A3. たしかに400字詰め原稿用紙にして50枚以上の卒業論文を書くのは簡単なことではありませんから、書かなくても済むならばそれで済ませたいという気持も分からないではありません。
しかし、よく考えてみてください。一つのテーマにしたがって、取り上げる対象をさまざまな角度から検討し、参考資料をあれこれと調べ、それらを踏まえながら自分の考えをまとめ、他人に説明できるように論理化する、それが卒業論文を書くという作業ですが、この作業を完遂することの意味は、単に卒業論文を書くというレベルに止まるものではありません。
卒業論文はもちろん大学4年間の勉強の総決算としてあるものです。しかし、これは同時に社会人として必須の問題調査・解決能力を、社会に出る前に模擬的に演習する作業としての意味も併せ持っています。学者になるのでなければ必要ないというようなものではありません。自分の定めたテーマにむけて精一杯の努力を傾け、自分なりに納得できる卒業論文を書き上げた時の達成感は、自信となってあなた自身を豊かにするでしょう。だからこそ成蹊大学日本文学科では卒業論文を重視しているのです。