教育理念・特色

学園長メッセージ

グローバルな課題を
解決するための「共創力」を育む

成蹊学園学園長 江川 雅子

AIの進化、環境問題の深刻化、地政学リスクの台頭、少子化の加速などにより、未来の不確実性が高まっています。正解がない時代を生き抜かなくてはならない若者は、社会の課題を自ら見つけ、多様なバックグラウンドの専門家と共創しながら、解決する力を身につけなくてはなりません。

成蹊学園は「自奮自発」を促し、フィールドワーク、課外活動、夏の学校や文化祭などの行事を通じて非認知能力を育むことで、人格、学問、心身にバランスの取れた人間教育を行ってきました。非認知能力は共創の基盤となる、今日にこそ必要とされる能力です。旧制高等学校のリベラルアーツ教育の伝統を引き継ぐ教養教育、どんな困難をも乗り越える「心の力」も現代にこそ求められています。

建学の精神に「個性の尊重」を掲げているように、成蹊学園では小学校から大学・大学院まで少人数教育を通じて、一人一人の個性や能力に応じた丁寧な教育を行っています。先生と児童・生徒・学生の距離が近く、卒業後も交流が続いている例も珍しくありません。

このように、成蹊学園が創立以来実践してきた教育は、若者が21世紀を生き抜くために必要な力を育むものです。若者に、自ら問いを立て、深く考え、広く学ぶことを促すために、「積み重ねた問いが、君の蹊をつくる」というブランドステートメントを定めました。

成蹊学園では創立時から英語教育に力を入れ、国際理解教育にも早くから取り組み、国内外で活躍する人材を多く輩出してきました。帰国子女教育も1918(大正7)年より開始し、戦後も他に先駆けて1964(昭和39)年に国際学級を設けました。帰国子女を普通学級に編入させる学校が多い中で、成蹊学園では帰国子女のみの国際学級で一定期間学んだ後に普通学級へ混入・移行させ、学力・文化の両面で段階的に日本の生活に馴染ませます。一方、英語は別クラスにして高い英語力を維持・向上させます。高校は米国東海岸の名門校セント・ポールス校と75年以上交流を続けていますが、他にも世界の多くの高校との交流プログラムが充実しており、海外の大学に進学する生徒も増えています。

今年度は大学に「国際共創学部」を新設し、グローバルに活躍する若者を育成するための取組に一層力を入れていきます。更に、全学の学生の国際的な対応力を強化するために、留学の機会を拡充し、新しい国際コース「Global Study Program」も開始します。夏には、理工学部が昨年、マサチューセッツ工科大学(MIT)と共催で実施して好評だった女子高校生向け理工系教育プログラムを再度開講します。

2025年度には12か国、25大学からの55人の留学生が成蹊大学で学びましたが、2027年度には留学生と日本人学生が一緒に生活・交流し、寮の運営に関与して学び合う国際寮も完成します。

このように、成蹊学園はグローバル時代に求められる人材を育成し続けるとともに、時代に合わせた改革を進めてまいります。今後とも伝統ある成蹊学園の教育・研究に対するご理解とご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

Profile

東京大学卒。ハーバード大学経営大学院(MBA)。一橋大学大学院(商学博士)。外資系投資銀行勤務ののち、東京大学理事、ハーバード・ビジネス・スクール日本リサーチ・センター長、一橋大学大学院教授等を歴任。その間、三井物産、三菱電機、東京海上ホールディングス等の社外取締役を兼任。