Study Abroad留学(大学)

Interview 私費外国人留学生
留学生インタビュー

留学体験談

2024年度取材時

法学部 法律学科 4年

長期協定
留学

アジアパシフィック大学
留学先|マレーシア
期 間|3年次3月~同年12月

多文化の行き交う国マレーシアの虜に

留学先に多民族国家マレーシアを選んだSさん。活気にあふれた都市の中、世界各地から集まった学生たちと交流してさまざまな言語・宗教・食文化に触れた体験は、コミュニケーション力を高めただけでなく、ものの見方も大きく成長させてくれました。

準備1・2年次

YouTubeで耳を慣らし声に出して練習

大学生のうちに留学したいと漠然と考えていましたが、成蹊大学に入学してTOEFLやIELTSといった試験対策の授業を受けてさらに留学への思いが強くなりました。私の場合は2年次の6月が協定留学の出願時期だったため、春休みから出願に必要な語学スコア取得のための勉強をはじめました。渡航後、英会話についていけるように、YouTubeやPodcastなどを見たり聞いたりして耳を慣らし、日常的に英語を使えるよう一人で声に出して練習をしました。

留学先としてマレーシアのアジアパシフィック大学を選んだのは、学生の半数が留学生であることから、国際的な学びや出会いがあると思ったからです。東南アジアに滞在してローカル感を味わえる点や、日本から近く費用が比較的抑えられるのも魅力でした。

留学準備や各種手続きは自身で進めましたが、国際教育センターにビザの取得方法や入学手続きなど、留学先とのやりとりについてアドバイスをいただきました。また、保険の加入や渡航に関する書類の準備についても、わかりやすく教えてくださったので、スムーズに渡航することができました。

留学3年次

ビル群と路地のコントラストが印象的

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※1:高層のコンドミニアムから見える景色 ※2:中華系のナイトマーケット。※3:市場には見たこともない野菜も売られている。

マレーシアは多民族国家で、街なかを歩くと英語、マレー語、中国語、タミル語、アラビア語など様々な言語の看板が目に飛び込んできます。経済発展の勢いを感じられる高層ビルも数多くあるものの、少し路地に入ると東南アジアらしい屋台や小さな店が並んでいて、その絶妙なコントラストが魅力的でした。

留学期間中の半分は大学の寮に住み、残りはキャンパスの外にコンドミニアムを借りて暮らしました。どちらも家賃は光熱費を含めて3万円くらいと安かったです。ルームシェアをしたコンドミニアムはとても広くて、部屋にダブルベットが置けるほど。共用スペースはドライキッチンとウェットキッチンとメイドルームがあり、冷蔵庫・電子レンジ・洗濯機・テレビ・ソファーなどがそろう贅沢な環境でした。

はっきりと意見を言う学生たちの中で、発言できるよう準備を徹底する

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※1:「island night」ではソーラン節を披露 ※2:大学の公式Tシャツ

留学先ではインターナショナルリレーションズ(国際関係学)を専攻し、主に政治について学びました。授業は講義とディスカッションが半々で、各国の政治の特徴や国際的な問題についてプレゼンテーションする機会が多くありました。インドにおける選挙のプロセスを劇で発表する授業もあったのですが、バングラデシュとモルディブの学生はインド映画を見て育っているので、英語でマニフェストを語った後にヒンディー語でも語っていましたね。

日本の学生同士のディスカッションとは異なり、南スーダンやザンビアなどから来ている学生ははっきり意見を言うし、ゆずらない。渡航したばかりの頃はその様子に押されて、自分の意見を正確に表現するのに苦労しました。授業の内容は理解できていても、いざ話そうと思うと単語が全く出てこないので、授業の予習や復習をして理解を深め、よく使う言い回しや動詞を頭に入れ、焦らずに発言できるように準備を徹底することで克服しました。

大学では学生主体のイベントも定期的に開催されます。積極的に活動する雰囲気に感化され、私も島国に関係する学生が集まって伝統的な踊りや歌のパフォーマンスを行うイベント「island night」に、日本コミュニティを代表して参加しました。

多文化の混じり合う歴史的な都市を体感

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※1:学食でよく食べた「ナシレマ」は、ココナッツミルクで炊いたご飯におかずをのせたマレーシアの国民食 ※2:大学のカフェテリア ※3:マレーシアの伝統的なお菓子「クエ」バタフライピーやバニラ風味のハーブ・パンダンリーフで着色されている

マレーシアにはたくさんの屋台がありますが、民族によって分かれていて、都市部は中華系やマレー系が多いのが特徴です。売られているものが少しずつ異なるため、何もかもが珍しくて、とにかく食べて歩いたのも楽しい体験でした。食が充実しているのは大学も同じで、カフェテリアは中華、和食、アラブ、マレー、インド料理が選べる上に、テラス席にはタンドール窯まであり、なんと一食300円くらい!

休日には地域によって異なる街並みや建築を見に出かけました。クアラルンプールから2〜3時間くらいのところにある港町マラッカは、ポルトガルが占領していた街です。交易都市として栄え、16世紀初頭の情報がまとめられた『東方見聞録』によると、当時のマラッカではすでに80以上の言語が話されたと記録されているそうです。今でも人が集まっていて、海沿いに中華系の人がいると思ったら、ポツンとモスクがあったり、内陸にはムスリムの方が多くいたり。音楽を流しながら自転車をこいでいる人の後ろで、おばさんが人力車に乗っていたり...... 混沌としながらも活気に満ちていました。

様々な宗教や文化や民族が混じり合いながら歴史を紡いできた国だから、街も食も多彩な顔を見せてくれる。そんなマレーシアの虜になってしまいました。

友人が教えてくれたイスラムの暮らし

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※1:クラスメイトと一緒にヒジャブをかぶって ※2:ラマダンバザールの屋台。お肉と野菜をクレープのような卵の生地で包んだものを、日没前に屋台で買い、日没後にお祈りが聞こえてきたら、みんなで食べる

マレーシアは異なる宗教に配慮しているため祝日も多く、中華系の旧正月から始まり、断食明けのお祝いや、仏教やヒンズー教のお祝いやクリスマスなど多岐にわたります。

イスラム教の断食月・ラマダンが終わったあとのお祝い・ハリラヤでは、マレー人の友人の家に招待してもらい、伝統衣装とヒジャブを身につける経験をしました。また、ヒンズー教の祭典・ディパバリでは、ヒンズー教徒の友だちとオイルランプを灯して一緒に祝いました。

留学前まで、イスラム教は「豚肉やお酒は駄目、ヒジャブをかぶる宗教」くらいの浅い認識でしたが、ムスリムのクラスメイトは、よくご飯に誘ってくれて、「人に優しくすることがイスラム教において大切なことだよ」と教えてくれました。イスラムの文化についても丁寧に説明してくれましたし、お互いの違いを理解するためには、丁寧に伝えることが大切だと思いました。

多民族国家では自分もマイノリティ

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※1:ボルネオ島北部・コタキナバルにあるブルーモスク ※2:ムルデカ・スクエア(独立広場)。後ろに見えるのは19世紀後半に建てられた旧連邦事務局ビルで、イギリスのビクトリア様式とイスラム建築が融合している ※3:ヒンズー教の聖地とされるバトゥ洞窟。極彩色の階段を登った先にお寺がある

留学先でできた友人は南アジア、中央アジア、中東、アフリカなど30か国以上。みな異なるバックグラウンドを持っていて、母語も違います。それぞれの母語のアクセントをひきずった英語が飛び交っていて「Can I pay by card?」を「ペイ カ!」と言っても通じるんですよ。ブロークンイングリッシュでも文法が間違っていても通じるし、受け入れてくれる。つまり共通言語が英語というだけで、言語はコミュ二ケーションのツールでしかありません。うまく話そうとする必要はなく、通じればよいことに気づきました。

また、他民族国家に留学し、異なるコミュニティに入れば自分がマイノリティになることを意識できたからこそ、積極的に対話をして、相手の持つ背景や文化を知ろうと思えたのかもしれません。

帰国4年次〜

「ちがい」に対して寛容になりました

一人で渡航して何もわからない状態で、さまざまな人につたない英語で緊張しながら話しかけた経験は、私を大きく成長させてくれました。また、世界中の国や地域の人と親しくなり、一緒に過ごす中で、文化や言語など「ちがい」に対する漠然とした拒否感がなくなり、物事を寛容にフラットにとらえられるようになったと思います。

世界は広くてまだまだ知らないことばかり。世界中に友人ができたという点では、今まで以上に海外に興味を持つきっかけにもなりました。これらの経験を生かして、今後も前向きに何事もおくさず、取り組んでいきたいと思います。

アジアへの留学は比較的、費用が抑えられるのが魅力
留学期間中は、成蹊納付金2/3減免

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注)アジアパシフィック大学は、留学先の授業料は有償で全額自己負担となりますが、成蹊大学留学プログラム費補助金に申請して受給することができます。

※内容は取材当時のものです。

留学レポート

過去の派遣生のレポートには、留学先での授業、生活等のより詳しい情報が書かれています。留学を考えている、もしくは留学が決まっている成蹊大学の学生はぜひ読んでください。

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