成蹊中高の探究学習
成蹊中高では、創立当初より幅広い教養を身につけるためのリベラルアーツを重視しています。「本物に触れる」学習を通して、生徒一人ひとりの「琴線に触れる」学びに出会う機会を数多く用意し、知的好奇心や科学的探究心を育んでいます。リベラルアーツの実践に加え、物事の本質を見極める「探究学習」を行うことにより、自らの個性と資質をしっかりと自覚したうえで進路が決定できます。本校は、自ら課題を発見し、解決できる「0to1」の発想を持てる人を養成するため、多岐にわたる探究学習に取り組んでいます。
探究学習の紹介
成蹊中高の探究学習は、学年ごと(中1~高2)に統一したテーマで行う全員参加型の探究学習と希望者向けのProject Based Learning(PBL)型の課題解決型学習があります。
全員参加型探究学習
中学生
高校生
希望者参加型探究学習
(Project Based Learning)
全員参加型探究学習
中学1年生
怪獣の制作
2023年度は、文化祭での発表に向け「怪獣」を制作します。クラスで一体のオリジナルの怪獣を制作する過程を通して、日本独自の文化である「怪獣」が抱えている社会問題や、生物、物理、歴史、数学、芸術、国語などの様々な視点を含んだ探究活動を行います。制作の中で、調査の方法や、意見の集約の仕方、プレゼンの仕方を学び、文化祭以降や中学2、3年次での探究活動に必要な能力を身につけます。
中学2年生
セカイをChange!
中学2年の学年目標である「セカイをChange!」を実行できる人を目指し、探究活動を行っています。2023年度は成蹊生のホームタウンである「吉祥寺」をテーマとし、「吉祥寺という街」や「吉祥寺にいる(働く)人々」から「自分自身」をより良くChange!するための提案や実践をグループの仲間とともに探究します。吉祥寺の街に出かけ、調査や取材を行い、校内外でプレゼンテーション活動を実施。有志での勤労実践も予定しています。
中学3年生
10年後の自分が社会とどのように関わるか
中学3年の桃李では、「10年後の自分が社会とどのように関わるか」をテーマに探究活動を行っています。2023年度はドキュメンタリー映画の視聴、大山知春さんや税所篤快さんの講演を通じて社会への知見をひろげ、マインドマップやペアインタビューを行い、自分の興味・関心を可視化してきました。今後は自分で立てた問いについて専門家へのインタビューを含めて調査を行い、文化祭で中間発表を行います。2月には最終発表を実施する予定です。
高校1年生
学習旅行×探究
高校1年の全生徒を対象に、企画力・表現力の醸成、協働する力の発達を目的として、高校2年次実施予定の学習旅行のプランを計画する探究学習を実践します。班のメンバーでブレインストーミングや対話を重ね、合意形成をしながらゼロからプランを作成する楽しさがあります。クラス内や学年全体でのプレゼンデーションの機会が用意されています。発表されたプランのいくつかは調整のうえ、実際に催行されます。
高校2年生
社会問題への取り組みと自己実現
高校2年の全生徒を対象として、2つの課題に取り組みます。1つ目は家庭科の授業における身近な生活に特化したテーマ学習です。小グループでより深く調査や分析を行い、その結果をプレゼンテーションします。代表グループが外部の大会へチャレンジしています。2つ目は進路探究です。自分自身の長期の進路計画を立て、現在取り組むべきことを探究し、自己実現に向けて実践していきます。
希望者参加型探究学習(Project Based Learning)
-
コーポレート
企業と協働し、マーケティングや商品開発を主体的に学び、地域交流など様々な課題を解決するために、体験することを通して思考力、判断力、表現力を育成するPBLです。
-
スタートアップ
社会に新たな価値を創造するため、地域の人々のニーズに気づき、他者と協働して解決策を見つけ、より多くの人の生活を良くするプロセスを学び、実践していきます。起業家による講演会、ワークショップ、スタートアップに主眼を置いたキャンプも実施します。
-
SDGs
貧困、紛争、環境、気候変動、感染症。持続可能な社会や未来の創造を目指し、Sustainable Development Goals(SDGs)を中心に据えて、幅広く探究学習に取り組みます。
三菱みらい育成財団
本校は、2022年度に一般財団法人三菱みらい育成財団のカテゴリー1高等学校等が学校現場で実施する「心のエンジンを駆動させるプログラム」に採択されました。(採択名:新たな価値を創造する先駆的挑戦~成蹊スタートアッププロジェクトSEIKEI STARTUP Project~)
この助成金を用い、「問題の本質を捉え、解くべき課題を定め、解決に向けて他者と協働し協創する(0 to 1の精神を育む)こと」を目標に取り組んでいます。現在2年目を迎え、知的好奇心や科学的探究心を誘うプログラムを生徒とともに協働で企画・実施し、目標の達成に取り組んでいきます。