Study Abroad留学

留学体験談

2023年度取材時

経営学部 総合経営学科 4年

長期協定
留学

ウェスタン・ワシントン大学
留学先|アメリカ
期 間|3年次9月~翌年6月

環境問題の深刻さを知り、
自ら行動するために留学を決意する

幼い頃から親しんできた自然が今、想像以上に深刻な危機を迎えていることを知ったYさん。環境問題について日本よりも古くから意識が高く、研究も進んでいるアメリカ合衆国の大学で、自然に関する知識を深めたいと、長期留学を決意しました。

準備1・2年次

自然が豊かで環境保護の歴史がある北米へ

コロナ禍とともに始まった⼤学⽣活で、自らの将来について考えていました。本を読む時間も多く、それらを通して環境問題の深刻さが危機的であることに気づかされました。幼い頃から両親に⾃然の中で遊ばせてもらっていたこともあり、⾃然をこれ以上壊さないために何か⾏動を起こしていく必要を感じ、⾃然や環境についての知識を深めるために、⾃然が豊かで環境保護の歴史が深い北⽶へ留学したいと考えるようになりました。国際課に相談し、ウェスタン・ワシントン⼤学を志望したのは、同⼤学の環境学のプログラムが充実していたことが理由です。留学先を決めてからは、課されている語学テストのスコアを超えられるように勉強を始めました。英語のみを使⽤する授業を履修して英語の環境に慣れるようにし、また担当教授が開催する読書会ではナショナルジオグラフィックの記事を英語で読み、語学⼒の向上と⾃然環境に関する知識の獲得に励みました。授業外では、ポッドキャストで⾃然環境の番組を英語で聞くことで、リスニング⼒の向上を目指しました。

留学3年次

キャンパスも街も、自然の恵み豊かな環境

留学先のワシントン州ベリンハム市は⾃然豊かな街。⼤学から海岸までは徒歩で20分ほど、街には湖も川もあります。また、スキー場がある⼭間部までもバスや⾞で2時間ほど。レストランやカフェも多い中心街は治安もよく、週末にはファーマーズマーケットが開かれていて、新鮮な野菜や果物、地元の⾷品が並べられます。学内にも緑が多く、芝⽣で本を読んだり、⽊にハンモックをかけてくつろいだりと、⾃然の中で時間を過ごすのを楽しんでいる⼈が多い印象でした。シカやリス、アライグマを学内や周辺で⾒かけることがあり、特に私が⽣活した⼤学の寮は林の中にあって、⽬と⿐の先でシカの親⼦が草を⾷べている、そんな光景が⽇常的でした。

友人たちの助けで徐々に授業に慣れていく

留学先では環境学や環境学と繋がりがある分野の授業を中心に履修しました。現地の大学生とともに授業を受けるので、準備をして渡航したとはいえ、実際に授業についていくのは大変でした。ヒアリングは徐々に慣れていきましたが、⾃分の意⾒をまとめることやディスカッションは、なかなか思うようにいきませんでした。留学中にこれらを全て克服することができたわけではありませんが、予習・復習に時間をかけ、教授やクラスメイトに直接質問して理解を深めることで徐々に⾃分の意⾒を伝えることができるようになっていきました。現地の友⼈たちが課題の添削に協力してくれたことや英語を褒めてくれたこと、親⾝になって相談に乗ってくれたことなど、人と触れ合うことが勉強を続けるモチベーションになりました。地質学やジャーナリズムなど、専攻が異なるルームメイトたちと仲良くなり、一緒にカリフォルニアやオレゴンの国立公園に旅行したこともとても思い出に残っています。

カルフォルニアからシアトルまで車で9日間の旅。キャンプをした国立公園ではコヨーテの遠吠えが......

実際に自然と触れ合って
五感で学びを深める

キャンパス内の農園。

授業で印象に残っているのは、ベリンハムを含む地域の⾃然環境や⽂化について学ぶ講義です。⼭や川、海などの⽣態系は全てがつながり、互いに影響を及ぼし合っているということを、サーモンなどの⽣物や、地域が抱えている環境問題などを通して学ぶことができました。また、古くからその地域に暮らす先住民の生活の様子や、彼らの⾃然に対する考え⽅を学ぶ機会も多々ありました。その地域にある島での2泊3⽇のキャンプに参加した際は、先住⺠の植物の活⽤⽅法を直接教えてもらったり、科学的な⽅法でアサリの個体数の密度を推定したり、その場でとれた⾷材で料理を作ったりと、⾃然の素晴らしさを五感で感じることができました。この他にも、屋外でのフィールドワークがある講義が多く、座学だけでは得られない学びがありました。

課外活動として、学校内にある農園での活動にも参加しました。草刈りや種まき、野菜の収穫などが主で、参加している学⽣の多くが環境学関係の講義を履修していたため、彼らの考え⽅を聞くことは興味深かったです。また、ベリンハム市が運営する環境保護活動にも参加しました。外来種植物の除去作業のために、地元の公園に40⼈以上の⼈が集まってきていて、彼らの⾃然環境に対する思いの強さを実感しました。

文化の多様性と個人の多様性を実感

留学先で読み込んだ本。先住民の文化や自然について書かれている。

⽇本を離れて多様な文化に触れ、その中にもさまざまな考え⽅を持つ⼈がいることを知った一方、この国に住んでいるから、この⽂化圏に属しているから、などといった先⼊観で個⼈の性格や考え方を安易に判断してしまいがちな社会に違和感を覚えるようになりました。留学中に異なる⽂化の考え⽅や慣習を取り入れてすぐに実践するのは難しいと感じることもありましたが、そこから多くのことを学ぶことができました。結果として、取り入れることができなくとも、知識を得ることで他者への理解につながります。さまざまな環境問題や社会問題が存在する今⽇において、多角的な視点で考えを巡らすことは重要だと私は思います。

帰国4年次〜

自分なりのアプローチで
環境問題の解決に貢献したい

現地で学んだことの一つは、生態系はそれぞれが独立して自然界にあるのではなく、相互に関係しあって存在していて、そのことを認識するのが、自然現象を人間の視点から紐解いていく際にとても大切だということでした。今後は自然の中で循環する生物や物質に関する研究をしていきたいと考えています。留学期間前より向上した英語⼒はもちろん、留学期間中に学んだ知識や考え⽅を活かして⾃然や環境問題の解決に少しでも貢献したいと思います。

食事は大学のミールプラン(食券)を使用して栄養バランスに気をくばりました。

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※内容は取材当時のものです。

留学レポート

過去の派遣生のレポートには、留学先での授業、生活等のより詳しい情報が書かれています。留学を考えている、もしくは留学が決まっている成蹊大学の学生はぜひ読んでください。

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