成蹊学園の特色

PHILOSOPHY OF SEIKEI

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個性を育む一貫連携教育

ワンキャンパスだからこそ「本物に触れる」教育は真価を発揮します。

成蹊学園は、「本物に触れる」学びを教育の原点と位置づけています。
「本物に触れる」体験は、新たな気づきを与えるだけでなく、その気づきを科学的思考に高める契機にもなります。
さらに「ワンキャンパス」という特有の環境が、この学びを一層充実したものにします。
成蹊学園のキャンパスは、小学生から大学院生までが一堂に集まる全国でも稀な環境です。
この環境がもたらす世代間交流や学び合いを通じて、多様な価値観に触れ、多角的な思考力を身につけながら、一人ひとりの個性を大切に育んでいます。

学校間の連携を通じた「本物に触れる教育」の実践

成蹊学園では小中高大が互いに連携し、「本物に触れる」学びを創出しています。例えば小学校5・6年生は、大学理工学部の教員による本格的な化学実験やロボット製作を通じたプログラミングを体験します。中学校では3年生になると大学のゼミを体験できる機会があり、文理問わず幅広い学問の最先端に触れることができます。また高校3年生は、大学の科目等履修生制度を利用し、早期から大学の授業に参加することができます。このように各校は互いに連携し、在校生に特別な学びの場を提供しています。

伝統の人間教育に通じる学校の枠を超えた交流

多様な価値観や背景をもつ人々に触れ合い、学びを深めることができるのが、小学校から大学院までを擁する総合学園の特徴です。武蔵野の緑豊かな環境に囲まれた吉祥寺キャンパスでは、学校の枠を超えた交流が生まれます。例えば小学校の英語の授業では、TA(ティーチング・アシスタント)として教職課程を履修する大学生が参加しています。また小学6年生の「夏の学校」では、2キロメートルの遠泳に挑戦する児童を、高校生や大学生の有志がサポートしています。こうした交流は、教わる側の児童だけでなく、教える側の生徒・学生にとっても貴重な機会となっています。このような経験を通じて、在校生は多様な価値観に触れ、社会性を身につけながら、人格を磨き上げていくことができるのです。

知的好奇心でつながる一貫連携教育

成蹊学園の一貫連携教育の取り組みは、さまざまな領域に広がっています。
ここでは代表的な取り組みをご紹介します。

英語一貫教育

英語一貫教育の図
小学校中学校高等学校大学
各校英語カリキュラム
学校間相互教員授業参観
国際教育センター
留学・インターンシップ・海外体験学習
国際交流賞
国際交流会館・国際寮
英語試験受験奨励金
協定留学生ほかとの交流機会

国際教育センターを中心に、小中高大の各学校が行っている英語教育について情報共有を行いながら、学園共通の取り組みや学校間連携を推進しています(上図参照)。各学校は定期的に客観テスト(小学校は英検IBA、中高はGTEC 、大学はTOEIC-IP)を行い、CEFR-J(ヨーロッパ参照枠の日本版)に基づき設定した到達目標を参照しつつ、クラス編成や学習成果の検証に活かしています。

また各学校とも、それぞれ特徴のある英語教育のカリキュラムを組みながら(下図参照)、学園共通の取り組みとして多読学習を10年以上続けています(小学校では英語で書かれた絵本を採用)。さらにワンキャンパスという利点を活かして、教職課程を履修している大学生が小学校の英語の授業にTAとして参加する機会を提供することで、児童への教育効果を高めるとともに、大学生の教育実践の場となっています。そのほか、ケンブリッジ大学の学生が約1カ月間TAとして小中高大の英語学習や異文化交流に参加するプログラムもあります。

大学では、2020年度に開設した学部横断型グローバル教育プログラム「EAGLE」にてオンライン英会話を必修科目として導入し、2021年度からは小中高を含む学園全体で希望者が受講できるようになりました。

各学校のカリキュラムの流れ

小学校
  • フォニックス指導
  • 1対1での英会話
  • CLIL(内容言語統合型学習)展開
中学校
  • 基礎基本の徹底(発音・リスニング力など音声指導重視)
  • スキットの活用
  • ネイティブ教員による授業
高等学校
  • 外国人教員と日本人教員とのチーム・ティーチング
  • 習熟度別の学級編成
  • TOEFL講座
大学
  • 1年次スキル別の学習から2年次にはスキル統合型(コンテンツ重視)の英語学習へ
  • 必修科目のほか、個別のニーズに合った多様な授業を提供
  • EAGLEなどの上級者向けのクラスでは、留学・キャリアを見据えて
  • English-medium instruction(EMI)で専門科目を学ぶ

「中学3年生×大学ゼミ」体験

中学3年生が大学にある5つの学部の中から希望した学部のゼミ・研究室に複数回足を運び、学問の最先端に触れながら大学の学びを体験する中大連携企画です。参加した生徒の満足度も高く、その後の学びへの向き合い方や進路を決めていく上で、有意義な取り組みとなっています。

高校3年生の大学科目履修

成蹊大学の科目等履修生の制度を活用し、成蹊高校の3年生が大学の授業を履修しています。この取り組みは10年以上前から続いており、2019年度には提供科目数が100を超え、多くの高校生が早期に大学の学問に触れられる機会となっています。この制度で修得した単位は、成蹊大学進学後に卒業所要単位として認められます。

化学教室・ロボット教室

大学理工学部教員の指導の下、小学生が理科への知的好奇心を高めていく小大連携企画です。6年生対象の化学教室では、大学の実験室を使ってより高度な化学実験を体験し、5年生対象のロボット教室では、実際にロボットを作りながらプログラミングについて学習します。どちらも普段の学校生活ではできない貴重な体験となっています。

夏の学校における水泳師範参加

「夏の学校」は、成蹊小学校が開校した1915(大正4)年から現在に至るまで、100余年にわたり続いている伝統行事です。6年生の「夏の学校」では、水泳師範団(卒業生のほか、高校生、大学生などが参加する有志の組織)が結成され、 児童の水泳訓練や遠泳をサポートしています。