


『Peter Pan』で有名なJ.M Barrie や『Sherlock Holmes』のArthur Conan Doyle。『Harry Potter』で名高いJ. K. Rowlingや『Ivanhoe』のWalter Scottなど、多くの秀才を輩出したこのエディンバラ大学で、私は文学から政治まで "Gender" や"Race"を軸に幅広く学んでいます。英語を母語とし、さらに英文学を専攻とする現地の学生との議論は、知的で創造性に溢れており、非常に刺激的です。
キャンパスから一歩外へ出れば、世界遺産に登録されている旧市街・新市街が出迎えてくれます。エディンバラ城やスコットランド国立美術館・博物館などでは、スコットランドの歴史と文化を堪能しました。特に、美術館で出会ったGeorge Henryの『Geisha Girl 』は印象に残っています。彼はこの作品で、19世紀後半に実際に日本を訪れた際、「芸者」の美しさをオリエンタリズムの色眼鏡で歪めることなく真っ直ぐに描写していました。近いうちには、大学が所蔵するShakespeareの"Titus Andronicus"、1599年版の実物に触れてみたいです。
イギリスの文化を体でも吸収するために、友人達と『Gúy Fáwkes Day』を花火で祝ったり、本場の『Macbeth』を荘厳なThe Royal Lyceum Theatreで鑑賞したりもしました。加えてボランティア活動にも参加しており、新しく留学してきた学生や、これから日本へ留学する学生の支援も行いました。異国でも自分の経験が人の役に立つことを知り、自分に自信を持てるようになりました。最近、コースの課題でAkwaeke Emeziの『FRESHWATER』や、Amitav Ghoshの『Gun Island』を読みました。人種・ジェンダー・性別・気候変動などへ真正面から挑むこれらの作品へ感銘を受ける一方で、現地の学生達から、大江健三郎や川端康成などの日本文学が彼らに読まれていないことを知り、感傷に堪えなくなりました。思い返してみれば、授業やゼミ、課題で読む文献でもアジア、日本への言及が少なかったです。
この状況に対して、自分の役割は、英語をもってアジア、そして日本をヨーロッパへに発信していくことだと認識するようになりました。今後はそのことも踏まえ、国際社会での日本をテーマに、国際進出する企業や、行政、教育機関で働きたいと考えています。
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