義で収入格差などの問題に触れたこと。
ゼミの魅力:
テーマの自由度が高いので、日本独自の文化をもっと知りたいと思わせてくれる。
将来のビジョン:
好きな音楽関係か、地域や子どもに関係する仕事に就きたい。

子どもと家族の問題を
社会的要因を背景に考察する

私が今ゼミで研究テーマにしているのは児童虐待の問題です。2年次のゼミで里親制度や養護施設など子どもに関係するテーマを扱ったので、引き続き3年次でも子どもに関するテーマを選びました。虐待が起こる原因を単に親のせいと捉えず、収入、仕事との両立、頼れる組織の有無などの社会的要因を背景に考察します。私の育った仙台より、東京は地域とのつながりが薄いと感じたことから、「児童虐待と地域との関わり」という視点で論文をまとめてみたいと考えています。内藤先生のゼミは学生の自主性を尊重していて、テーマはかなり自由度が高いです。アニメやジャニーズなどを扱っている仲間がいたのをきっかけに、そうした日本独自の文化についてもさらに詳しく知りたくなりました。私の発言に真剣に耳を傾け、熱意をもって返してくれる先生や仲間たちのおかげで、私もあらゆることに全力で取り組むようになりました。

文学部 内藤 準 准教授 研究分野:社会階層論

東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。首都大学東京大学院人文科学研究科助教などを経て現職。お金、教育などさまざまな社会的資源の不平等や、差別と社会的排除の発生、サポートネットワークが機能するメカニズムを研究。

社会的な仕組みの理解が
より良い社会をつくる

人の行為や置かれた状況を、私たちは安易に「その人の個人的な要因」のせいにしがちですが、それでは問題は解決しません。その背後にある社会的な仕組みに目を向けることができれば、他者への理解も進み、より良い社会へとつながっていくはずです。