現在、武蔵野ふるさと歴史館で、企画展「武蔵野地域探究 歴史と環境から考える未来」が開催されています。
企画展の一環として、小中学生のための夏の子ども講座を開催することとなりました。

その第2弾として、8月23日(火)に「セミのぬけがら調べ」を開催しました。
成蹊中高には、林のように木々が茂る「林苑」など、緑豊かな環境があります。
毎年夏になると、たくさんのセミの鳴き声が「せみしぐれ」のように聞こえてきます。
今回のイベントでは二人で一組となり、ぬけがらをたくさん探すことができたペアと、一番レアなセミのぬけがらを一番多く探すことができたペアを表彰する、ゲーム形式で開催しました。

参加者の皆さんには、まず校内の空中写真の地図を配布。
あらかじめセミのいそうな場所を推測した後に、校内を短く一周して実際のようすを見て頂きました。
教室で牛乳パックを加工したぬけがら入れをお渡しした後は、靴を履き替えてぬけがら探しにGO!
ぬけがらが鈴なりになった木を発見したペアからは歓声が上がりました。
各ペアには自然科学部の中学生も同伴。地図上の場所を教えるなどのサポートをしました。

教室に戻った後は、分類図を見ながらセミの種類を特定。
ここでも今夏に2度ぬけがら探しを経験している自然科学部員が活躍。分類方法をお伝えしました。

優勝はわずか30分間で264個のぬけがらを見つけたペア。
計算すると、7秒に1個という驚異のペースでぬけがらを見つけていたことになります。
3位までのペアも200個以上のぬけがらを発見。
ご参加頂いた16名の小中学生と保護者の方で、1700個ほどのぬけがらを見つけることができました。
この数は、自然科学部の毎年の調査一番多かった数を上回りました。

一番多く見つかったのはアブラゼミで948個、2番目はミンミンゼミで600個ちょうど。この2種類で全体の9割を占めました。
次いで、ツクツクボウシ、ヒグラシ、クマゼミ、ニイニイゼミの順。
7月28日に行った調査で一番多かったニイニイゼミが、今回8月23日の調査では一番少なくセミにより羽化する時期が違うことも確認できました。

このニイニイゼミを一番多く(= 4個)見つけたペアには、セミレア賞が贈られました。

セミのぬけがらは動かないので簡単に採取でき、ぬけがらが見つかればそこでセミが世代交代している=その場に定着していると確実に言える調査です。

近年では気温の上昇に伴い、クマゼミの分布域が北上していると言われています。
ぬけがら探しを通じて科学的な調査の面白さに気付いて頂けたらと思う次第です。

調査結果は、10月1日、2日開催の蹊祭で自然科学部発表する予定です。
また、イベント主催の武蔵野ふるさと歴史館を通じて、現在NHKが行っている市民調査「シチズンラボ セミ大調査」に送られる予定です。掲載をお楽しみに。

令和4年度第2回企画展「武蔵野地域探究 歴史と環境から考える未来」
http://www.city.musashino.lg.jp/kurashi_guide/shogaigakushu_koza/rekishikan/1039111.html

成蹊中高×武蔵野ふるさと歴史館 共催企画展「武蔵野地域探究」開催のお知らせhttps://www.seikei.ac.jp/jsh/news/2022/12960.html

実は謎だらけ! セミ大調査
https://www.nhk.or.jp/citizenlab/semi/index.html